あゆみの物語〜出会いがいつかは言ってない‼︎〜
私の名前は柚原あゆみ、
普通の高校に通う普通の高校生、
なんか最近、いつも一緒にいる親友が一週間の停学処分くらったり、
原因不明の爆発で、校舎の半分が吹っ飛んだりと、普通の高校生活を送れているかを問われると怪しいとしか言えない今日此の頃、
今日はそんな私の親友である、桐谷玲奈と出会う、ちょっと前の物語を語ってみたいと思います。
–––––––––
時は遡り、私がまだ一人だった、高校一年生の前半、
私の席は、教室の一番後ろの、一番端と言う、実に目立たない所だった、
そして、
「あの子、いつも一人でいるよね?話しかけてみる?」
「えー⁉︎やだよ〜、なんか暗くて怖いもんあの子……」
ヒソヒソと、自分を対象にされた話し声が聞こえてくる、
「……聞こえてるよ……」
相手に聞こえないよう、小さな声でボソッと呟く私、
ハァ〜
とため息をついたところで、
「あっ、今なんか独り言言ってた、怖いよ」
「もういいじゃん!行こっ?」
散々人のことを馬鹿にしたくせに、なんか私が悪者みたいな言い方をして、どこかへ立ち去る声の主達、
ここではっきり言おう!(心の中で)
怖いのは、お前らだと!
だって、奴らは決まって大勢で攻めてくる、
奴らは数で勝っていて、相手が絶対にやり返してこないと確信している相手にしか突っかからない、
逆に、
そうゆう対象を見つけては、そいつのことを、影でコソコソと悪口言って、最終的にはこっちが悪いみたいになって話を終える、
そしていつの間にか、私の知らない私の悪口が広がっているのだ、
だからと言って、その場で言い返すと、「えっ⁉︎何⁉︎聞き耳立ててたの?キッショーイ」
と言った感じでもっと酷い噂が広まることになるというタチの悪さ、
私は、小学生の時、ある事件を起こして以来、人と関わるのが怖くなっていた。
そのある事件と言うのは–––––––
––––––––––––
さらに時を遡ること、私が小学三年生の時のことである。
その頃の私は非常にピュアだった。
言われたことを何でも信じていた。
そして、その頃私が信じていたのは、ネッシーやらビッグフットやら、俗に言うUMAと言われる存在だ、
その頃の私には、根元静香と言う友達がいた、
そいつは今思うとなんで仲が良かったのか、わからないヤツだったのだが、その頃は時々遊ぶくらいには仲が良かった。
さて、そろそろみなさんもお分かりかと思うが、一応言っておくと、
私がその根元静香にネッシーとあだ名をつけた、
すると、そのあだ名が、当時のクラスの中でやたらウケたらしくあっと言う間にクラス中で、その根元静香のことをネッシーと呼ぶようになった。
そして、
その頃は軽い感じでつけたのだが、子供とは恐ろしいもの、その根元と言う友達を、クラスのみんなが容赦なくいじりだした、
おそらくみんな軽い悪ふざけのつもりだったのだろう、
だが、軽い悪ふざけも、毎日、大勢ですると、非常にキツイものとなる、
気づくと軽い悪ふざけが、いじめになっていた。
そして、私は、
––––––根元を見捨てた–––––
と言っても、私がネッシーとあだ名を付けてすぐ、根元は色んなヤツらといるようになり、私はその輪に入っていけず、
ほとんど話すことは無くなっていたし、まさか、根元がいじめられていたなんて思ってもいなかった、
むしろ、
色んな人と話しができて、根元は凄いヤツなんだなーと、思っていた。
だから、
その頃には、根元とは、もう他人になっていたと言ってもいい。
だから私が罪悪感を感じることもないし、後悔も何もない、
例え、私が付けたあだ名が原因でいじめが始まり、
そのいじめを苦に、根元がこの世から姿を消していたとしても、
–––––––––––––
私は一人でいることを選んだ、
根元以来、誰とも仲良くなれなかったし、元より仲良くする気もなかった。
これでいい、
私は誰とも仲良くならない方がいい、
私と仲良くなった人は不幸になるから……
と、思っていた。
–––––––玲奈と出会うまでは、
玲奈と出会う少し前、
私の考えは、少し変わり始めていた。
今まで全く気にならなかった、教室で話をする生徒達の声が、
ある日突然、やたらと耳につくようになっていたのだ。
そして、思わずその声のする方を見た時、
思ったのだ、
「楽しそう……」
と、
その生徒達は、何人かで机を囲んで、笑いあいながら何かを話ていた。
私は、その光景が目に焼き付いて、離れなくなってしまった。
「私も……」
たとえ、相手が不幸になるとしても、誰かと触れ合いたい、話がしたい、
なんて、
夜、寝る前なんかに、布団の中で考えながら眠るようになっていた。
そんな時、玲奈と出会った、
初めて会った時の玲奈は、なんか自分と同じ雰囲気をしていて、
何というか、嬉しかった、
私が誰かと何かしら救いを求めていたのかもしれないが、
すごく、満たされた感じがした。
そして、
久しぶりに誰かと話をして、
気づいた、
私は、一人でいることが、寂しくなっていたのだと、
その気持ちに気づいたと、同時に、
私は、ようやくこの世に誕生したのだと、実感した。
–––––––––––––––––
玲奈と話をしている時が何より幸せだった、
孤独でいる事が、たまらなく寂しいと思っていた時に、私と出会い、私を孤独から連れ出してくれた大切な人、
玲奈とずっと一緒にいたい、
そう、思った、
このまま二人で、ずっと、こうしていられたら、と、
でも、同時に感じていた、
私と一緒にいると、玲奈を不幸にしてしまうのではないか、と
また、根元の時のように、玲奈も不幸に、
それは嫌だった、
玲奈を不幸にするくらいなら一生孤独に苦しむ方がましだ、
だから私は玲奈と一線を引いて付き合っていくことにした。
いつ嫌われて、見放されてもいいよう、心の準備を整えながら、
玲奈とは一緒にいたいけど、決してそれを表には出さず、
玲奈のとこが……好きだけれど、それを玲奈には悟られないように、と
玲奈には冷たい奴、口の悪い奴って思われているかもしれない、
玲奈が私に優しくしてくれるたびに、きつく当たったから、仕方ない、
その度に、
玲奈に嫌われるんじゃないかと思った、
見放されるんじゃないかって、怖かった、
ものすごく、不安になった、
でも、
もし、これで玲奈に嫌われて、離れていかれても何も言わないつもりだった。
それでまた一人になるとしても、玲奈のことを不幸にしなくて済む、
そう、自分に言い聞かせて、
––––––––––––––
でも、最近おかしい、
私の中の何かが変わってきているような気がする、
最近では、玲奈がいつの間にか仲良くなっていたという、理沙って子とも、仲良くなれた、
多分その時らへんからである、
私の玲奈が、違う誰かと楽しそうに話をしている、
そんな光景を想像するだけで、なんかものすごくイライラするのだ、
さらに
そんな光景を実際に見てしまった時には、とてもその場にいられないくらい胸が辛くなる、
だが、理沙に限っては、最初こそ、本気で排除する考えでいたが、
付き合い出してからは、不幸にするならコイツを不幸にしてやるって気で、仲良くするようにしていた、
そうすると、色々吹っ切れて、
最近では、
理沙と二人で話す機会があって、それ以来とっても良い子だと分かったおかげか、玲奈と話をしているところを見ても、排除までは考え無くなった。
理沙ともこのまま仲良くなれたらと、そう思う、
でも、現在、
気づいた、
理沙と、一緒にいたい、仲良くないたい、
という感じと、
玲奈と、一緒にいたい、仲良くなりたい、という気持ちは、
なんか違うということに、
理沙とはもちろん友達として、仲良くなりたい、
理沙のことをもっと知りたいし、いっぱい話もしたい、
理沙のことは、はっきり言って好きだ、
でも、
玲奈に対するそれは、理沙に感じるそれとは比較にならないくらい、強いのだ、
気を抜くと、何かの一線を超えてしまいそうなくらい、
軽く接するだけでも、理性を保つのに、苦労するくらいに、
私はどうしてしまったのだろう……
…………、
いやっ、
知っている、
本当は、分かっているんだ、
私は……玲奈のことを……
愛しているんだと‼︎
玲奈のことを独占したい、ずっと二人でいたい、
恋人になりたい、
そう、思ってる、
でも、やっぱり玲奈を不幸にしてしまうと考えると、怖い……
……いや、それはただの言い訳だ!
私は玲奈を不幸にするかもしれないことが怖いんじゃない、
人と仲良くしても相手を不幸にしないことは、理沙との付き合いで分かっている。
本当は、
玲奈に気持ちを伝えて、もし拒まれたらと考えるのが怖いんだ!
幸だ、不幸だ、は、ただの言い訳に過ぎない、
……よし!
告白しよう!
明日、学校で会ったら、すぐに、
拒まれたらは、ここでは考えない、
そして、
たとえ、私といると玲奈が不幸になるとしても、
玲奈が私さえいてくれればそれで幸せって言ってくれるくらい、玲奈を、幸せにするんだ‼︎
そうだ!そうしよう!
–––––––––––––––––––
あゆみが、玲奈に対する気持ちを、本人に伝える決心をしたところで、
ピンポーン、
と、あゆみの家のチャイムが鳴る、
現在は夜の10時過ぎだ、
あゆみも今は、寝るために布団に入っていたところだ、
こんな時間に尋ねてくるとは、かなり非常識な人だ、
あゆみの両親は、現在二人とも仕事から帰って来ていない、
一瞬、無視しようかと思ったあゆみだが、
もし、こんな時間に訪ねてこなければいけないほどの急用だったらいけないので、一応出ることにする、
「はーい」
色々面倒くさかったので、誰かの確認もせず、そのままドアに手をかけるあゆみ、
「ったく、誰よ、こんな時間に」
不機嫌なオーラ全開で、悪態も我慢する気ゼロで外へ出て行くのだった、
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