玲奈、捕まる!(ガチで‼︎)

同日、夕方、



結局あの後、完全下校時刻まであゆみを追いかけ回した玲奈、


追いかけ回されたあゆみは泣き叫びながら職員室へ駆け込み、先生に泣きついた。




それにより、先生達が出動、玲奈は、またあの激闘を再現し、捕縛、説教部屋へと連行される。



捕った玲奈は、説教をさらに一時間ほどくらったのち、ようやく解放、心身ともにすり減った玲奈は、あゆみに癒してもらおうと、あゆみの姿を探したのだが、




あゆみに先に帰られた。




待っててくれると猛烈に期待していた玲奈が受けたショックは、それはそれは大きかった。







余りのショックに泣きながら一人で暴れ、




その後寂しく下校している。






……と思いきや、





「私とあゆみは〜な〜かよし〜」



超上機嫌‼︎


恐るべきポジティブさである。




頭の中にお花畑が広がっているとしか思えない、能天気お馬鹿にして、我らが主人公、桐谷玲奈、




現在の時刻は夕方の7時、




日も暮れてきて、空が紫がかっている現在、




そんな中、変に元気一杯、馬鹿みたいな歌を歌いながら私の待つ自宅へ向けて下校中、






そして、そうゆう私は、そんな彼女の妹(仮)、最早おなじみとなっていることでしょう、解説の、桐谷桜(仮)です!



今日も元気に、解説やってます!






どこからどうやってかは聞かないでください!


トップシークレットです!



(……決して超快適な、お姉ちゃんのお家で一人、気楽にポテチ食べながら解説とかしてないので‼︎)




話は戻って、







玲奈は、相変わらず、阿保みたいなニヤケ切った表情をして、ルンルン、と歩いている、




すると、


「あっ!ちょっと!そこのキミ!」




なんか、今まで聞いたことないような、と言うか、男の人の声に呼び止められる玲奈、



「はい〜?なんでしょうか〜?」


相変わらず、気持ちの悪い顔で振り向く玲奈、



玲奈を呼び止めた男の人、題名からももう何も言わなくても分かるかと思いますが、



その男の人は、近くを巡回していたと思われる、お巡りさんです、




は、その表情だけで不審者扱いされて補導されてもおかしくない、玲奈の反応に、少し引きつった顔になりながらも、なんとか、冷静に、対応する、



「えっと、キミ、近くの高校に通ってる生徒さんだよね?」





すると、玲奈は、さっきまでとは明らかに質の違う、世間向けの笑みになって、



「そうですが?それが何か?」


と、なんか急にピュアっ子みたいな受け答えになる玲奈、



なんか、普段、奇行を繰り返す玲奈が、まともな受け答えをしだすと、知り合いからするとすごい違和感……



まぁ、これが普通の受け答えなんですけどね?





普通の表情になった玲奈を前に、少しホッとした様子で、話しを続けるお巡りさん、




「実は最近、この辺で不審者が目撃されてるんだよね、それに、キミの通ってる学校、この前原因不明の爆発で校舎の半分吹っ飛んだりしてたでしょ?だからさ、僕らも巡回して、登校中の生徒さんたちに呼びかけしてるんだよね」


「あっ!なるほど、それはそれは、ご苦労様です」



ナーンダ‼︎


と、適当にその場をやり過ごそうとする玲奈、


だが、



「あぁ、違う違う、今のは呼びかけじゃなくてさ、最近目撃されてる不審者の特徴と、一致してるんだよね」



という、お巡りさんの言葉により、



急に雲行きが怪しくなってきた今現在、



「は?」


何言ってんのこいつ、


と、

思わず阿保みたいな声が出る玲奈、



「いやさ、その目撃情報と、キミの今の見た目、似てるの、だから」


「つまり、これは呼びかけじゃなくて、職質ということでしょうか?」




玲奈の言葉に緊張感がまじる、



いざとなったら目の前のお巡りさんを殺して逃げそうな勢いである。



「まぁ、そうなるね、あっ、でももちろんまずは話を聞くだけになるから、だから、ちょっとだけ話聞かせてもらえるかな?」




もちろん、あの中で、


クイックイッと、

後ろにある白と黒の、赤い何かを乗せた車を指差すお巡りさん、




「はい、わかりました、」



こうなると、逃げるとかえって危ないので、仕方なく応じる事にする玲奈、



その後、


例の車の後部座席に乗せられ、




緊張の聴取が始まる、




––––––––––––






例のあの車の中にて、





「まずは協力ありがとう、じゃあ、まずは最近目撃されてる不審者の情報から言ってくね、」



そう言うと、お巡りさんは、紙が何枚か挟まれているバインダーと、ペンを取り出し、話し始める、


「じゃあ言ってくね?最近目撃されてる不審者は、まずは女の子であること、その服装がその制服であること、で、いつも夕方の7時から8時の間と、下校するには少し遅めの時間に、この道に現れるらしいんだ……」


そう言いながら、資料に眼を通し、読み上げていくお巡りさん、




「そしてその話を聞いた僕はここ数日、こ場所を巡回して、よく通る生徒で目撃情報に一致する生徒を探していたんだけど」


「そしたら、私が引っかかったと?」

「まぁそうゆうことなんだ、で?何か心当たりあったりするかな?もし無ければキミが誰か不審者を見た情報でもいいから何かあればそれを教えてくれないかな?」


「いやないです!全く!」


即答!


あるのみである!





はっきり言って、今の玲奈にこんな事される要因は……







……メチャクチャある‼︎



それはもう、言い逃れができないほどに、



ただ、


それは今、お巡りさんの言っている内容の事ではない、


そっちに関しては、マジで知らん!


というのが現状、


完全に初耳、濡れ着も良いところである。




だが、



(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……)




内心頭おかしいくらいテンパってる玲奈、



ではなぜ、全く関与していないことを聞かれてこんな事になっているかと言うと、



私、今、カバンの中に、あゆみ盗撮盗聴用のグッスやら、あゆみ拉致用の睡眠薬やら、薬品染み込ませたハンカチやら吹き矢やら、お巡りさんに見られるとアウトな品の数々が入っておられる!





何としても荷物検査は避けながらこの危機を脱せねば'……



この危機的な状況の打開策を考えながら、お巡りさんからの疑いしか感じない質問の数々になんとか怪しまれずに答えていく玲奈、


そんな中、


「そっか、ごめんね〜時間取らせて、完全に僕の思い込みだったみたいだね」


本当に申し訳なさそうな感じで謝ってくるお巡りさん、


だが、玲奈は


(ホンット、マジですんません、私、それとは違いますけどもっとアウトな事してます!見つかるとヤバイです、ですが、今捕まる訳にはいかないんです、だから今回はこのまま終わってください!しばらくは大人しくしますんで、頼んますからこの場は何事もなくさっさと終わってください!どーかこのまま荷物検査とかはなしで……)



内心ガタガタ震えながら祈る玲奈、



しかし、玲奈の祈りも届かず、


「よし、じゃあ最後にカバンの中だけ見せてもらって良いかな?それで最後だから」



とうとうやってきたこの時、




「えっ⁉︎カバン……ですか?」



終わった……


と、思いながらも、


白々しく聞いてみる玲奈、




……悪者の最後の足掻き、




なんとも見苦しいものである、




「うん、一応……ね?」




「わっ……わかり……ました……」



わかりたくねー‼︎




と、思いながらも、ここで嫌とは言えず、渋々カバンを取り出す、


(ヒェ〜、終わる、カバンの中見られたら確実に終わる……せっかく濡れ着は乗り気ったのに、別の案件で捕まるよ〜このままじゃ)



処刑台に上る気分の玲奈、




だが、



丁度その時、車の前にある、無線から、何やら慌てた様子の通信が入る、



その様子に一瞬跳ねたお巡りさんは、急いで無線を聞き、何やら慌てだした、


「何だって⁉︎……分かった!すぐ向かう!……チッ、こっちはハズレだったか……」



どうやら本物が現れたらしい、



急いで玲奈の横に戻ると、


「ごめん、途中だったけどこっちで急用が入っちゃった!また後日、改めてお詫びを兼ねてお話を聞かせてもらうから、今日のところは帰っていいよ!」



そう言うと、お巡りさんは、玲奈を素早く車から降ろし、去っていった。



「た……助かったァァァァァァァー‼︎」


天を仰ぎ、体全体で今の喜びを表現する玲奈、


誰だかは知らんが不審者さん、ありがとう‼︎



「ヒャッホォォォォォォォ〜!」


その場で小躍りしたり、地面を転がったりしている現在の玲奈の姿は、紛れもない不審者のそれであるのだが。




しばらく暴れた後、少し落ち着き、大人しくなった玲奈、



そして、


帰ろう……



という空気になり始めたその時、







「あの!」



突然背後から声をかけられ、振り向く玲奈、







そして、その人物を目視し、誰であるかを認識した瞬間、






「オェェェェ、ゲロゲロゲロゲロ……」



吐いた、



それはもう、壮絶に、



話しかけた方の人物は、何が起きているのか分からず、ボー然としている。




玲奈は、吐くだけ吐くと、そのまま気を失い、バタンと倒れる、




自分の吐いた、ゲロの海に、




急に吐き出して、急に意識を失って倒れ、今も地面でピクピク痙攣している玲奈を前に、玲奈に話しかけた人物は、




「大丈夫⁉︎玲奈‼︎……って、これは見るからに大丈夫ではないよね?……どうしよう、救急車?いや……」




玲奈の名前を知っていることから、どうやら玲奈の知り合いと思われるその人物、



あゆみや、理沙ではない、




見た目は玲奈と同い年くらいで、綺麗な長い黒髪に、綺麗な整った顔立ちの、その女の子は、



自分の顔を見るなり、いきなり吐いた玲奈を見ても、一切動揺した様子もなく、


冷静に、


救急車か、そのまま近くの休める場所に寝かせておくだけで大丈夫そうか、考えている。


そして、




何か思いついたかのように、



パァっと、顔色が明るくなった。


どうやら結論が出たらしい、




「そうだ!ちょうど良かったんだ!」




一体、何がちょうど良かったのかはさて置き、


その人物は、今もゲロまみれの玲奈に手を伸ばすと、



ゲロなど気にした様子もなく、玲奈の体を抱き上げ肩に担ぐ、



そして、


「玲奈が勝手に気を失ったことには驚いたけど、よく考えたら私が玲奈を気絶させる手間が省けたんじゃない!このまま連れて帰ればいいんじゃん♪」


大量大量〜♪



と、そのままどこかへ立ち去る人物、



こうして、玲奈、どっかに連れ去られるのだった。




–––––––––––ちなみにその後、




無事、不審者は捕まったらしい、



玲奈を捕まえた人とは違うお巡りさんが捕まえたそうな……



玲奈を捕まえたお巡りさんは、その場で地団駄踏んで悔しがったとかなんとか……




……まぁ、ザマァ‼︎とだけ言っておこう、

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