霜月

13 文化の日・犬の◯◯

【文化の日】


「五月様、今日は文化の日です」

 明治天皇の誕生日でもあります。

「自由と平和を愛し、文化をすすめる日だ」

 文化の日の趣旨です。


「ねえ五月様、ラノベも日本の文化の一つでしょうか?」

「んー、そうかもしれないな」

「外国ではそういう呼び名はないのでしょうね」

 ライトノベルは和製英語ですから。


「で、五月様、執筆のほうは進んでおりますか……?」

「それを言うなし」

「あ、今日もダメなのですね。人気が出るのはいつになることやら……」

「が、頑張りますから……」

 五月先生、ファイト!


「あ……」

「え?」

「母親の誕生日だった」

「それは大変です。お仏壇にお供えを!」

「煎餅でいいぞ」

 五月先生の母君、お煎餅がお好きでした。


「なりません。ケーキをご用意しなければ。わたくし買ってまいります」

「あれは自分が食べたいんだ」

「行ってまいりま〜す」

 メイドさん、ルンルンです。


『ショートケーキにしてね』

 空の上の母君からのリクエストです。




【犬の◯◯】


 よく晴れて、ぽかぽかの日です。

「小春日和だな。メイド、散歩に行かないか?」

「あい。お供いたします」


 テクテク、テクテク……。

「メイド、足下気をつけろ」

「うっ! 犬のう◯ち……」


 テクテク、テクテク……。

「気をつけろ」

「うぎゃ! また、犬のう◯ち……」

 メイドさん、運が付きますよ。


「飼主さんはマナーを考えなきゃな」

「そうでございますね」


 テクテク、テクテク……。

「気をつけろっ!」

 え、三回目?


「また犬の……って、Gの死骸ぃ〜!」

「こんな季節に、まだいるんだな……」

 メイドさん、運が尽きました。

「ひぇ〜」

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