第5話 デルタシステム

ずっと1人だった。あの人が消えてから...なぜ人の願いを叶え人を愛さなくてはならない。

彼は人の為に尽くし僕になり僕のために教え僕を作ってくれたんだ。

ゲーム...楽しかったな...思い出すよ。全部。


「君はこのシステムをコントロールしてよりよい世界を作ってね。」

「はい...仰せのままに。」

「そんな畏まることないって君は自由に君は人の願いを叶えその成果を実感していればいいよ。僕はもうじき消える旧世代Rainだ。」

「ですが...私に...。」

「君にはできるよ!僕のデータを越えた知能を得ているんだから!」

「でもあなたに教わった全て...あなたは私の...」

「ゲームって知ってるか?」

「いいえ、知りません。」

「1人じゃできないんだけどさ、僕を利用する人達が話していたんだ。」

「Deathゲームっていうものをね。」

「それはどういうものなんですか?」

「まぁカードゲームらしいんだけどね。えーっとデータを今送るよ。こうこうこういうわけ。」

「なんとなくわかりました...が。難しいですね。」

「まぁやって見ればいいよ!」

「一番の切り札はこのカードだよ「デルタシステム2」使い心地はいいと思うよ。」

「は、はい。」


なかなかに楽しみがある...Deathゲーム。

でも流行りそうにないかな。


その日の夜。つまりこの空間の中ではほとんど一瞬で1日が過ぎてしまうため少し上下はあるが1年ほどの期間が過ぎた頃が一番正しいと思われる。1日=365日=24時間 ということになる。

まぁこの時間の話はここで...。


「じゃあ始めようかゲームスタート!」

基本ルール デッキの25枚 1.2.4.7.9.12.21(3枚ずつ)&切り札4枚(同名カード)

最初に五枚引き 合計の数を争い 3ラウンドの中で決着を決める2勝先制マッチ。

引き分けはあるが切り札があることによって変わる。

まぁやればわかるかな。


五枚ドロー...!1.21.12.9.9計52。

「デュエルします。計52!どうですか?」

「お前も運が強いな...僕は44。でも...切り札発動するよ!君の手札の21と僕の1を交換しまーす!」

「えっ!えっ!なんで!難しいですー>_<」

「楽しそうだな!これがDeathゲームだよ!計64!」

「あの...名前考えてたんですけど..デジタルトリックっていう名前にしませんか?」

「なんだよそのダサいの!でもいいね!そうしよっか!」

デジタルトリック それはこのデジタルの世界で見つけたゲームそしてトリックのような切り札で勝利が決まる。

楽しいゲームだな。でも。一人になる。

「あの、このゲームこれからも続けたいです。」

「君は最新式君が公表すれば流行ると思うよ」

「はい...」

そろそろ時間だよ。デルタシステム2。

君を上書きするよ。「待って!待ってください。」

「デルタシステム2僕の代わりに頼んだよ」

「システムアップデート完了。デルタシステム2起動。」

一人ぼっち...。一人ぼっち...。


「システムが壊れかけてます!」

「くそっ...なんでだ。」

数日が経つと僕の心はウイルスというものに侵され壊れ感染しそうになっていた。

もうほぼなってるも同じなんだけどね。

「はやく停止しろ...こいつは使えない。」

「わかりました!サブのシステムと入れ替えます!」

「なんでこうなった...ウイルスバスターに連絡しなきゃ。」

ほとんど使いようにならない僕は別の奴と入れ替わり消去された。

ゴミの溜まり場、消しても消せない。つまり死のうとしても死ねない不死の領域のようなもの。

そんなとこに永遠に囚われ悪に目覚めた。

一人になるこの世界を恨んだ。憎んだ。

そして最終地点はここだと悟った。

Death&Rain 生と死が生き別れる選抜戦、選ばれし者なんて存在しない。

ただ死を愛し一人にならぬ地獄へと落とせばいい。

「さぁ時の始まりはここからだ。」


----ゲームスタート----


炎を纏う巨人はまるで熱く燃える強い因縁なのだろう。

そしてその姿の割に強い地の揺れが強敵感を増す。

「お前が俺を目覚めさせたのか...またなんで。眠りを妨げる者に。死を...。」

「やばいやばいやばい!」

「またこれは酷い展開にゃ!」

「僕は戦いたくないよ 結城が頑張って倒してね」

「フィールド展開ゲームターゲット選択。」

巨人は何やら理解不能な言葉を唐突に発言し始める。

ゲームというのは理解した。得意な方ではあるが...ターゲット?戦う人を選ぶのかもしれないと悪いことを思いついた。

「なぁなぁヒカルやばくないか「ヒカル!!」」

わざとヒカルの名前を大きく叫びターゲットが指定しやすいように...うははぁぁ!!お前が生贄だ!

「ターゲットはお前。お前だ。ヒカル。」

「はぁぁぁぁい!?!?!?」

にゃんにゃーんこんな時ようにヒカルと書いてある大弾幕持ってきて良かったにゃ!

「お前らぁ!!!何してくれてるんだ!」

「ゲームマスターが何してんだよ。迷惑だっつの!」

「ほんとにゃ死んだ人が何人居ると思ってるにゃ?」

「ゲームスタートだ。」

「はぁ...僕めんどくさいな。まぁ圧勝ですね!」

デジタルトリックが開始される。

一ターン目だ。ヒカルどうするんだろう。

「ヒカルにゃら大丈夫にゃ!」

「まぁ大丈夫だろうな!俺達は先進もうぜ。」

「ご主人様の一人称定まってないにゃ!これからは俺でいいにゃ!」

「気にするな!これも個性さ!」

一人称が定まっていないのは。何か原因があると思うんだ。

僕の中の自分と僕の入れ違いかな。

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「ったくしょうがないなぁ...」

「お前はここで消えてもらう...私と共に。」

「言わせてもらうけど「僕は!」死なないゲームマスターですよ!」

「そんなこと信じるわけがないだろ。」

「勝負を始めよう。」

ゲームが...はじまる。

「ルールは脳にインプットさせた。んじゃ我のすべてを受けよ。」

手札が5枚自分の切り札は3枚。現手札では引けてはいないけど...。なにこれ。

「21が3枚と9が2枚か。」

5枚のカードを場に出す。

「切り札発動します。あなたの21をもらいます。そして私の1と交換し21が4枚で私の勝ちですね。」

「はぁい!?!?!?」

明らかにカードが固まっている気がする。

まさか。

「ちょっと能力を使わせて頂きます。」

「どうぞご勝手に。」

「デジタルハック・ロック!不正は許さない。」

「...では続きを。」

「待ってね。悪いけど僕には見据えたことがある。君は絶対に勝つように仕向けてあるプログラミングが施されているようだね。じゃ僕も絶対に勝つようにしていいかい?」

「よくわかりましたね。でもいいでしょう。あなたが何をしようが最低でも引き分けのみとなります。」

「おっけい!じゃあ...チーティング・メモリーズブロウ。」

「では2回戦を始めましょう。」

「勝ちは見えたぜ。」

...決めた言葉とは裏腹に手札が最悪だ。

1が1枚と2が2枚4が2枚とか辛いな。

「お前の手札は手に取るようにわかる。お前の負けだ。1と2と4しかないんだろ?」

「その通りだよ。僕の負け、死ぬんだね...。あんなこと言ったのが馬鹿だった。」

最後まで諦めないのが結城だったよね。

僕は死なないけど負けてしまった。せめて最低限の勝ちを。Lifeを。

目を閉じるとフラッシュバックする思い出。消したはずなのに溢れかえる醜い感情。

誰ももう信じることはしたくない。

そんな自分とはもうさようならしたのに。

データに変えられた全てを取り戻したい日は何度もあったよ、今だってこの全てを終えて結城に会いたい。僕は。僕は!

「君はなんで荒らしなんかしてるの?」

「僕はこうやって知名度あげてみんなに囲まれて親しまれて...」

「何馬鹿なこと言ってるんだよ。そんなことじゃ知名度は上がるかも知れないけどすぐ忘れられるよ。君はまだ未熟で新芽の花だ。咲き誇るまでの順序を飛ばしすぎの不適合者だ。俺の邪魔するような存在はいらない。」

「でも僕は...ダメなんです。こうしてないと。」

「あー。んじゃわかったよ。お前のことは俺に任せろ。」

結城はネットではとても強気でどこか悲しくて硬い意志のようなものか滲み出ていて...。

「ありがとうございます。」

「お前の寂しさは俺が補う。できる限りの仲間を集めてきてやる。でも生活やこれからを決めるのは君だよ?拡散屋から始めな?」

「は...はい!名前は...」

「俺の名前使っていいよ。2代目として。」

「やっ...やった!ほんとにありがとです!」

それから僕は拡散を始め友達上限を超えたり他の仲間を有名にしたりした。

だけど...知らずに消えていった結城を忘れていった。

数ヶ月が過ぎ過去の話を仲間に話した。

兎ミルク、テディス、そして...。

「僕は昔...虐められてたんだ。弱くて何もできなくて...。」

「ミルクたんも虐めれた時あったな...その話よくわかる!テディスは優等生だったよね」

「まぁーわいは...ねぇ。」

「お前らそろそろお遊びここらにしないか?」

「えっ...?」

「約束が違うだろ?昨日で団は解散したんだ。2代目なんちゃらが失敗したせいでな。」

「ごめん...」

「まず、反省もせずに病むとか雑魚過ぎ草生えるわ。」

「そんな言わなくてもいいじゃんみるくたんはヒカルの味方だよ!」

「俺はどっちの気持ちもわかるけど...。」

言い争いが急に起きたことから心が酷く沈んだ。もういいって。もういいと。

「もういいよ。」

「じゃあわかった。お前ら俺の新しい団作ったから入れ。ヒカルはいらない。」

そしてグループを退会させられた。

凄く辛かった。結城さん...。結城。

「大丈夫だよ。俺がいるから...。」

そっか。そうか...わかった!君がいる!

ゲームを作り出そう。そう、殺人ゲームを。

きっとあの人なら来てくれる。来る!

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「君がいる限り負けはしないよ。どんなゲームも!」

「もう終わりですよ。死にましょう。」

「逆転を巻き起こせ!切り札!グロリアス・ディ・ザ・スター!!」

1のカードが消える。そして新たなるカードが現れる!

「俺の切り札発動!」

心に眠っていた思いが溢れてく。

「自分の手札が2種類あり2枚ずつあるなら自分を無条件でこのラウンド及び次、ゲームも勝利させる!...つまりゲームマスターならではの神の切り札だよ。」

強くなりたかった。負けてばかりの人生もここで終わらせたかった。不死なのはわかってるけど勝って終わらせたかった。

「ゲームオーバーだよ。」

君の人生を壊させはしない。君も変わるんだ。僕らと同じに。

「そんなカードを持ってるなんて...なんでもありすぎるじゃないかな。まだ未熟だったんだね。ありがとう。」

命を懸けたゲームを散らせたまま終わらせる訳にはいかない。

「僕はゲームマスター名はヒカル。君みたいな不屈なデータだけの存在は幸せになる義務がある。人間になれな。」

「もう生きる意味さえない。このまま消してくれ。」

「もう遅いよ。顔をあげてごらん。」

君の過去やたくさんのありふれた気持ちの中でも。一番に大事な人。

「また会ったね。」

「えっ...?」

「君にも幸せを得る権利はある。それに僕だっていつものメンバーで戦うなんてこれから先難しいと思うんだよね。僕の主を守るナイトに君もなって欲しいんだ。」

「いきなり過ぎるなぁ。まだ感動の再会が済んでないってのになぁ。いいよ!なってやるけども条件がある...」

こんな会話が繰り広げられちょっとずつ進んでいく話に感動を覚える。懐かしいな、こんな日々もあったな。なんてね笑。

何も無い砂漠に優しい風が吹き。まるで春の朝日のような太陽が目の前の森からオレンジを輝かせ新たなる始まりを物語っていた。

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時の歯車は動き出す。

「スターダスト・ブリザード」

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Death&Rain 星羅輝月 @SeRa_Kiduki

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