第4話 グロリアス・ディ・ザ・スター

激しく揺れる大地が教えてくれる生命の尊さ自然から伝わるその優しさ...。


「なぁ、覚えてる?」

「何を...??」

「そっか...なんでもないよ」

「わかった。兄さん今までありがとう。」

「いいや。ここで終わらせやしないよ」


『グロリアス・ディ・ザ・スター』


お前らはもう俺達の魔力に立ち向かうことはないだろう。

「燃えろ燃えろ!ガッハッハ!!」

奇跡というものがあるのならこれぞ奇跡...なんてね。

「僕は生憎死には嫌われているんだよ」

「喚く暇があるならちょっとは動いたらどうだ?」

燃える玉と大地をも切り裂く炎が僕に向かってくる。

「兄さんは逃げて...」

「ううん...大丈夫だぞ。来いヒカル!」

「遅いんですよ!全く!」

光る閃光データで出来た世界が砂嵐の様に狂う。

この戦いを映し出すモニターも現実世界のテレビや端末は全て一時停止する。

まさにtheワール...。

だがこの世界は機器が壊れただけで人々は安全だ。

ラグと光の力が荒れ狂い炎や弾を吹き飛ばす。

「なにぃぃぃ!!!???」

「紅蓮隊長!どうするんですか!?」

「全軍全力を尽くし奴を狩れ!」

「はい!」

どんな戦いだろうと全力を尽くす団の勢力は強い、そしてその信頼性と団結力。

揺るぎがないんだ、こいつらも必死。

死を選ばれたらそいつはもう存在ができない、生かされる道はその道で奴隷扱いだ。

こんなゴミみたいな世界を僕は...。

ドクンッ...ドクン...

胸が痛む、そしてまた光が輝き出す。

目を閉じて深呼吸を繰り返す。

僕の望む世界は平和そのものがいい。

誰一人殺させはしないよ。

「グロリアス・ディ・ザ・スター!!!」

当たりが暗くなり...赤く光る月が現れる。

そしてその月の周りに点々とする星がまるで1輪の花から花びらが1枚1枚舞い散るようにそれはもう美しく堕ちてくる。

「まだ終わりじゃないよ」

星が堕ちてくると同時に異空間の道が開くそして月を呑み込み破裂する。

「デストロイ・アーチ」

矢がまるでサバゲのフラググレネードが破裂してBB弾が飛び散るように紅蓮を目掛け降り注ぐ。

「後悔なんてないよ君らはもうここに存在価値はないから。」

「や、やめてくれ...命だけは...命だけは...!!」

「そんな命乞いはいらない。もう終わらせてやるよ。」

降り注ぐ矢と堕ちる星が紅蓮や団員へ直撃する。

「Life」

...バタン。


にゃあ?んにゃあぁ!!

「ん、ンン...。はぁ。」

ラーメンの匂いがする...「いしや〜きいも」

流れる石焼き芋のメロディ...でもラーメン。

ベシッ!!バンッ!

「は!?なになに!」

「んにゃあ!わすれたのかにゃあ!?」

「なんだお前かぁ...ってここどこ...」

「ここは宿屋だよ!君はこの街の英雄みたいになっちゃって無料で貸してくれちゃったにゃ♡」

「あぁ。ボス...おはようございます。」

「あわわわ!なんでここにいるの!」

「昨日は申し訳ないです...ほんとに。」

「いやいやいや!なんであなたが居るの!」

多分きっと眠ってしまったんだ。記憶が薄い...なんでこいつ...紅蓮がいるの。なんで...あ、刹那...。

「てか刹那どこだぁ!!!」

「君の弟は今頃修行してるよ」

「ヒカル!お前何してるんだよ」

「まぁ適当にRain民とマッチさせてるだけだから大丈夫ですよ」

「そっか...んで何この兵の数」

見渡せばここは街の広場で宿でもない...移されたのか。

「ボス...乗り合わせてくださいね!これより我らボスの結城がこの紅蓮に代わって指揮を取る!お前ら着いてこいよ!」

「はぁい!!!」

何このいきなり勢力手に入れる感じ。

例えるならなんだろう。大きな賭けに勝ったア〇ギみたいな気分。

アニメちょっと見ておいて良かった。

まぁわからんやつは調べなさい。

「ボス!指揮を!」

「え、えーっっ!!!何話せば...」

「にゃあが指揮を取ろうかにゃ!?」

「僕が指揮を取ってもいいんだよ?」

もやもやと頭に過ぎる今夜のパーリィナイトと長過激な試練が...。

悪いよ感がする。ここは!

「お前ルァァア!!これからの戦いは険しいしいろいろ大変なんだ。お前を戦わせて死なせるわけにはいかない。だからおれは決めた。」

そう、誰も殺しちゃいけない。

「俺達のギルドを作りこの世界が終わるまで...人々を守り抜いていこう! ギルドの名前は!フェアルィ...なんでもない!Rain!だ!」

「えっ?なんでもないRain〜?」

「ちがーう!Rain!だよ!」

「え〜?ちがーう!Rain〜??」

「あーもうお前らぁ〜一人づつ処刑な☆」

「Rainですね!我ら全力を作ります!」

「んじゃお前ら貯金だしあって城建てて来い!」

「はぁい!」

案外軽いノリで出来たギルドRain。

だが僕は紅蓮に指揮を任せこの街を後にした。

「ヒカル!刹那はどこにいる?」

「えーっと1人で戦いに言ったと...」

「なんで止めなかった!」

「君や僕の言葉じゃなにも揺るがない、あの子はきっと...」

「なんだよ」

「きっとにゃ!きっと迷惑かけにゃいようにとか思って駆け出したにゃ!」

「急いでおいかけなきゃ」

大事なもの...ほんとにあいつしかないんだ。

猫みたいなやつとこのゲームに導いた自称ゲームマスターのようなやつは居ても楽しいけど。

現実の触れ合いというか関わりが...。

こいつらのリアルはどんなんだろうな。

ここから先を行けば山がある。

そしてその山には巨大な主が居て誰も入ることの出来ない。

グランド・レインという名前の塔への鍵が眠っている。

「ここ行くのか?」

「しょうがないね...」

「任せるにゃ!必殺技で簡単に通れるにゃ!」

「よし!あれだな!ロッククライ...。」

「結城!ボケモンぱくらない!」

「いくにゃ! ヌコの印 ニャンダフル・レイン!」

ゴゴゴゴゴ...ヴァン...シーン。

山は大きい肉球に踏み潰されほぼただの砂漠に成り果ててしまった。

「ゲームクリアにゃ!」

「ゲームオーバーだよ!」

「さてコンテニューしますか?結城」

「お前はガチのゲーム気分かよ、てかコンテニューできんのかよ!」

砂漠と成り下がった山を通過する途中に奇跡的に残った1輪の花を見つけた。

それはとても綺麗でコスモスのような可愛らしい花だった。

「枯れちゃまずいな。おいヒカル。」

「なんだいゴキブ((」

「あ?」

「なんでもないよ!んで何?」

「植木鉢あるか?」

「あるけど?あー!そういうことね!」

「はやく植木鉢に入れなきゃ腕飛びますにゃ!」

「え...?」

カチッ...チクタクチクタク...バァン!

燃え盛る炎が巨人のように現れた。

砂が紛れ旋風が起こり竜巻を身に纏う炎。

「お前が俺を呼び出したのか?」

この展開まさか!ランプの妖精の流れかな?まさか!?

「お前か?とりあえず死ね」


...ゲームスタート...


僕はまだ...死にたくない。

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