第2話 NIGHTMARE

何故だろう。夢の中が真っ暗だ。か

「さよなら」

誰だ。君は…僕を知る誰なんだ。


目が覚めた時僕は倒れていた。


「痛ってぇ。なんで俺がここでぶっ倒れてんだ?」

あれ、誰も居ない。周りを見渡しても人影一つなく全ての人が消え去ったかのように見えた。

倒れている理由、人がいない理由…つまりDeath…ってことなのか?

考えすぎか…。

僕は森を進み道の歩く先の大きな樹木へと向かった。

その先には死の墓という広い墓地が広がり僕の周りを彷徨う風はとても意思を持ち僕を取り囲んでいるように思えた。

「君もいつかここへ行くんだよ」

何処からも至るところから泣き声や囁く声僕を歓迎するような声が聞こえる。

苦しい…助けて…なんで僕は…君もおいでよ…おいで…おい…来い…来い…

止めどなく流れてくる声に…頭痛が…

痛い…痛い…僕を…殺さないでくれ…

黒い霧に飲み込まれるように僕は暗黒の世界へと…消え…

「はっ!!」

目が開いた。ここは…と伺うも誰もいな…「お前ら何してんだ?」

「えっ!?バレちゃいましたー?暗黒の世界へようこそっ//ご主人様♪」

「あっ起きちゃったかぁ面白かったのにぃ」

少女とヒカルは笑いながら僕にナイトメアを見せていたようだ。「はぁ」

安心した。でも僕の脳には刺激が残り深く心に恐怖と闇を植え付けられた。

僕が見ていたのは夢のまた夢…でもこいつらにそんなことができたとはな…

「まだちょっと頭が痛いんだけど…どうしてくれんだ!!」

僕は取り敢えず怒ってみた まぁだいたい察していた流れが返ってくると思っていた。でもそれはまた出会いの生まれだったんだ。

「ごめんなさい!!あ、そういえば名前まだ名乗ってませんでしたよね!私の名前は 桐乃夢(きりのゆめ)といいます!」

こいつの親寝すぎなんじゃねぇの?

なんてつまらないことをいう前に言葉が出た。

「俺の名前は雨宮結城」

高校生探偵でも永遠の6歳児でもない

ただ普通の人間なのさ!

これはもう皆さんも飽きてますよねわかってますって。

でも彼女の名前が知れた。これだけで僕の考え事は削られ心が一つ軽くなった。

自己紹介が済んだ後僕らは数時間食料と大型モンスターと戦い武器などを揃えていた。

流石の一人称の為リアルが怖いな。

マリンプランクトンみたいにカクカクしてないのがいいとこで銃系統が扱いやすい。でも逆にそこがいろんな意味で戦いを左右してる。

だって…みんなゆめに夢中になりすぎて俺一撃も喰らわずに倒してしまうんだぜ?

対人戦はまだ行っていないがいずれこいつを使い楽に勝てるんだろうと油断しつつ森を抜け街を見つけた。

大きなモニターがありそこでは鬼畜な対人戦が行われ 殺人ギルド対enjoyギルドが対戦をしていた。が。その結果はあっけなかった。 この世界は一人称視点のデスゲーム1度殺されたら相手に運命を左右される最低最悪のゲームだ。 =君にはわかるか?そうDeath つまり 殺人ギルドが勝つことによりenjoyギルドメンバーは死ぬ。enjoy勢とガチ勢の試合なんて見え見えだ。enjoy勢が負けるに決まってる。

終わりだな…そう長い人生じゃないだろうに。

夏の景色は暖かくて海や星が1段と煌めくだがこの場所ではそんなものはなく…悲しいな。

モニターに映る戦いは最低最悪の結果だった。5対5の戦いで行われていてenjoyギルドは4人死亡、それに対して殺人ギルドは5人も残っているじゃないか。終わったな。お疲れ様…フード服の少年。


-----俺は…死なない!!-----

「はぁ…はぁ…みんな…しんぢゃった。なんで僕はここに立っているんだろ…なんでこんな世界に…」

俺は雨宮刹那…とんだキラキラネーム。

いじめられっ子で臆病で大切な人を失ったクズだ。みんな死んじゃえばいいのに…みんな…みんな…兄さんをあんな風にしたみんな…死ねばいいのにっ!!

「お前ら絶対許さないぞ…お前ら…」

小さく出た声は殺意がある。握るナイフには太陽の光が乱反射する。スマホをもう片手に持ち合図を伺う。殺人ギルドは連携を取り俺を囲う。

確実に仕留めるつもりだ、でも俺は理解していた。

飛びかかる寸前の僅かな時間に人1人分あるかないかの隙間があくそこを抜け出せば1発で全員を倒せる可能性がある。

やれるかどうかは…

「なぁお前ビビってんの?wたしか君あの結城君っていう有名人の弟なんだっけ?大層なもんだなぁでもここで終わりかwたくさん彼には荒らしてもらったよ俺らの大事なテリトリーをな!死ねばいいのにw」

殺人ギルドは俺に煽りをかける。

イライラするな…爆発しそうだ。兄さんを馬鹿に…兄さんに死ねって…許さない…「兄さんを馬鹿にしたな…許さない」


ナイフを片手に目を閉じ相手の一番強そうな人の方へと直進する。

「絶対殺してやる」殺意が抑えられないよ。

胸いっぱいに罪悪感が生まれ敵を狩りたい衝動に襲われる。

殺人ギルドは俺をみくびっていた。

目を見開くころには俺は倒れビリビリに引き裂かれたフードと炎天下の下、陽炎と名誉の歓声が脳を伝い…勝ちを確信した。

「ここにいるんでしょ…兄さん」

-----貴方を迎えに行きます-----


モニターの前、唖然する僕と歓声の群れ

映るものは残激…殺戮…とても人間とは思えないほどの身体能力どう彼は覚醒していたのだろう。((絶対戦いたくねぇよ死ぬどころじゃなくてもうあれだよ?消滅だろ…怖い怖いコワーイ))

「なんでビビってるのニャ?御主人様っ♪」

「何君ビビってんの!?」

くっヒカルに煽られると腹が立つな…ゆめもなんか腹立つ。

「ふっビビってないよ、僕は彼より強いぜ?」

周りが手に持つものを僕に投げつけてくる

「てめぇが勝てるはずないだろバーカ、雑魚はひっこんでろよざーこw」

地雷を踏んだようだ…逃げな…いと

頭上に表示されるvsの文字と結城という名前…あれ?おかしいなぁ…あはは。あはは。あはははは。敵はえーっとぉ…せ、刹那!?さっきの人やん!

勝てねぇ…やだやだやだ。

「お前さっき俺に勝てるとか言ったよな?やってみろよ、即効Deathさせてやる」

はぁ!?死にたくねぇよ。

僕の脳内は凄いスピードで周り人間を超えそうなほどの知力を得たようだった。

どうしよどうしよでも逃げられない。

普通にやれば負ける…どうしよ。どうしよ。

考えあぐねても結果は出ずに開始のカウントダウンが始まる。

さっきまでボロボロだった身体も元に戻り服も修復されていた。((こいつガチ勢じゃん))

目を逸らしスマホを上に掲げ武器に変換する。

「来い!俺のダークエクスカリバー!!」

…シーン…静かに冷める空気と青ざめた顔

僕のスマホが変換されたのは光そのもの。なんの武器にはならず使い方もわからない。

変換無しで持つものはナイフそれだけ。

勝てるわけがないじゃないか。

あと一秒…開始の合図が鳴る。

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