9月14日
朝食後、集落を散策して水産センターを見学。入り口の池でアカバという魚の歯磨きを体験。地元の子どもが発見した習性で、目の前に棒状の物を差し出すと口を開けて口の中の掃除をねだるそうです。
多分小型の魚に口をきれいにしてもらう習性から来てるのだと思いますが、口の中は小さな牙だらけで小さい魚ながら中々の迫力。屋外水槽にはネムリブカもいました。
中の小さな水族館には小笠原の生き物がたくさんいます。アオウミガメ、イセエビ等々。淡水川に住み着いてしまったグッピーもいるのはご愛敬でしょうか。
実際に潜っても中々会えないサイズの生き物達に会った後、釣浜に向かいます。
道路から300mほど下る釣浜は名前の通り釣り向きの海岸だそうで、水中の地形は複雑で魚も多く、今回は珍しい物には会えませんでしたが釣りにもシュノーケリングにも良さそうな海岸です。
只、左手の岸壁の沖に行った所、注意喚起のボードにもあった渦を巻く潮流に流され、この旅一番の身の危険を感じました。激しい潮流に沖に持って行かれそうになりながら何とか岸壁に噛り付いて帰還できましたが、泳ぎの得意不得意以前の問題で近付くのは危険です。
再び集落に戻りまずは小笠原海洋センターへ、海洋センターはウミガメの保護施設で営業はしていませんでしたが、野外水槽は見れたのでウミガメたちにご挨拶。
アルビノの白いアオウミガメや子どものアオウミガメたち。他にもアカウミガメやタイマイもいました。
聞くところによるとアオウミガメは草食で美味しいけれど、肉食のアカウミガメはまずいとか。タイマイはどうなんでしょう。
アオウミガメの肉は島だけで流通しているので食べてみようと思います。
海洋センターは少し分かりづらい位置に有りますが、これはウミガメの為に砂浜に隣接しているからです。センター前の海岸は製氷海岸と呼ばれ、冷凍食品メーカーのニチレイの製氷所があったからだとか。
集落近くの湾内にある波の穏やかな海水浴場ですが、ひと泳ぎしようと入ると砂地がメインの浜なのに魚が多くて少し驚きます。しばらく泳いでみるとかつては港として機能していた名残の残骸が漁礁になっているのが分かりました。途中ミズクラゲにも会えました。
沈没船もそうですが海底を通るパイプラインなど海に溶け込んだ人工物はロマンがあっていいですね。
しかしこの製氷海岸で見なければならない物は右側のテトラポット近くに有ります。ガイドブックで知ってはいましたが、世界最大級とも言われる枝サンゴの群生です!
もはや群生という言葉では足りない程で、サンゴの草原とでも言うべきでしょうか。見渡す限りがサンゴです。波も静かで危険を感じるような事は何もありませんでしたが、逆に浅い海底に咲くサンゴを傷つけないようにと気を使ってしまいます。魚もその隙間を賑やかに泳いでいました。
これは小笠原に来たら境浦と並んで行かなければならない海岸ですね。透明度が高いので泳ぎが苦手な方でも、テトラポットのならぶ桟橋から覗けば枝サンゴは見れると思います。
本日は一区切りつけて宿近くの常世の滝へ向かいます。対した距離ではないと思っていましたが、それ以上に近い位置に有りました。小川を超える小さな橋を渡って舗装された道を2分も歩けば到着です。干上がった川に降りて岩場を少し上ると常世の滝でした。
母島よりは大きいとはいえちょろちょろと流れる小さな滝です。先客の立派に育ったヒキガエルがやはり小さな滝壺で滝に打たれていました。
上の水たまりはメジロが水を飲む憩いの場になっているようです。水温は温く、飲用には出来そうにありませんが雫が削っていったであろう岩穴を潜って流れる水の音を聞きながら小休止します。
この旅の間は勇壮な海の音ばかりでしたから、この可愛らしい音には癒されます。
明日は咸臨丸の探検隊が初めて寝たからという理由で名付けられた初寝浦に向かいます。その後は未定です。
ここで日記を終えようとしたら網戸に張り付いて、灯りに群がる虫を食べるグリーンアノールを発見。旺盛な食欲です。小さなオガサワラトカゲも食べてしまうそうですからこれでは島の固有種たちもたまらないですね。
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