無と有の狭間で ―多界記・白琴会編―

作者 お竜

20

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★★★ Excellent!!!

量がありましたが、簡潔で要領を得た文章のためスムーズに、面白く読めました。
なんとなく一昔前のアドベンチャーゲームを思わせる内容(ゲームのシナリオだと言われても納得できそうです)で、舞台や描写、主人公たちの造形にもどこか懐かしさを覚えつつ。

ですが、そんなノスタルジックな第一印象とは裏腹に、芯にあるものを古くさいとは感じませんでした。
扱われている題材にたいする真摯さとでもいうのでしょうか。それぞれの要素が丁寧に、信念をもって書かれていると感じられたからだと思います。

主人公がかなりの激情家で、気持ち的には置いてけぼりな部分も多かったのですが、それだけに、物語がその感情に沿った安易な着地をしなかったことに感慨がありました。クロニクルの第一編というだけあって、続きが気になる終わり方です。