第5話香辛料も組み合わせ次第でかわるはず1
「ジョロ」
「ジョロちゃん」
「ジョロキアさん」
「ジョー」
「なんで皆さんそうミドルネームで呼ぶんですの!?てかシオさん!なんでボクサーみたいになってるんです!?」
「いや、愛称や愛称」
突如あらわれた天王寺・ジョロキア・小町の来訪を迎える4人。
小町だけは特待生組のためクラスが違うが、お嬢様というのはザラメと同じく人を遠ざける能力があるらしい。通称お嬢様ぼっちというやつである。同い年の侍女が付いているなんて言う都合のいいことは現実ではないらしい。
「そしてジョロ、なにしにきた?」
「良い質問ですわザラメさん…今はやりのアプリゲーム『怪物ハンター』略してカイハンに皆様をご招待しようと思って!」
「やらん」
「やりまじょうよぉぉ~Sクラスになるとソロじゃあ無理なんでずのよぉぉ~」
「協力プレイ前提のゲームでそこまでソロで行くほうがすごいな」
泣きつく小町をうざったそうに引きはがすザラメ。に呆れるシオ。
「どんなゲームなんですか?」
こむぎが純粋な質問をシオにぶつける。
「最近はやりのアプリゲームや。昔のとちごうて、電子魔道書やからスマホでバーチャルなもんで、シリーズ1から流行りが長いんよ」
現代の技術では、電子魔道書の普及が凄まじく、大規模な機械などなくてもバーチャル体験ができるようになってしまった。
この「カイハン」だが、スマホ版として開発されたものであるが、仮想空間にて怪物を狩るという…言うだけだと単純なのであるが、仮想空間に自分自身のアバターを作り自分が動くというのだ。それも上下キーで動くというものではなく、仮想空間に転送された意識を持った自分自身が走ったり、殴ったりする。
「私もザラメちゃんもシオちゃんもちょこちょこやってるんだよ」
「へ~」
「んまっ!なら話は早いですわ!皆さんご一緒に…」
小町が目を星にしながらズイズイと迫る。
「うちらは無理だ。私がギルドを作っているからな。ギルドプレーヤー限定プレイ専用なんだ」
「あのロックかけてるんですの?」
「初回にやり方わからんくて強くなるために課金しまくってな、それでかなり振り回されて1回消した。今のアカはシオがやるといったから作り直したんだ」
ネットゲームの恐ろしいところはいわずもがな。相手の顔が見えない故に、相手が素人だといいように使ったり、強くなると寄生キャラという分別のないプレーヤーが出てくるところにある。それを一定の区分けをして他プレーヤーの介入を防ぐという、ソーシャルゲームゆえの問題を解決するためのロックである。それに、電子魔道書によるこのカイハンは五感すらも共有するため、一部では公安が動いて巡回しているぐらい流行り、問題視されているゲームである。
「じゃあじゃあ私も入れてくださいまし!」
「私もやってみたいです!」
嫌な顔をしていたザラメだったがこむぎの介入によって小町をギルドに引き入れた。
「キャラ出来ました!」
「お~こむぎちゃん、褐色キャラとは通だね」
「なんか強そうじゃないですか!」
こむぎは女性の褐色肌のキャラ。武器は投擲と言うのを選んでみた。
「エストリカさんのは…可愛い!!!」
「えへへ~」
純粋な魔法使いにウエディングドレスのような衣装の女の子。
「エストリカのは外見にえらい苦労したからなあ」
「シオさんはどういうのなんです?」
そう見てみたのは男の剣士だった。
「男性ですね」
「ゲームでもいいから男の気分になりたいんよ。さてうちのマスターは…」
そうしてみたのは我らがギルドマスターザラメ。
「ザラメさんコビットでウルトラロングアックスってどういう組み合わせですの?」
「うを!?なんだジョロ、お前ハイクラスのマテリアルソルジャーじゃねーか!?どうやってハイクラス任務達成…ってこのアイテムいらないならくれよぉ~」
「それは今鍛錬中ですのダメですわ」
「いいだろぉ~」
「…なんか立場逆転してませんか?」
「ザラメちゃんもやりたかったんだよ」
「同じ穴のお嬢ってやつやな?」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます