第7話 感動
夜が明けた。
眩いばかりの太陽が大地に色をつけてゆく。
教室の窓から差し込む光明がーMayを貫いた。
その存在は日光の温かさを感じる事が出来るのか分からない。
その日差しは-Mayの悲しみを幾分和らげたように見える。
窓から外を見ると、ちらほら人が歩いている。
散歩だろうか。
ジョギングだろうか。
まだ日が昇ったばかりだというのに!
-Mayはボーっと眺めていたが、外気に触れようと思ったのか窓を透過しグラウンドへ降り立った。
幽体で動くのに四肢は何の意味もない、なぜなら大気も重力もそれには作用しないからだ。
未だそれを知らないーMayは必死に身体を動かして目的の場所まで進んでいるように感じているだろうが、実際は思念だけで目的地へ行けるのだ。
ーMayは誰もいない学校のグラウンドで目一杯走る。もちろん幽体に疲労はない。
たとえ四肢が欠落していた人がいたとしても、幽体になればそれを想像出来ればいくらでも動かす事が出来よう。
-Mayは笑っているような気がする。
どんなに走っても走ってもその身体は疲れを知らず苦しみも与えない。
-Mayは何かを呟いた。
死ぬのも悪くない。
そうだよ、悲しいけれど嬉しいんだ。
その感動を見つけられて嬉しいんだ。
-Mayは次にどこに向かうのだろう。
S0RA @-May
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