第13話 さよならをありがとう
久しぶりにゆっくりとしている。
頭の上を今は動く事のない可動橋の勝鬨橋が通り過ぎていく。
「シュン君、学園都市の噂を知ってる?」
椎奈先輩が聞いてきた噂と言うのは都市伝説の様な物で、学生が集まる学園都市らしいものだった。
自称・天使の見習いと言う女の子と出会い不思議な体験をして恋人同士になったとか、異世界に飛ばされてそこで出会った半妖の女の子と旅をして元の世界に戻ってから再会して恋人同士になったなどの話で。
男子学生が好んでしそうな絵空物語だった。
しかし、まことしやかに囁かれ現存する場所が多いので信じてしまう学生もいるのだろう。
「あの、椎奈先輩はそんな夢物語を信じているんですか?」
「シュン君の意地悪。信じている訳じゃないけど素敵じゃない」
椎奈先輩と同じような事を言われ強引に連れ回された苦い思い出が蘇る。
すると新しく仲間に加わった当の本人の綾羽が余計な事を言い不発弾を投げ込んだ。
「椎奈先輩も素敵だと思いますよね。私もシュンに連れて行ってもらったことあるし」
「へぇ、シュンは綾羽ちゃんを連れて行っても真琴と一緒は嫌なんだね」
「…………」
眞鍋先輩に盛大な突っ込みを入れられ口を紡ぐと椎奈先輩は口を尖らせて上目づかいで俺の方を見ている。
針の筵とはこのような状況を言うのだろう、カナやんを見ると笑いを必死に堪えているので助け船を出す気はなさそうだ。
女の子1人でも敵わないのに3人相手にはお手上げだ。
「それじゃ週末にデートしますか」
「で、デート?」
「シュンの言う通りデートね。真琴はどうするのかしら?」
「宜しくお願いします」
耳まで真っ赤になった椎奈先輩が俯いて動かなくなってしまった。
情報通からデータをアウトプットしてスケジュールを考えた結果、午前中にお台場に向かうのが良い事が分かった。
浅草の我妻橋から8年前に就航したヒミコではなくホタルナに乗り込んでお台場に向かう。
ヒミコもホタルナも巨匠の松本零士がデザインしティアドロップをイメージ・コンセプトにデザインされ宇宙船の様な形をしている。
そしてどちらもガルウィングの扉でホタルナはヒミコより大きく船体屋上に遊歩甲板があり船外で楽しむ事も出来るようになっていて。
ホタルナの語源は隅田川に神秘な光を放ち舞う蛍と月から名付けられたらしい。
大きなガラスが多用されているので解放感があり、船内からも橋を下から眺める事が出来る。
勝鬨橋を過ぎると日の出桟橋を経由してお台場海浜公園に到着した。
他のお客が降りてから車椅子を押しながら桟橋に降り立つと日差しが優しい。
「男の子はやっぱりガンダムだよね」
「まぁ、基本嫌いじゃないですね」
アクアシティお台場の横を抜けるとフジテレビの建屋が見えてくる。
首都高湾岸線の下を歩くが段差などが多く歩道の状況がとても悪い。そんな事に気も留めないで椎奈先輩はハンドリムを弾ている。
「うわ、大きんだね」
「18メートル有りますからね」
実物大のRX‐78‐2ガンダムを下から見上げると迫力がある。数枚写真を撮りセンタープロムナードに向かい移動する。
「観覧車があるよ。シュン君」
「そんなに急がなくても大丈夫ですよ。時間はたっぷりありますから」
勢いよくハンドリムを弾かれた車椅子が元気よく走っていく。
パレットタウンとメガウェブの間にあるエレベーターで上に行きメガウェブに入りトヨタの車を眺めながら目当ての観覧車に向かう。
係員の指示に従い待っているとバリアフリー対応のゴンドラがやってきて観覧車が止まった。
スロープが用意されゴンドラに乗り込むと係員が笑顔で手を振ってくれる。
「凄い、東京湾が見えるよ」
「へぇ、意外と東京湾も綺麗なんですね」
ゴンドラが上昇するに従いお台場と東京湾が見渡せ海が輝いて見える。
因みに介護者という事で一人分の金額で観覧車に乗る事が出来た。16分間だけど意外と短く感じたのは気のせいだろうか。
大観覧車を降りてヴィーナスフォートに向かう。
ヴィーナスフォートは中世のヨーロッパの街並みを模して造られていメインは2階になる。
メインゲートをくぐると別世界になっていた。
ローマの休日と言う映画で有名になった真実の口と言う元々はマンホールの蓋だったらしい、石板に刻まれている海神トリトーネの口に椎奈先輩が手を入れて笑っている。
俺もと言われたが丁重にお断りした。
床は石畳になっていて空を見上げれば青空から夕暮れにそして夜へと1時間でローテーションしている。
アクセサリーや小物の店などが沢山ありゆっくり見れば一日がかりになるだろう。
「綺麗……」
噴水広場は幻想的な造りになっていた。広場の真ん中には6人の女神によって噴水が支えられていて青くライトアップされ。
夕暮れの空の中に浮かび上がっていて行き交う人が立ち止り写真を撮っている。
椎奈先輩は見蕩れているのかと思ったが……
「シュン君、写真を撮ってもらおう」
「え、ここでですか?」
「ここじゃなっきゃ何処で取るのよ。早く」
いつの間にかカップルにシャッターをお願いしていて少し照れながらも笑顔で椎奈先輩と共にカメラに収まった。
オリーブ広場に入ると良い匂いが漂っている。奥の教会広場まではレストラン街になっているらしい。
「そろそろお昼にしますか」
「うん、出来れば海を見ながら食事したいな」
「それじゃ少し移動しますけど大丈夫ですか」
「私を見縊らないでほしいな。シュン君にテニスで勝ったんだから」
椎奈先輩の言う通りだが今日の先輩は元気過ぎるのが少し気にかかる。
それでもリクエストに答える為には移動するしかないだろう。的確に椎奈先輩を案内しながら再びお台場海浜公園に向かう。
デックス東京ビーチを一通りすると何処もお昼時なので行列が出来ていた。
カフェを覗くとデッキに空席があるので店員さんに声をかけてみる。
「すいません、デッキでも良いんですが」
「畏まりました。ご案内しますので少々お待ちください」
笑顔で店員さんがデッキにあるテーブルを確認しに行ってくれた。
「シュン君、やっぱり店内で良いよ」
「ここまで来て何を悩んでいるんですか。晴れているから寒くはないですよ」
店員さんに促されてデッキに出ると椅子を1つ退かしてくれてそこに車椅子をつける。
直ぐにお水を持ってきてくれたが時期的にデッキで食事している人は少なく目立ってしまい、視線を感じると椎奈先輩が俯いてしまった。
「やっぱりシュン君も車椅子の私とじゃ嫌だよね」
「何を訳が分からないことを言ってるんですか。目が悪いから眼鏡をかける。足が悪いから車椅子に乗る。何も変わらないじゃないですか。車椅子にも色々とあってスポーツ用に海用もあるし眼鏡と同じでしょ」
「えっ」
思っていることを口にしたのに椎奈先輩は驚いた顔をしている理由がいまいち分らない。
それに車椅子に乗っているだけで椎奈先輩は椎奈先輩だ。
「シュン君は嘘を付かないんだよね」
「今更ですよ。俺は何も気にしません。そんな事を気にしてたら楽しめないじゃないですか」
「でも、エレベーターの場所とか熟知して得るし」
「綾羽が言ってたでしょ。足を骨折した綾羽に駄々を捏ねられて車椅子に乗せて来たことがるだけですよ。何を食べましょうか?」
蟹とトマトのパスタにキノコのクリームパスタをチョイスして生ハムとルッコラのピザも追加した。
「おいひい」
「先輩、食べながら喋らない」
「ふぁーい」
急に椎奈先輩が子どもぽくなったと言うか…… 甘えているのだろうか?
良く分からないが普通に接しないと墓穴を掘る事になるだろう。
眞鍋先輩やカナやんに綾羽が何処からか見ているとは考えられないが、あの3人はやりかねないし帰れば根掘り葉掘り聞かれることは覚悟しなけれなならないだろう。
お皿が空になったところでランチに付いてくるドリンクを運んできてくれた。
「すいません、リンゴとオレンジのジブーストを1つ下さい」
「シュン君はまだ食べるの?」
デザートを頼むと直ぐに出てきた。
キャラメル上になったケーキの上にオレンジと生クリームが飾られ。ケーキの周りにはオレンジと茶色いソースが水玉模様の様にあしらわれている。
「ジブーストはね。折りたたんだパイ生地の上にリンゴとカスタードクリームにゼラチンとイタリアンメレンゲを混ぜたクリームを重ねて。上面をキャラメリゼさせた」
「ん、ま」
口に含むとクリームが解けるようにリンゴとオレンジの酸味を感じる。
確かに美味しいけれど椎奈先輩の作ってくれるケーキと比べることは出来ない。椎奈先輩を見ると睨まれた。
「どうぞ」
「本当に良いの?」
「全部食べちゃいますよ」
「駄目!」
お皿を引っ込めようとするとあっという間に椎奈先輩の手元に置かれ俺が使っていたフォークで食べ始めてしまった。
「本当だ美味しいね」
「椎奈先輩が作ってくれるケーキには敵いませんけどね」
「生意気だぞ。シュン君は」
喜んでいる椎奈先輩に敢えて関節キッスになった事は言わない方が良いだろう。
食事の後でアウトドアのフロアーを見てブランケットを購入し桟橋の近くのお台場ビーチに向かった。
「椎奈先輩、どうぞ」
「買ったばかりなのに良いの?」
俺が頷くと椎奈先輩が砂浜の上に敷いたターコイズブルーの少し派手なブランケットの上に体を下ろした。
先輩の横に座り伸びをして倒れ込む。
「気持ち良い!」
「本当だ、空が高い」
全身を伸ばすと吸い込まれそうな青空が見える。
頬を冷たい風が撫で良い匂いが鼻をくすぐり、堪らずに体を起こした。
「椎奈先輩、何か飲みますか?」
「柑橘系のジュースが良いかな」
「ちょっと買ってきますね」
「うん、ありがとう」
ジュースと缶コーヒーを買ってきて船の時間までゆっくりする。
休日なので波打ち際で子どもがはしゃいでいて親が優しい視線を向けていた。
カップルが寄り添うように海を眺めているが俺と椎奈先輩の距離は微妙だ。
近すぎず遠すぎずで……
「シュン君、船が来たみたいよ」
「行きますか」
「うん」
手を差し出すのを躊躇うが車椅子に乗り込もうとする椎奈先輩の腕を支える。
我妻橋から浅草寺に向かう。
客待ちの車夫が沢山いて人力車が何台も路肩に止まり日焼けした車夫が観光客と笑顔で話をしている。
風雷神門に有る700キロの大提灯は外人のガイドブックでランドマークになっていて、大勢の外国観光客が写真を撮ってい仲見世商店街は人でごった返していた。
「凄い人だね、車椅子じゃ無理かな」
「大丈夫ですよ」
「えっ、シュン君?」
雷門には向かわずに脇道に入っていく。商店街の裏なので人通りが少なく車椅子でもスムーズに進める。
「へぇ、脇道にも可愛いお店があるんだ」
「覗いて見ますか」
「そうだね」
脇道に有った店はこぢんまりとしていて車椅子では店内に入るのは難しい。
店の前で商品を手に取ってみる。手拭や変わった下駄などが売られていてどうやら手作りの和雑貨を扱っている店の様だ。
「そうだ未希に何か買っていきたいな」
「そうですね。あれなんか良いんじゃないですか」
「綺麗だね」
俺が指さしたのは津軽びーどろと書かれたガラスでできているオイルランプだった。
丸いガラスの上に火がともされてガラスには優しい文様が描かれている。
その中でもガラスの上半分に細い金のラインで川面の様な模様が帯状に描かれている天の川と言うオイルランプに目がいく。
「これなんか良いんじゃないですか」
「きっと未希よろこぶよ」
椎奈先輩も気に入ったようなのでフレグランスオイルと共に会計をする。
そしてもう一つ購入した。
「それじゃ、眞鍋先輩に渡しておいてくださいね」
「うん、分った。あれ? これって」
「行きますよ」
「うん!」
流石に浅草寺の本堂がバリアフリーになっている筈もなく賽銭を入れてから階段を下りて椎奈先輩の横に立ち手を合わせる。
「「南無観世音菩薩」」
「シュン君は何をお願いしたの?」
「大学を卒業できます様にかな」
「もう、本当かな」
嘘は付かないけれど誤魔化す事はある。
日が傾き冷えて来たので少し早目に動いた方が良いだろう。
この後は花やしきに行くだけだから多少の余裕はあるだろう。入場料を払い花やしきに入ると寂れているかと思ったが家族連れやカップルで意外とにぎわっていた。
「凄い、おもちゃ箱みたい」
「国産初の最古のローラーコースターは狭い分迫力があるらしいですよ」
「植物も綺麗に植えられているんだね」
「元々は植物園で昔は動物もいたらしいですからね」
情報通からのデータを小出しにしていく。
「あれがしあわせ橋かな。鯉が泳いでいるよ」
「可愛らしい橋ですね」
小さな池の上に赤い欄干の可愛い橋がかかっていて、園内では子ども達が走り回り楽しそうな笑い声が響いている。
所狭しとアトラクションがあるので直ぐに一周してしまうと笑運閣が目に止まった。
「屋上に行けるのかな」
「聞いてきますね」
辺りを見渡してスタッフの人に聞くとエレベーターがあると教えてくれた。
確かにエレベーターはあったが屋上はバリアフリーになっていないようだ。眺めが良いので残念でならない。
浅草寺本堂の向こうに黄金色に黄昏たスカイツリーが見渡せる。
「あそこに神社があるんだね」
「球根をあしらった結婚や良縁の神様らしいですよ。行ってみますか」
「大丈夫。だって素敵な人に出会えたし、今凄く楽しいから」
椎奈先輩は普通に喋っているけど俺の方が赤くなりそうだ。頬を冷たい風が撫でていきクールダウンする。
花やしきを出て駅に向かおうとしたら椎奈先輩が勢いよく車椅子を走らせた。
「シュン君、たい焼き!」
「そんなに慌てなくても」
何とか椎奈先輩に追いつくと焼きたてのたい焼きが目の前に出てきた。
椎奈先輩は笑顔だが何かを感じているのかもなんて事が頭をよぎるがここでつまづいている訳にはいかず笑顔で返す。
「熱々だよ」
「有難うございます。あっ!」
「熱いって言ったのに、もう」
たい焼きに噛り付くと餡子が飛び出してきて口の中を火傷しそうになってしまった。
「椎奈先輩」
「あれ見てシュン君」
腕時計を見るとまだ17時過ぎだけど車椅子で動き回っている椎奈先輩の事を考えると少し心配になってしまう。
それでも本人が元気なら付き合うべきだろう。
浅草寺界隈を1時間ほど散策したのでそろそろ帰るのが良いと思い椎奈先輩に声をかける。
「椎奈先輩、そろそろ帰りましょう」
「シュン君、もう少しだけ我がまま聞いてくれるかな」
「俺は構わないですけど大丈夫ですか? 色々と」
「まだ元気だし。もう少しだけだから。ここまで来たんだからスカイツリーのライトアップもみたいでしょ」
椎奈先輩にお願いされて無下に断るなんて出来やしない。車椅子を押して我妻橋に向かう。
後ろから椎奈先輩を見ると何か考え事をしている様に見える。
俺も眞鍋先輩に言われたことを思い出していた。
「シュン、黙って居なくなるような事はしないでね」
「そんな事は」
「無いって言い切れるのかしら。せめて真琴にだけはちゃんと話してあげて。お願いだから」
カナやんか綾羽から何かを聞いていたのだろう。
今日はちゃんと伝えるつもりで覚悟を決めて椎奈先輩と出掛けたのだから。
我妻橋の袂からスロープで隅田川沿いの遊歩道に降りる事が出来る。車椅子では怖いかと思い後ろ向きに降りていく。
遊歩道沿いのコンクリート製の堤防は赤レンガで装飾され。
隅田川の向こうにはビールジョッキを模したアサヒビールタワーとその隣に鎮座する不名誉な名をつけられたスーパードライホールの屋上で金色の炎のオブジェが浮かびあがり。
スカイツリーが青い光でライトアップされている。
少し歩きベンチの様になっている植え込みの端に座った。
「寒くないですか?」
「うん、大丈夫。優しい人がこれを買ってくれたから」
椎奈先輩が両手を突き出している。その手には暖かそうな手編みの指なしの手袋が嵌められていた。
「良かったですね」
「うん、スカイツリー綺麗だね」
「今日は青いですから心意気の粋ですね」
「心意気か」
周りにはカップルが沢山いて落ち着かない。
それに椎奈先輩の雰囲気が変わった気がするのは気のせいだろうか。
「あのね、シュン君」
「冷えて来たから歩きながら話しましょうか」
「う、うん」
突然、椎奈先輩に切り出されて言葉を遮ってしまった。
お互いに変な空気に包まれたまま車椅子を押したまま歩き出す。直ぐにスロープが見えてきて橋の上では沢山の車が行き来している。
「シュン君の未来ってどんななのかな」
「椎奈先輩。俺、留学するんです」
「ええ、どうして」
「日本だけでなく海外でもっと勉強したいから。留学が出来るのも椎奈先輩が勉強を教えてくれて眞鍋先輩が英会話を教えてくれたお蔭ですけど」
車椅子の前に立つと椎奈先輩の瞳が揺れている、そして深呼吸して。
「椎奈先輩、俺が留学に行っても」
「椎奈!」
突然、背後から椎奈先輩を呼ぶ声が聞こえ椎名先輩への気持ちを伝えようとしたのに一刀両断にされ振り返るとスーツ姿の男の人が駆け下りてきた。
暗くて分らなかったが椎奈先輩を大学まで何度となく車で送ってきた人だった。
「和希。どうして」
「おばさんが遅いから心配して連絡をよこしてきたんだ。あんまり心配かけるな」
「ごめんなさい」
「君も君だ。体の不自由な女の子をこんな遅い時間まで一日中連れ回して。非常識だと思わないのか。まぁ、大学一年の未成年なら仕方が無いか。おばさんが心配しているから帰るぞ」
俺の中で何かが急速に冷めていく。
そして今、未熟な俺に出来るのは頭を下げる事だけだ。
「椎奈先輩、こんな時間まですいませんでした」
「シュン君は私の我がままに付き合ってくれただけでしょ」
「先輩、お元気で」
精一杯の笑顔を椎奈先輩に向け一礼してスロープを駆け上がると椎奈先輩が呼び止める声が小さくなっていき。
急速に冷めていたものとは別の熱い何かが込み上げてくる。
大人のあの人にに言われたことに何一つ反論が出来なかった。
悔しさと自分の未熟さと不甲斐なさ。色々なものが涙になって溢れだし零れ落ちた。
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