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「ご両親は、今夜はホテルにお泊まりですか?」


「まひるの家に泊めてもらうつもりで上京したので、ホテルは予約しておりません。不愉快なので、このまま広島に帰ります」


「このまま日帰りすると?もし良かったら、ここに泊まるといい。使い古した布団しかないが、雨露は凌げる」


「ここに?」


 先生の突拍子もない発言に、私は慌てる。口煩い両親をここに泊めるなんて、私達の嘘は一瞬にして暴かれ、延々説教の嵐だ。


「先生、無理なさらなくていいですよ」


「俺は腰を痛め、もてなしは出来ないが、泊まりたければ部屋は提供する」


 両親は顔を見合わせ、何やらひそひそ話をしている。最悪の展開だ。


「じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせていただきます」


 信じられない。

 このお屋敷に宿泊するっていうの!?


 これはなんとしても、阻止しないと。


「父さん、母さん、東京観光してないんじゃろ。私が今から案内するけぇ」


「まひるが?」



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