200
「ご両親は、今夜はホテルにお泊まりですか?」
「まひるの家に泊めてもらうつもりで上京したので、ホテルは予約しておりません。不愉快なので、このまま広島に帰ります」
「このまま日帰りすると?もし良かったら、ここに泊まるといい。使い古した布団しかないが、雨露は凌げる」
「ここに?」
先生の突拍子もない発言に、私は慌てる。口煩い両親をここに泊めるなんて、私達の嘘は一瞬にして暴かれ、延々説教の嵐だ。
「先生、無理なさらなくていいですよ」
「俺は腰を痛め、もてなしは出来ないが、泊まりたければ部屋は提供する」
両親は顔を見合わせ、何やらひそひそ話をしている。最悪の展開だ。
「じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせていただきます」
信じられない。
このお屋敷に宿泊するっていうの!?
これはなんとしても、阻止しないと。
「父さん、母さん、東京観光してないんじゃろ。私が今から案内するけぇ」
「まひるが?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます