まひるside

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 いつの間にか……

 デスクに伏せて眠ってしまった。


 重い瞼を開くとピンク色の画面が光る。

 パソコンには沢山のユーザーからの書き込み。


 書き込み一覧から、群青色を探す。


 お願い……

 私のメッセージにどうか気付いて……。


 そう願いながらスクロールすると、ある書き込みに……視線が止まる。


 その書き込みを読み、涙が溢れ……指先が震えた。


【生卵は食するもの。頭から被るものではない。今日は快晴だ。家庭菜園もいいが、近所に買い物に行くとしよう。天の兆しに注意するよ。】


 やっぱり……

 群青色は只野さんだ。


 思わず【助けて】と書き込んだが、【NGword】になってしまう。


 桃色が私だと伝える方法は……。


【君は幸せか?カウンセリングは天職だと思うかね。】


 これは私が無事かと、問い掛けているに違いない。


【私は籠の鳥。鳥籠の扉は閉まっている。ここから自由に飛び立つことは出来ない。皆さんの悩みをカウンセリングすることが私の唯一の仕事。】


【回答ありがとう。参考にするよ。】


【群青色さん、また来てね。桃色】


 これで……

 救われる。


 ……そう思った矢先、玄関の扉が開いた。



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