刺激的な謎解き

直人side

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 目覚めると、外は快晴。

 カーテンを開けると、雲ひとつない青空が広がっている。


「今日は晴れだな」


 快晴。気分は上々。

 気掛かりなのは、彼女の行方。


 パソコンが視界に入り、ふと桃色の謎解きを思い出す。


『晴れの日』とは、快晴……

 今日の空みたいに、澄んだ青空。


 快晴、かいせい……

 KAISEI?


 ハッとし、思わず空を見上げた。


『天の兆しに注意』

 天……とは……神か?


 天の兆し……天 兆……

 てん…ちょう?

 店長の動行に注意しろと?


 くだらない、俺はどうかしてる。こんなものは謎解きでも何でもない。

 子供の謎なぞにも劣る、低レベルなこじ付けだ。


 だが、低レベルな謎解きだからこそ、彼女からのメッセージであると思えなくもない……。

 彼女ならこの程度しか思いつかないだろう。


 彼女が桃色だとは考えにくいが、桃色の対応が急に変化したことが妙に引っ掛かる。一度は突き放したくせに、桃色から返信があるとはやはり不自然だ。


「まさかな」


 パソコンの横には、先日担当から譲り受けたセンスの悪いストラップ。店長が持っていた赤い携帯電話についていた物ととてもよく似ている。


 パソコンを開き、お気に入りから【桃色恋愛カウンセラー】を開く。


 桃色の書き込みが……視界に飛び込んだ。


【群青色さんこんばんは。料理好きの男性は若い女性には大人気。家庭菜園の新鮮な野菜を使った天ぷらは絶品です。】


 俺は桃色に料理の質問などした覚えはない。他のユーザーと間違えたのか?



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