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ここにいた愛人は、この部屋から逃げ出した。
だったら、私にも出来ないはずはない。
でも……どうやって逃げ出したのだろう。
店長が寝た隙に鍵を盗んだのだろうか……。
それは肉体関係を持たないと無理だよ。
ここから逃げ出すために、店長と肉体関係を持つなんて出来ない。
それに、その方法で愛人が逃げ出したなら、もう二度と同じ方法は通用しないだろう。
「あぁー…」
絶望感から頭を抱えデスクに踞る。
誰かに助けを求めたい……。
【NGword】にならず、外部の人間に助けを求める方法……は。
咄嗟に、只野さんの顔が浮かんだ。
桃色恋愛カウンセラーのユーザー、群青色が只野さんだとしたら……。
只野さんは作家だ。
恋愛小説は初心者だが、戦国時代の武将達の生きざまをミステリアスなタッチで描いていると、みやこから聞いたことがある。推理作家なら、僅かなヒントで私が桃色だと気付いてくれるかも?
……いっそのこと、ハッキリ名乗れば?
試しに【御園まひる】【スーパーKAISEI】と打ち込むが、やはり、全て【NGword】に設定されていた。
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