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自分のことのように喜んでくれたみやこ。
やっぱり持つべきものは親友だ。
迷惑ばかり掛けて、本当にごめん。でもみやこには、愛人ではなく普通の恋愛をして欲しい。
みやこは美人だし、私の憧れだから。みんなから祝福される結婚をして欲しいと思っている。
「みやこ、さっきの人……」
「まひる、恋愛は自由だよ。私より先に奥さんが彼と出逢っただけ。私達は大人の付き合いをしているの」
「……ごめん。お節介だよね」
「ほら、飲もうよ。今日はまひるの就職祝いなんだから。寮に入っても時々ここに遊びに来てね」
「うん」
やっと就職出来る。
今夜は楽しいお酒だ。
月夜の下で満開の桜を見つけたみたいに心が躍る。遅咲きの私もやっと社会人になれた気がした。
◇
翌朝、派遣会社に退職の旨を伝え手続きを終えた。何年も登録していたのに、惜しまれることなく、あっさり終了。でもちっとも悔しくない。今日から私の新しい生活が始まる。
軽やかな足取りで、店長との待ち合わせ場所、目黒のカフェに向かう。
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