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 パソコンは殆ど使用したことがない。


 ネットで歴史的文献を検索し、小説の参考資料にするくらいしか利用価値はないと思っていた。


 だが、今は違う。藁をも掴む思いで、ポチポチと右手の人差し指で慣れないキーボードを叩く。


「れんあいしょうせつのかきかた、変換」


【恋愛小説の書き方】


「いや、違うな。いせいとのつきあいかた、変換」


【異性との付き合い方】


 画面に表示されたのは、アダルトなタイトルばかり。


「セックス入門、美熟女の口説き方。は?熟女?違う。俺はそんなことを知りたいわけじゃない」


 画面をスクロールしていると、【桃色恋愛カウンセラー】の文字。


 桃色?

 桃というだけで、女体を連想する。


 【桃色恋愛カウンセラー

 当サイトの管理人、桃色(ももいろ)。

 桃色が女性視点であなたの悩みにお答えします。男性、恋愛初心者大歓迎。女性の気持ちを理解し、あなたも素敵な恋をしませんか?

 これで意中の彼女も、刺激的な恋の虜。】


「いかにも、詐欺紛いな誘い文句だ。開けば有料アダルトサイトか出会い系サイトに決まっている」


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