第3話 父親の行方

仕事に慣れてきた頃、気になってきたことがある。母親に電話してから2ヵ月経ったが、未だに父親が帰ってきた様子はない。そして母親からも父親はどこか探してくれと言われることも無かった。そこで心配になり、久しぶりに母親に電話をしてみた。

プルルル プルルル ガチャ「あ、お袋?今なに…」ただ今留守にしております…。

母親は携帯電話を持っていない。伝言を残そうと思った。「お袋?今何してる?この留守電聞いたら電話して」

留守電に伝言を残した2日後、仕事が休みの時、急に俺の携帯電話がなった。知らない番号からだった。

「もしもし」 「あ、海飛?お母さんだけど、携帯電話買ったから電話番号登録しておいてね。」

 「あぁ、わかった。ところで今どこにいるの?家にかけたら留守電だったから」

 「今お父さんを探しに出かけているの。あなたが住んでいる街の近くにいる・・・ちょっと!なんなのよ!やめて!離して!」

ここで電話が切れた。この後何回母親の携帯電話にかけたが、全然でない。留守電にもならない。僕はいやな予感がした。母親が怪人に捕まったのではないか?

 僕は急いで会社へ向かった。

「おう、海飛くんか。君はきょう休みだろ。ゆっくりしていればいいのに、真面目だな。そんなに慌ててどうしたんだ?」

「社長、ピョンは?」「いるけどどうかしたの?」「お袋が怪人に教われたみたいなんだ。」

「それは大変だ。でもおかしい、怪人が出たらサイレンが鳴るはずなんだけど、鳴っていない。勘違いなんじゃないか?」「そんなことより、ピョン!いるならきてくれ!海飛だ!」

 「怪人が出たんだ!そこにワープしてくれ!」「でも、サイレンが鳴っていないからワープできないよ。サイレンが鳴ったところにワープできるできる仕組みだから。」

 「じゃあ、一緒に来てくれ!お袋が怪人に捕まったかもしれないんだ!」

「それは大変だ!いこう海飛!」

「そんなことより居場所はわかるのか?」「さっき電話が切れる前に、僕が住んでいる街の近くにいるって言ってたから。この街の近くにいるはずだ!」

僕は急いでいろんなところを探し回った。しかし、母親は見つからない。走り疲れたそのとき、「海飛!助けて!」母親の響く声が聞こえた。

「海飛!あそこにだれかいるよ!」

ピョンが指差したその先に「海飛!助けて!捕まっちゃった!」と叫んでいる母親がいた。

母親を追いかけてたどり着いたのは、とある会社だった。しかし、中に人がいる様子はない。さらに母親を追いかけてそのビルの屋上へとたどり着いた。

 後ろを向いていすに座っているボスと、その手下が70人くらいいる。

「ついに追い詰めたぞ!お前が怪人のボスだな!お袋を離せ!」

 ボスが振り返りながら言った。「フハハッ!待っていたぞ!お前が来るのをな!」

そのボスを見た僕は、愕然とした。「お、親父?」

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