お話としてよく纏まった作品です。推敲がやや甘く、ところどころに誤字脱字が見られますが、文体そのものは読みやすいものでした。後半のピンチが完全に自業自得というか因果応報という感じだったので、意地の張り合い以外にもひとつギミックを挟んで、同情の余地を残すとより良かったかもしれません。
兄、姉、弟、妹。兄弟はやはり喧嘩するもの。タオとシェインも例外ではありません。ほんの些細なことで口喧嘩が始まり、二人は仲違いします。しかし、妹のために奔走するメロスの姿に二人は再び互いを想い合い、そして結末には以前よりも強い絆が刻まれたことでしょう。血の繋がりはない。でも、タオとシェインの二人は紛れもなく兄妹なのです。