第9話 腹が減っては

「結構遠いな、こっから」

「何時間くらいかかるの?」

「そやな、とばしても2~3時間ってとこちゃうか」

「あ、お腹空いてない?ヨウちゃん」

「こんな時によく食べれんなぁ、さすがやマミちゃん」

「それはそれは褒めていただいてありがとうございます」



「シンちゃん、いけるやろか、なんかオレまで不安になってきたわ」

「とにかく、会わなきゃ」

「そやな」

「そして、戦の前には腹ごしらえをしなきゃ」


「お、なんか上手そう、そのハンバーガー」

「ふふふ、昨日の残りのハンバーグをパンにはさんで持ってきたの」

「へぇぇ、俺にも食わせて」

「いいよ、もう一個あるから」

「マミちゃん、俺、運転中やんか」

「え、食べさせろとでも言うの?」

「正解っ♪さすがやマミちゃん」

「いやだよ、そんな恋人同士みたいなこと」

「恋人同士やん、俺たち」

「見た目だけでしょ、それは」

「けちー」

「はいはい、ラップにつつんであるのは解いてあげるからさ」


「お、うまいやん!これ・・・マミちゃん料理上手~」

「そう?ありがとう、でもそれ、シンちゃんの手づくりだけど」

「あらま、いい彼氏をお持ちで」

「そう、とってもいい彼氏なのだよ」

「マミちゃんは料理せんの?」

「だってシンちゃんが作った方が断然おいしいからさ、作るの嫌になっちゃって」

「へー、俺はマミちゃんの手料理食ってみたいけどな」

「まぁ、考えときます」

「外食ばっかりやからなぁ俺」

「ご馳走してもらうの?そのマドカさんに」

「まぁ、それもあるし、顔が利くから、ツケができる」

「へえええ、なんだか住む世界が違うね、大丈夫かしら、シンちゃん」

「急ごか、ちょっと飛ばすで」

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