24話

「着いたぞ」


 スカイ・ジャンボに降りて、審査を確認してエントランスに向かう。そこにはトーエに訪れた全ソレール系異星人が多い。


 人種は様々、肌と髪の色がサラダみたいだ、民族衣装も色々着用している。


 僕は、アリス星の星都・トーエに到着した。


「7年振りだな……自分の故郷帰りとは……」


 僕の故郷はアリス星都のトーエ出身だ。資産家一族であるオオウチ家が壊滅し、子供たちは別々に引き取られてしまう。


 僕がお師匠さんと出会ってから、トーエから離れて一度も戻っておらず、ソーラー学園の転校したおかげで、久しぶりの故郷に戻って来た。


「エリスから案内のメールが届くよな……おっと、送信が来た」


 ソーラー・グラスのレンズ越しに映し出されているのは、新着メールが点滅していた。指でクリックするとメールがいら木、その中身は、印を書かれている宇宙空港の案内図と、エリスから送られたメッセージを確認した。


 〝ヨシノさんへ、到着次第に私達のいる場所の3番ターミナルの到着ロビーまでお越しください。〟……と書かれていた。


「3番ターミナルの到着ロビーか……そういえば、僕の荷物が届くのは明日か」


 コンベアーから流れる自分の荷物を手に持った。持っているカバンケースに入っているのは、殆ど自分の服装で、


 背中にショっているリュックサックの中身は、アナログの筆記用具と、暇つぶしに入れていた漫画やラノベ、携帯ゲーム機とソフト、


 僕の引っ越しの必要な荷物は、ソーラー学園の寮の部屋に到着するのが、明日の午後の夕方過ぎだ。


 僕にとって大切な戦利品である。キャラクターフィギュアと、漫画・ラノベ本など、アニメのSDソフトである。


 僕が住んでいたアパートは、元々部屋にある借家具である。


「早く三番到着ロビーに向かわないと……」


 手荷物をかつぐところで、宇宙空港のターミナルはとても広くて、過密程度な大都会で迷子になりやすい。


 そう思いながら、人ごみの中から、ぶつからないように避けながら三番到着ロビーに辿り着くと、そこには、驚く展開が……。


「ヨシノさーん!」

「⁉」


 突然、三番到着ロビーの出入り口から、僕の知るような声が聞こえてくる。


「その声は……エリス⁉」


 出入り口から入って来たのは、謎の女子生徒が現われて、僕の所へ近づいてくる。


 キチンとしたソーラー学園の女子制服、青緑のブレザー、胸からリボンタイを絞めている。黒いプリーツスカートを履いている。ローファーな靴に、黒い長靴下、腰まで伸びた黒髪をさらしている。そして……顔には大きな丸眼鏡ソーラー・グラスを掛けている。間違いなく僕の知っているエリス・ザビエルだ。


「見つけましたわ! ヨシノさん‼」

「エリス……どうして制服姿なの?」

「え……聞くのはそれですか?」


 エリスは謎めいた顔で僕を見る。こんなに人が多い場所で黒髪を晒している。


 神話に出てくる神様の中に、黒髪をした人物もいた。


「制服を着ていないと、学園に通えられません、授業を受けられません!」

「それはわかっているけど、なんで黒髪をさらすんだ?}

「私の髪ですか? 大丈夫ですよヨシノ、私の髪の色を染めている事になっていますわ」

「そうか……」


 エリスの黒髪を染めていることにしている。ドラッグストアのポスターから〝君の髪の毛を黒く染めて魔人になろう! 〟と記載されている。魔女みたいな二次元美少女が描かれていた。


 何故黒髪ブームが流行はやっているかって、それはアニメや漫画やラノベの影響で、黒髪キャラが多く出ている。そういう話は置いといて……。


「そうか……それで周りから見ると……黒を染めている人間がいるようだ」


 宇宙空港の周囲を見渡すと、右と左から自分の髪を黒に染めている人間が多い。


 確かに黒髪はファッションセンスになっている。


「エリスの言う通りだな、髪の毛を黒に染めているな」


 しかしエリスの黒い髪の毛は、正真正銘の本物の地毛である。彼女はどういう異星人なのか気になる。


「ヨシノ、外で学園のみなさまがお待ちかねです。早く行きましょう」

「おう」


 エリスは、僕の手を優しく掴む。自動ドアから三番到着ロビーに出てみると、そこには……ソーラー学園の制服を着た生徒とその教師ら、黒服を着た大人たちが十数人いた。


 迎えの車である黒く塗られたソーラーカーと、白いワンボックスのソーラーカーが数台揃っている。


「マフィアみたいな黒服の連中は誰なんだ?」

「あの方たちは治安の人達ですわ、しかも学園のOBです。生徒と教師だけではいけませんので、一緒に行動しています」

「迎えを寄越すのに必要なのか?」

「転校生を危害を加えないようにするための護衛です」

「……」


 まるで金持ちと政治家になったみたいだ。すると黒服の男が近づいてきた。


「荷物を……」

「ありがとう」


 黒服の男は、僕のカバーバックの荷物を手にして持ってくれた。彼はサングラスバージョンのソーラー・グラスで、荷物検査を始め、危険物がないのか確認している。


「以上ありませんね」

「当たり前だろう」


 やはり警戒心が深すぎる。


「ではヨシノさん、ワンボックスカーに乗ってください」

「わかった」


 僕はエリスと一緒に、白いワンボックス型のソーラーカーに乗車した。


「お乗りになられましたか」

「ああ……」

「では出発いたしますので、シートベルトを締めてください」

「わかった」


 座席のシートベルトをしっかり絞めた。








「随分と時間掛かるな」

「ええ、学園はトーエ中心部にから離れていますので」

「そうか?」


 空港から出発してから2時間が経過した。窓を眺めると大都会のトーエより、自然豊かな田舎町の風景が見える。


 穀物と野菜と果物が栽培している田畑、木が生えている森林などの山岳や野原、コンクリートな建物と木造で出来た民家がある住宅街、露店などを立ち並ぶ商店街が多い。


 それからこの町に一つだけのビルが建てられている。真ん中には眼鏡のランドマークが付けられている。


 そこから小さなサーバステーションの庭から、ステンレス製の眼鏡粋も置かれていて、しかも文字を眺めると〝ソーラー・グラスの産地・サーバタウン〟と記載されている。


 このサーバタウンは、アリス星一のメガネフレームの生産地で、ソーラー・グラスを製造している小さな町である。


「この町にソーラー学園あるのか?」

「はい。学園はこのサーバタウンからトーエの中心部から30キロ離れていますので」


 まさか学園がこんな田舎町とは、もしかしたら学園は木造で出来た古ぼけたおんぼろに違いない。


「町に行くにはどうしたらいい?」

「休日の時に出掛ける場合には、外出許可証を提出してください。トーエに行く場合は、サーバステーションでトレインを使用してください。時間は45分くらいです」

「わかった。話してくれてありがとう」

「どういたしまして」


 学園生徒と教師は、出掛ける場合は外出許可証を学園課に提出、トーエに出掛ける場合、サーバステーションのトレインが移動手段としている。すると助手席に座る一人の女性教師が声を掛けてきた。


「もうじき学園に到着します」


 ソーラー学園は一体どんな学園なのか、この目で確かめてみたい。


「ヨシノさん、窓を見てください」

「おう……」


 車窓から見ると、大きな山の上から丸眼鏡のマークが示している巨大な看板が設置している。すると山の下から穴が開き、大きいトンネルが現われた。


「ここが学園に繋がる入り口なのか?」

「はいですわ」


 ワンボックスはトンネルに入った。周りはライトが点灯を浴びて、後ろに振り向くと、入り口のトンネルがシャッターのように小さくなって見えなくなる。向きを変えると、トンネルの出口が見えて来た。


 トンネルから抜けると、そこには驚いた光景を目にした。


「ここが……学園なのか?」

「はい」


 学園の風景は僕が思ったのとは全然違っていた。とても大きい広場、現代風の校舎と工場に似ている建物があった。それから大きなドームも見られる。ソーラー学園の制服を着た若い男女の生徒がたくさんいる。


 しかも全員、眼鏡ソーラー・グラスを掛けている。デジタル式な広告が映し出され、ニュースやメディアなどの情報がたくさん細見できる。


 田舎町のサーバタウンより、かなりハイテクなテクニックの技術が盛んで、とても大きいマンモス校あった。


「ようこそ! ソーラー学園へ‼」















 
















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