1話
「また……あの夢か……」
目を覚ますと窓には夜明けの明るみが広がっている。ベッドに座りながら頷く。
僕はヨシノオオウチ、有名な元・名家の御曹司。7年前のあの事件の生き残り、引き取り人の女性であるお師匠様に育てられた中学三年生である。
「あの頃の夢を見てしまった」
昔の夢を見てしまった。もう忘れられない記憶。だから僕はトラウマを克服している。
それに育ててくれたお師匠様が入学式の夜中に僕を凶器な物で殴り気絶させた。目を覚ますと自分の部屋に寝かされていた。置き手紙を置いてどこかへ行ってしまった。まるで借金取りから夜逃げする人みたいな場面。
置き手紙とともに通帳カードとマネーカードを自分用に用意してくれた。それなのに一体どこへ行ったのかわからない。
行き先と目的とそれにさよならを言わずに僕の目の前から消えるなんて本当にマイペースだよ、お師匠様は。
「いま……何時だ?」
枕の前に置いてあるデジタルウォッチで時間を確かめると、午前5時過ぎだった。何かを大事な事忘れているような気が……まさか。
手元にあるソーラー・パットを起動してカレンダーで今日のスケジュールを確認すると、【発売日】と書かれていた。
「しまったー! 今日はアニメ『スペース・アドベンチャー・スクール』のsdソフトの発売日だ!」
急いで起き上がり、布団を吹き飛ばしてベッドから降りる。パジャマを脱ぎ捨てて、早く洗面所へ行き歯を磨いて、顔を手で洗った。
「朝ご飯は冷蔵庫にいつもの……」
冷蔵庫を開き、冷やしていたカロリー棒(チョコ味)を食べてとベジタブルジュースを飲んだ。
掛けてあるyシャツとズボンを取り出して急いで着替えた。学ランの上ボタンを少し開けた。ちょっとだけでいいや。
着替え終わると、外に出てドアロックをオンにした。
「早く急がないと、特典カードがもらえなくなる!」
アパートから出た僕は、ダッシュするように電気街のアニメ専門店まで向かった。
急いで走らないと「スペース・アドベンチャー・スクール第2巻」が売り切れてしまう。
『スペース・アドベンチャー・スクール』は僕が毎日見るオタク向けアニメで、宇宙旅行に遭難したクラスメイトが見た事も無い銀河系を冒険する少年少女達の物語。監督と制作は10代前後の少年達で爆発的にヒットした作品だ。
「早く急がないと売り切れになる!」
無我夢中で走り続けると、右の角を曲がった瞬間に突然。
「おい……待てコラッ!」
厳つくような声が聞こえた。道の前にはガラの悪い不良グループの集団が苛立つような顔をしている。
それに着ている制服は自分より身だしなみがよくない。改造したコートとシャツのボタンを全部外している。耳と鼻辺りにピアスを付けていて、髪を色鮮やかに染めている。
「この前はよくも……やってくれたな……」
一人のリーダー格らしい鼻ピアスの男が苛立つそうな態度を取る。右の手元には固いパイプを持っている。
年上のサングラスを掛けたチャラ男とリーダー格の仲間がキレそうな表情でギロリとした視線を見られながら睨んでいる。
「どちら様でしょうか?」
「思い出せコラッ!」
「忘れたとは言わせねえぜ!」
「ボコられた怨みは恐ろしいぜ!」
「あれは先週親父狩りをしていた時、アンタにボコボコにされて、半殺しの目に合わせられた時の事を!?」
忘れた振りでも無理か、本当に覚えていたなこりゃ、半年前の深夜、夜食を買い出しの帰宅途中、親父狩りをしている不良を「ヤメロ!」と答えた。
何故か不良がニヤリと嘲笑をしながら近づいて自分を標的にされる。
そんなにやられるわけにはいかない。襲いかかる不良を護身術と格闘で親父狩りをした不良をフルボッコをお見舞いした。
気絶している満身創痍の不良達の持っているナイフを捨てて戻ってきたら、不良達はいなくなった。
「一体何しにきたんですか!」
「テメエのせいで俺はパンツ一丁のまま歩いて変態呼ばわりされたぞ!」
「サツにわいせつ罪として汚名を記されたんだぞー!」
「どうしてくれるんだ……あー!」
「パンツ一丁……あ!」
どうやら不良達は服を脱がされた事を恨んでいる。でも僕はそんな事しない。
僕は不良達が凶器を持っているのか身体検査をしただけ、邪魔だから服を脱がしただけで……言えるわけないな。
不良達が持っているナイフを見つからない場所に捨てている途中、いつの間にいなくなったのは警察に連行されたんだ。
「あ……まあいい……話し……ってウワッ!」
話し合いで解決しようと後ろに殺気を感じた僕は慌てて振り向くと、3人組が凶器を持って僕に襲いかかってきた。
殴られる寸前に交わし、しかも闇討ちするなんて卑怯、僕を襲った3人一緒にケリを入れた。
「グホッ!」
「ギャア!」
「ゲホッ!」
3人はボールのように転んでしまう。僕は顔を確認すると、一人は死んだ魚の目をした坊ちゃん髪型の男子、二人はニキビだらけの不細工男子、三人は猿顔をした男子。
「思い出した! 1年前のいじめっ子クソトリオ!」
「誰がクソトリオだコラ!」
「お前ら! なんでこんな事をする!」
「あの時の仮を返しにきた!」
話したのは死んだ魚の目をした男はリーダー格らしい、一年前の秋頃……当時中等二年だった頃、帰宅途中に気の弱い生徒を暴行しているのを見かけたから「イジメ……かっこ悪い」と3人に声を掛けた。
しかしリーダー格が「こいつ死亡!」といきなり死亡フラグを言うように三人で囲まれた。
でも僕は3人をフルボッコで制裁して病院送りにしたけど、いじめ現場を証拠写真を撮影して3人の通っている学園に報告、学園側は3人を退学処分にした。
「そう言えばグラサンチャラ男は数ヶ月前……サラリーマンをカツアゲしたチンピラ……」
「覚えていてくれたな、顔がメチャクチャ汚点だらけで……その仕返しさ……」
チンピラチャラ男の方は、数ヶ月前……ゲーセンの帰り道……繁華街でサラリーマンを暴行しているチャラ男を目にした。
財布だけでなく子供のお土産を奪って売却しようとするチンピラ、僕はムカついてチャラ男のところへ走って尻を蹴った。
チャラ男はキレて殴り掛かろうとしたが、僕はすぐに交わした。右足でグラサンチャラ男チンピラの顔面を蹴った。何十回もチャラ男を踏み続けた。
チャラ男の顔が鼻血が出て、ものすごく酷い顔にした。
お土産を取り返し、サラリーマンに返そうとしたら、しかし彼は怖じ気ついてビクビクしていた。
後ろには警官が駆けつけてきた。誰かが呼んだのか、事情聴衆はめんどくさいから一目散に逃げた。
「お前ら……僕に襲っても無駄だぞ! それに大勢で卑怯だぞ!」
「うるせえ! お前らにボコられたり、チクられたりひでえ目に合ったんだ。報復するのはどんな汚い手を使ってやる!」
「俺はお前の足裏に顔を何度もお見舞いされておかげで彼女に振られた。それに仲間は『キモ面』とあだ名で呼ばれた! どうしてくれるんだ……あ!」
チャラ男が威嚇するように凶器をぶんぶんと振り回していた。あいつの顔はもう治っているのになんでそんなに怒っているのか。
「昨日コンビニでこの連中に出会ってお前にやられた。一緒に組んでテメーにやられた分の倍返しだ!」
「何言ってるんだ! これは正当防衛! 先生に報告するのは当然だ! 大勢襲いかかるなんて卑怯だ!」
「構わねえぜ! お前にボコられた怨みをどんな汚い手を使ってもな……」
こっちは急いでいるのに、売り切れたらお前らのせいだからな。
「じゃあ……覚悟はいいか……」
うわあ……イヤな嘲笑な顔がとても吐き気がするほど気持ち悪い。殴りてえ……相手をしないと時間の無駄になるけど。
「わかった、相手になってやるよ! 馬鹿どもに相手なんて……これだからゴミクズは……」
僕は最悪な不良達に悪口を言う。全員の顔が赤黒く染まるようにピクピクと震えながら一斉に襲ってきた。
「ンだとコラー!」
「死にてえなら殺ってやるよー!」
「覚悟は出来てるだろうなー!」
十数人以上の不良達は一斉に襲いかかってきた。
「死ねヤー!」
凶悪な形相の面をした不良がバットを振って殴られ……なかった。
「な……交わした!」
「甘いね、お前の持っているバットに当たると死ぬほど痛くて出血死するから……」
僕はそのバットを片手で受け止めた。不良は手に持っているバッドに離れた。その受け止めたバッドをポイッと放り投げる。化け物を目撃した目で見る不良はビクビクと震えていた。
「じゃあ……次は……こっちが殴る方だね……」
「グホッ!?」
「「「「「嘘ーーー!」」」」」
「よし! いい仕事した!」
最初に襲いかかった不良を足蹴りで為留めた。転ぶように吹き飛ばされた不良は川までダイブするように着地した。
「テメー! よくも公ちゃんを!」
スキンヘッドの不良がポケットから取り出したメンリキを右手にはめて僕に殴り掛かろうとした。
「遅いね!」
僕は相手のメンリキパンチを素早く避けた。
「な……ヘブッ!?」
右手の拳を不良の顔面を思いっきり殴り飛ばした。不良はゴロゴロと転がっていった。
「どうした……さっさと掛かって来いよ!」
しかし目の前にいる十数人の不良達の体が震え、目に涙と体中に脂汗が大量に流していた。
「あの……ずびば……せん……でし……た……」
「これ以上は……もう……」
「お許しを! どうかお許しを!」
「死にたくない! 死にたくなーい!」
「俺は悪くない! 悪いのはアイツです!」
「俺のせいにする気か!」
「もう恐喝とイジメなんてしませんから!」
不良達は全員、一斉に土下座した。しかしこいつらは全員クズだ。いきなり襲いかかって、理由なく暴力振るって、僕は容赦しない。
「じゃあ……まとめてお仕置きしてあげるね……」
「「「「「「「イヤダーーーーーーー!」」」」」」」
大声で悲鳴を叫ぶ不良達。顔は真っ青になってしまい、口からは泡を吹く。
「「「「「「「うーん……」」」」」」」
「アレ? 失神しちゃった?」
不良達は一斉当時に倒れて失神してしまう。
「どうしようかな……」
気を失ったているから、僕は地面に置いているカバンを持った。ポケットを取り出したパットで時間を確認した。
「……さて、行きますか……」
僕は倒れている不良を放っておいて、急いで電気街のアニメ専門ショップまでダッシュした。
駅前の電気街のアニメ専門ショップに到着した。もうすでに何十人か並んでいて、店員が「慌てずゆっくりと進んでくださーい!」と指示に従った。
順番がドンドン列が進むと、ようやく自分の番が来た。
「お品物の【スペース・アドベンチャー・スクール】のsdソフト特典付きとお店の特典カードになりまーす!」
「はーい!」
アニメ専門ショップのコスプレ店員にスマイルな顔で袋に包まれた【スペース・アドベンチャー・スクール】sdソフトを渡してマネーカードで支払い、お会計をすませた。無事に購入出来て店を出た。
「やっぱり早く見たいよ……新着情報とミニovaが楽しみだ……なんだろう」
袋を持ちながら歩いていると、テレビヴァーチャル前はニュースが映し出されていた。
『今日はソーラー学園の学生達の教育の紹介でしたけど……アレは特殊な能力を適合するレンズでしょうか?」
若い女性キャスターがハキハキ口を動かして相手のkッやスターに話した。
『それはですね……あれは数十年前の侵略戦争を終戦したおかげでソレール系の全宇宙に平和が取り戻したんですよ!」
真面目に話す中年男性の大学の歴史専門の教授。
『数十年前と言えば……ソーラー戦争ですよね……それで特殊な眼鏡が誕生ですか?』
『違います! ただの眼鏡ではありません。それを言うなら……『ソーラー・グラス』と呼ぶ事です!』
ニュースキャスターの言う事は本当だ。映し出されている眼鏡は数十年前の昔、ソーラー連邦の独裁時代を反発する人間はレジスタンスと反対と共に戦って勝利したのがこの眼鏡型端末兵器である。僕が住む宇宙空間ソレール系宇宙人はソーラー・グラス(s.g)と呼んでいる。
それに、ソーラー連邦……ソレール系宇宙惑星連合と言われている。ソレール系とは僕たちが住んでいる外来宇宙空間である。しかもアリス星の外来惑星の人種の肌と体格が違う。それに辺りを見回すと。
「ねえ……今日何する……」
あっちに歩きながら話している金髪と金色碧眼をした白人美少女が話しをしている。
「たまにはお店で今日発売のアイドル活動するウラヌス星出身の双子アイドルのcdでも買いに行こうよ」
話し相手の水色髪のショートと褐色肌と青い碧眼の少女はエルミス星人。
「それってあの有名な双子アイドル『メイ&ロイ』じゃない」
それに3人の男子生徒が何かトークを語っている。もちろん彼らも。
「お前って確か……ネプテューヌ星人ってそんなに冷たい水で泳げるのか?」
黄緑髪な短髪とエメラルドの碧眼をした長身の黒人青年はガニメデ系ジュピター星人。
「まーね! それにお前はジュピター星人で自然に詳しくて山間部に活躍しているだろう。あんな才能で遭難しないで済むよ」
パーマをした海色髪とサファイアの瞳をした長身の白人系の少年はネプテューヌ星人。周りにいる人間は外星人で星の人種は様々。
僕の住んでいる惑星のアリス星は住みやすい惑星になっている。数十年前のソーラー連邦は独裁政権として星民を苦しめていた。アリス星人の髪色は燃え盛る赤毛が特徴だ。
ソーラー戦争終結後のおかげでアリス星は有名な観光スポットと又は留学する外星人が多く広まった。その原因はニュースに映像を流れていたこの眼鏡型端末兵器、ソーラー・グラス(s.g)のおかげだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます