3筋肉

「来るぞぉ!!城の扉を閉めろぉ!」



陸奥の前で鉄製の大扉が大勢の兵士の手によって閉じられていく。



「閂を掛けろぉ!」



そして重量200キロは優に越すであろう鉄製の巨大な閂がかけられた。



陸奥の後ろには近衛兵らしき集団が迫っており、これにより陸奥の退路は無くなった。



「ふむ」



陸奥は筋肉へ問いただす。一番筋肉が喜ぶ打開策は何なのかを



「考えても無駄だぞ侵入者!お前はここで捕まり尋問にかけられるんだ!」



「むむっ!筋っ肉ゥゥゥゥ!貫手ェ!」



陸奥の素手は、鉄製の大扉をまるで子供が面白がって蜘蛛の巣を破るような手軽さで貫いた。



「なにぃぃぃぃ!?!?」


「破城鎚でも傷ひとつ付かなかった扉なんだぞぉ!?」



兵士達は、人の域を越えた力を振るう陸奥に恐れおののく



だが陸奥にとってそんなことはお構い無しだ



「むぅん!」



そして門を貫通した手で閂を握り締め。



「筋っ肉ゥゥゥゥ!!」



なんの抵抗も無く閂を両断した。



「頼もぉぉぉぉぉっ!!」




拳を引き抜きながら物凄い勢いで大扉が観音開きに開く。



「「「ひ、ひぇぇぇぇ!!」」」




門の奥で構えていたであろう兵士達は先程の陸奥のパフォーマンスに戦意喪失し、玉座までの通路を拓いた



「貴殿がこの国の王様かなッ!?」



「……いかにも」



「私には取り柄がないッ!この国の為に働く故!食と住を保証してほしいッ!」



(((取り柄がない。って……お前のその筋肉は飾りか!)))



「丁度良い!実は明後日に隣国を墜とす為に攻城戦を行うのじゃ!お主にはそこで遊撃隊に加わり攻城戦に参加して貰いたい!」



(ぐふふ……こやつの力を持ってすれば隣国はわしのものじゃ)



「了解したぞぉッ!この陸奥海斗!貴殿の為に働く所存だぁッ!」



「うむ!期待しておるぞ!」



「では邪魔したな!早速武器を揃えに行ってくるぞ!ワッハッハッハッハ!」



陸奥は城を後にした









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