第4話
「放て!」
一斉に
「もう一度、放て!」
声の大きな号令係の男が、更に声を張り上げる。無数対無数の戦い。これは、人間側に不利な形勢だ。
「総員、突撃!」
刀剣部隊が先陣を切り、ヴィランの群れを切り崩しにかかる。加えて、弓部隊もその
本来、乱戦の中で弓は
「あれは……全員のことを信用していないとできないやり方ですね」
「そうね、自らの腕だけでなく、味方全員の腕前を信用できないと、あんな風にはできない」
「よし、この間に僕たちはあっちを叩こう」
「とりあえず、あの黒いのを壊しちまえば、どうにかなりそうだな」
一言で表すならば、
「急がなきゃいけないみたいだね。どうしよう」
「うーん……私たちもロビンたちの真似をすればいいんじゃないかしら?」
「……なるほど」
「えっ、つまり何をすればいいんだよ、お嬢」
シェインがタオの腕を引き寄せる。エクスとレイナも目を合わせて頷き、核<コア>の破壊へと向かう。別に背中合わせで戦うわけではない。ただただ単純に、二人組を二つ作って戦うだけだ。
とはいえ、それは単純な話ではない。人数をかければ、その分攻撃も防御もぶ厚いものとなる。戦力の分散は、時に
ふたつの
「タオチームの方が早かったわね……」
「まあ、シェインたちは年季が違いますからね」
胸を張るタオは鼻高々だ。連携という面において、エクス・レイナチームには、今のところ勝ち目はなさそうだ。
被害の全容が見え始めると、はしゃいではいられない状況だった。数名が負傷し、設備も幾つか破壊されている。
エクスたち四人は見られていた。見つめられていた。この場にいる全員に。そう、警戒されている。『お客様』だった彼らがヴィランと化したのだ。当然、この四人も警戒されないわけにはいかなかった。
「私たちは『空白の書』を――」
皆がレイナを
ロビンがつかつかと歩み寄り、四人の目を見る。一人一人、順番に。
「彼らの瞳は美しい。ロビン・フッドを信じられぬという者があれば、いますぐ前に
誰も動かないのを確認し、ロビンは不器用な笑みを一行に向けた。
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