生徒会のこと
生徒会のこと
僕は三年間クラスの学級委員を務めていたわけだけど、これは学校の組織系統では、生徒会の下働きのようなポジションになる。
いや、普通はそんな上下関係にはない役職名だ、ということは分かっている。けれども、少なくとも僕らの学校では、そういう扱いだったのだ。
これは、まあ、日々何かしらの揉め事が起こるような、エキサイティングすぎる学校というのも原因の一つではあったのだけれども……。
そんな騒動のまとめ役に借り出されるのが、主に僕らの仕事だった。
これから話すのは、そんな環境にも慣れた二年生の夏頃の事。
学校のプールに海竜が出た、という騒ぎが一段楽した後。その後片付けを手伝った僕は、報告のため職員室を訪れていた。
プールサイドに打ち上げられた、ロボット研究会のニューネッシーくん(三号改)の部品がまだプールの底に幾つか沈んでいるため、その撤去作業について、先生方へ話しておかなければならなかったからだ。
「ああ、分かったよ。とりあえず、ロボ研は厳重注意だなこりゃ」
話を聞いた裏河先生は、ボールペンで頭をかきながら、だるそうに息を一つ吐いた。
「厳重注意、ですか」
「最悪、プールの水、全部入れ替えだ。そうなったら更に活動禁止もありえるな」
水道代、幾らになるか知ってるか? と先生は聞いてきたけど、僕はあまり知りたくなかったので、曖昧な表情でお茶を濁すことにした。
「ところで徳井、今暇か?」
「これから生徒会の方にも報告に行くつもりですけど」
じゃあ丁度良かった。と先生は机の上にあったホッチキス綴じのプリント束を手にとった。
「ついでに、これ渡しておいてくれ。生徒会宛てだ」
「分かりました、持っていきます」
僕はプリント束を受け取って、一礼をし、職員室を後にした。
職員室から出て、階段の方へ向かおうと数歩進んだところで、後ろから声をかけられた。
「ちょっと、そこの。そう、あなた」
振り返ると、一人の女子生徒がいた。
僕の知らない人だった。
「失礼だけど、確か学級委員の人よね?」
「そうですけど……」
役職名で呼び止められるのは、大抵あんまり良くない時だ。
そして今回も案の定となった。
「ねぇ、生徒会室に行く用はある?」
「これから行きます」
「なら丁度いいわ」
今さっき職員室でも同じ問答をしたなー。と思っていると、その女子生徒はポケットから何かを取り出した。
それは小さな赤い箱だった。リボンでもつければ、バレンタインデーの贈り物に見えなくもないけれど、残念ながら今は時期外れだ。
「これを生徒会室に運んで欲しいの」
「えーと、どうして」
すると女子生徒は意味ありげに顔を近づけて、声をひそめて言った。
「これは爆弾なの」
「えっ」
「しっ、静かに。生徒会室を一つ吹っ飛ばすぐらいはできるから、これを渡したらすぐに部屋を出て。いいわね?」
僕もつられて小さな声で聞き返した。
「なんでこんな物騒な物を」
「私達は生徒会の打倒を目指しているの。これ以上、あの生徒会の横暴を許してはおけない。そのための特製爆弾よ」
それ打倒というか抹殺の間違いじゃないかな。
「たかだか理科準備室のビーカーでコーヒー飲んだくらいで出入り制限するなんて許せないわ。絶対に撤回させてやるんだから」
「あ、化学部の人なんだね」
そんなことをしていたのか……。若干自業自得な気もしてくる。
僕の苦笑いに気づかなかったのか、女子生徒は爆弾が入っているという箱を僕に押し付けて、そのまま足早に去っていった。
「起爆はこっちでするから、部屋を出たらすぐに逃げるのよ。命の保障はできないから」
何故そうまで殺伐とした事をやろうとするのだろう。
生徒会への恨み骨髄にしても過激だなぁ。
そう思いながら、僕は生徒会室を目指して歩き出した。
階段を登っていると、頭上から声をかけられた。
「君、学級委員さんだね」
見上げると、上の階段の手すりから、眼鏡をかけた男子生徒の顔が突き出されていた。
「生徒会室へ行くのかな?」
「はぁ、まぁ、そうですけど」
なんだか今日は同じ問答が続くなぁ、と思いつつ、一応正直に答える。
「自分はオカルト同好会の者だ」
「ああ、朝野さんとこの」
「ん? では君が徳井くんか。いつもうちの朝野が厄介になっていてすまん」
「いえいえ」
さておき、と男子生徒は上の階段から何かを吊り下げ、こちらに降ろしてきた。
「それは木乃伊の粉末を中に仕込んだ呪いのペンダントだ。生徒会室に入ったら、それを渡してきてもらいたい」
「すいません、まず触りたくないんですけど」
「大丈夫だ、君や我々のような一般人には無害だ」
どういう仕組みで対象の判別をしているのか気になったけど、オカルトだから理屈じゃないのだろう。呪いだし。
「一応聞きますけど、どうして生徒会を呪いたいんですか?」
「ふっふっふ、愚問だな」
男子生徒は、下を向いていたせいでずれた眼鏡を、芝居がかった仕草で直す。
「奴らが、我が会を部として認めてくれないからだ」
「予算が欲しいんですね」
部活には顧問と予算がつくけど、同好会には活動場所となる教室の割り当てしか無いのだ。
「書籍代や魔道具代は馬鹿にならないからな……」
世知辛い世の中だ。
「では徳井くん、後は君に託したぞ」
勝手に託されても……という僕のぼやき声が届く前に、男子生徒は階上へと去っていった。
僕はため息をついて、階段を再び登りだす。
その後も、生徒会室へ辿り着くまでに、様々な人から色々な物を託されることになった。
「良いかね、そのポスターには仕込み針が内蔵されており、丸めた状態から広げようとすれば無数の針が飛び出す仕組みだ。くれぐれも持ち運びには注意してくれよ」
「我々は政府の極秘任務部隊だ。このスタングレネードを放り込んでくれれば、君の退出後に我々が突入して奴らを制圧する。何? 二番煎じ? 何の話だ」
「これこそ、富士山麓から取り寄せた『美味しい聖水』である。邪悪な生徒会の者どもといえど、これを振り撒けば、たちまち元の世界へ還るだろう」
「こぉぉおぉのぉぉぉぉ、ケェェェキィィィをぉぉぉ、ぐいっと! こうぐいぃぃっと! やってくれれば、オォォォォッ! ケェェェェィッ!!」
「悪い、駐輪場の使用許可申請書を提出し忘れていた。ついでに届けておいてくれ」
「世界を救うためには、あの魔王どもを潰さねばならぬのだ! 頼む、この魔法のウシガエルを仰角三時の方向に煉瓦と共に打ち出して炊飯器を登ってくれ!」
もう最後の自称勇者一行(作務衣姿)が言ってる意味とか何も分からない。
人に会う度、段々と手にずっしり荷物の重みが食い込んでいくけれど、頑張って運ぼう。生徒会に丸投げしたら、その後は教室に戻って配布するプリントの仕分け作業だ。面倒だけれど二人でやるから時間もかからないだろう。外回りに比べたら楽しみなぐらいだ。
そんなこんなで。ようやく生徒会室が見えてくる頃には、僕は得体の知れない物ばかりを持った運搬人となっていた。たぶんここで僕が転んで倒れたら軽く校舎が吹っ飛ぶ。
アニメや漫画に出てくる、核兵器を搭載したロボットのようだなー。という心境で廊下を進んでいると、聞き覚えのある声が向こうからやってきた。
「立ちましょ喇叭でたちつてとー、トテトテタッタと飛び立ったー」
『北原白秋』と表紙に書かれた本を両手で開き、やる気の無さしか感じられない滑舌練習をしながら歩いてくるのは、演劇部(と放送部)の滝上さんだ。
「なめくじのろのろなにぬねのー、なんどにぬめってなに徳井じゃねぇか」
「ぼ、僕がぬめってるような感じに言うのはやめてよ!」
わざとじゃないんだろうけど、台詞音読から急に素に戻るとは思わなかった。
案の定、滝上さんの声のせいで、廊下がアメンボとか柿とか栗とかキツツキとかナメクジとか、練習台詞に登場する物だらけになっている。あやうく僕も納戸にぬめるところだった。
「どしたよ、それ」
滝上さんが僕の抱えた荷物を指差す。
統一性のない物ばっかり運んでいるから、誰の目にも気になるのだろう。
「みんなから生徒会室まで運んでくれって頼まれちゃって……」
「あー、お前ちょっと頼みやすい顔してるからなぁ」
「しょうがないよ、これでも、持って産まれた顔なんだから」
「人徳もあんじゃね?」
さらっとこういう台詞を言うから、滝上さんは女子から人気あるんだろうなぁ。
「こんなに頼まれ事を背負い込むくらいなら、徳なんかいらなかったかも」
「徳井から徳を捨てたらただの井だな」
「古寺くんだったら、絶対『井の中の蛙』とかここで言いそうだよね」
「ああ、丼かー」
そういう意味じゃない。あと丼の真中の点は蛙なのだろうか。
そういえば丁度今、魔法のウシガエルとかいうのも預けられていたっけ。
「ちょっと半分貸せよ。生徒会室までだったか、運ぶの手伝うぜ」
滝上さんが手を差し出してくる。
「え、いいよ、別にそこまで重くないし」
「両手塞がってたら危ねぇだろ。いいからそう全部しょいこまずに、助けてもらえって」
半ば無理やり荷物を滝上さんに持っていかれた。
まあ、危ない物は、まだ自分が持ってるから大丈夫か。
僕は好意に甘えることにした。
「ごめんね、気を利かせてもらって」
「なあに、気にすんな。気分転換にゃ丁度良い」
そう言って生徒会室の方向へ回れ右をする。
「ああ、あと、それとな」
「うん」
「お前の相方、さっき早退したらしいぞ」
「…………え」
うん、待って、嘘じゃないの。
語尾が伝聞推定だったから間違いって可能性は。
無いですか。そうですか。
「そう……そうなんだ……」
腕の力が抜けて、渡された荷物の一つ(テニスボール大の球体)が転げ落ちる。あ、やっちゃったと思ったけれど、それはぽてんぽてんと転がって、壁に当たったら周りを巻き込んだ雪山になっただけだったので、特に問題はなかった。
「お、おい徳井、なんかえらい事になってるぞ」
「そう……?」
「だって雪山できてるし」
「夏だから丁度良いんじゃないかな」
「溶けたら水浸しになるし」
「掃除大変だね」
それより一人ぼっちで作業しなければならない未来のほうが、僕にとっては辛い現実だ。
滝上さんに持ってもらった荷物よりも、遥かに重い気持ちを背負いながら、僕は生徒会室に向かって、とぼとぼ歩きはじめた。
そしてようやく生徒会室前。
じゃーなー、と去っていく滝上さんにお礼を言って、僕は改めて全部の荷物を一人で持つ。
背後を見ると、廊下の端に化学部やオカルト同好会や秘密結社や特殊部隊や神職者や自称勇者一行などなどが、身を潜めながらこちらを伺っているのが目に入った。
……さらっと部外者がいるのが気になるけれど、相手が生徒会じゃ仕方ないか。
さっき爆弾を渡してきた化学部の人は親指を上げていた。あれはサムズアップじゃなくて、きっと起爆ボタンに指をかけているだけだろう。
はぁ、とため息をつきながら、僕は塞がった両手の代わりに肘で生徒会室の扉を開けた。
「失礼しまーす……」
中に入る。
二年間を過ごしても、ここに入る時は緊張せずにはいられない。
数歩進む。
すると、誰もいないのに後ろの扉が閉じた。
「えーと……プールでの騒ぎの報告と、あと、生徒会宛ての荷物、持って来ました」
僕は真っ暗闇に向かって用件を告げる。
生徒会室の中は暗幕でもかけているのか、窓がどこにあるのかも分からない、一面の黒に覆われていた。そもそも、ここが元は普通の教室だったのかどうかすら僕は知らない。
「ご苦労」
出迎える声は、僕より高いところからやってきた。
その方向を見上げるけれど、何も視界に映すことができない。
僕は物騒な荷物を床に置いて、慌てずゆっくり数歩下がる。
「プールの件ですけど、ロボット研究会が夏の大会に向けた実験をやってたそうです。一応、職員室にも報告しておきました」
一応、最初に声が聞こえてきた方向に向かって喋る。
「裏河教諭だな」
「それで問題は無いだろう」
今度は別の声が二つ、左右から。やはり聞こえてきた方向には何も見えない。
どうして、まだ言ってもいない先生の名前まで把握しているのかについては、もういちいち驚くようなことではなかった。
生徒会が何を知っていて、何を行えるのか、その際限は僕を含め誰にも分からない。
「それで、先生や他の人から頼まれてきた物ですけど……」
「説明しなくとも良い」
「あとはこちらで預かろう」
視線を下げて床を見ると、さっきまであったはずの様々な品々が、見るべき場所を、いや部屋を間違えたかのように、忽然と消えていた。
いつものことながら、どうやっているのかは皆目見当がつかない。
「予算案や各許可については討議の後」
「問題無しと判断されれば」
「申請を受理する」
事務的な内容を淡々と告げる声には、温かみが感じられなかった。
学校に関することは、機械的に処理しているようにも思える。
一拍を置いて。
「さて――」
新たに響いた声は、今度は得体の知れない感情を秘めているように感じた。
「〝贈り物〟に関しては」
「君に伝えるべきことはない」
僕には、ということは。
「送り主には」
「こちらから」
「〝返礼〟をしておく」
やっぱり、それなりのお返しはあるようだ。
うちの学校には「諸悪の根源・生徒会」という正体不明の何かがいる。
あくまで学校の生徒という体裁を取ってはいるものの、学校教員とは完全に独立した関係にあり、学校の設立時から、噂によるとその前から、生徒会室に陣取っているらしい。
生徒会、という肩書きを持つだけに、学校関係の仕事はきちんとやっているようだ。けれど、それ以上に、時たま思い出したかのように、やる事なす事とにかく洒落にならない行為をしでかすので、全校生徒から畏怖と憎悪の対象になっていた。
複数の生徒会メンバーがいる、ということ以外はよく分かっていない。
噂によると「一度世界を滅ぼして、二度目の、つまり今の世界を作った」とかなんとか。
眉唾すぎる無駄に壮大な設定だ。しかし、まことしやかに囁かれている。
昔、それについて尋ねてみた人がいたらしい。「なぜ世界を滅ぼして、また作ったの」と。
すると「悪として頑張っていたら、うっかり滅ぼしてしまったので、やりなおして自分達を倒す存在がやって来るのを待っている(意訳)」という答えが返ってきたそうな。
どこまで本気でどこから冗談なのか分からないけど、とにかく気まぐれで人に大迷惑をかける、邪悪な集団という事実は変わらないようだ。
そんなわけで。小は学校生活でのちょっとした恨みから、大は国家規模の作戦まで、何度も何度も生徒会室への攻撃が行われている。
その結果がどうなったかについては……生徒会が今も健在な時点でお察しください。
ちなみに教師陣は、生徒会をあくまで生徒の自治組織として扱っている。大人になると色々慣れたり諦めたりするようだ。良いのだろうか、それで。
僕は真っ暗闇の中、プールでの顛末を語り終えた。
「報告は……これで全部です」
「わかった」答える声は無感動なものだった「退出してよろしい」
一礼をして、入り口の扉を開けて外へ出る。
今度は自分の手で扉を閉めて、ふぅ、とその場で一息をついた。
学級委員には基本何もしてこないとはいえ、やっぱり名状しがたい何かと言葉を交わすのは、緊張するし、酷く疲れる。これでも一年時よりはマシになったほうだけれど……。
そして僕は廊下の端へ視線を向ける。
案の定、そこには演劇部でもやらないような、典型的な死屍累々の山ができていた。
生徒会が〝返礼〟したのだろう、という事までは理解できる。けど、具体的にどうやったのか、そもそも生徒会室から出てこれをやらかしたのか、何度見ても僕には分からなかった。
いつも通り、それぞれの渡した物品を逆に喰らっているものの、命に別状は無いらしく、ただひたすら「畜生……畜生……!」とか「また失敗か……!」とか「ケェェェキィィィ美味かったってぇぇぇ感想がぁぁぁぁ!」とか呻きながら倒れ伏している。ところで最後のは本当に贈り物だったのか。なのにどうして同じように床に沈んでいるのだろう。
生徒会室に安全に出入りできる学級委員に、危険物を渡して、生徒会室もろとも生徒会を葬ろう。という考え方が、いつからあるのかは分からない。少なくとも僕が入学する前からあったようだけど、裏河先生曰く「徳井が学級委員になってから多くなったなぁ」とのこと。
滝上さんの言葉が脳裏をよぎる。
「そんなに頼みやすい顔をしてるかなぁ……」
頬をつねってみるけど、そんなことで顔が変わるはずもない。
ひとまず返り討ちにあった人達を助け起こそうと思い、そちらへ歩き出そうとする。
けれど一歩も踏み出さないうちに、比較的やられっぷりが軽い人達から立ち上がってきた。
意外とタフだなー。
「今回もまたダメだったが、次こそは必ずや……」
「うむ、お互い頑張りましょう」
「次回は生徒会室の窓側からペットボトルロケットで直接叩き込みましょうか」
「ああ、お嬢さん、言いにくいが、それは我々が五年前に試した手だ」
「最終的に水爆導入するかもしれん流れだな、これは」
「はは、何十年も前にもうやったよ」
本当にみんなタフだ。あと発想に容赦が無い。
毎回毎回、失敗続きなせいか、誰一人として今回の結果を悔やんではいないようだ。それは負けることに慣れすぎてるんじゃないかなーとも思うけれど。
噂が本当なら、生徒会を倒すための力と経験は着実に育っているのかもしれない。いつか誰かが、あの黒に覆われた部屋を滅ぼす日が来ることを、彼らは微塵も疑っていないのだ。
……自分達を倒させるために、周囲に迷惑を撒き散らす生徒会のやり方は、マッチポンプみたいというか、なんというか、恐ろしくまわりくどい気がするけれど。
それでも。その諦めの悪さと、折れない心は、僕が見習うべきものなんだろうな。
などと思いつつその場に突っ立っていると、僕の横でゆっくりと生徒会室の扉が開いた。
「徳井委員」
「君のクラスメイトが校庭で騒ぎを起こそうとしている」
「仲裁に行きたまえ」
たったそれだけの言葉のあと、扉はまたゆっくり閉まっていった。
これは、すぐにこの場を立ち去らなかった、僕のうっかりミスになるのだろうか。
当然、今のを聞いていた懲りない人達が、こちらを窺いつつ円陣を組んで、何やら小声で相談をしはじめる。
「次はどうする」
「あの手この手でいきましょう」
「つまり何でもいいんだな」
「とにかく俺は腹が減った」
「よぅし各自得物を持って再集合だ。急ぐぞ」
意見がまとまったらしいけど、そこに僕の意見は何一つ反映されていない。
僕は先手を取って、釘を刺しておくことにした。
「今日はもう運んであげましたから、また今度にしてくださいよ」
果たしてこの言葉が明日まで守られるのか。
僕にはそんな自信なんて最初から無いのだった。
生徒会のこと おわり
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