いいんだ?!

 それでも 私には、聞いておきたい事がある。

思い切って。

『私が関わるのは 嫌なんでしょう?』

「そういう訳じゃない」

『えっ?!』

「そやけど 時間を取ってくれとか、そういうのは 困る」

『あぁ…』


『んじゃ そういうのでなければ良いって事?』

「そやな」

『そっか。うん わかった』


 それから後も 何か話したはずなんだけど、良く覚えてない。

それを聞けて、穏やかに 話せた様に思う。

 ホントなら もっと色々と話ししていたい!うううっ

こんな環境 これから以降、設けられる気がしない。

 でも 辛そうなのも わかるし…


 無情にも 時間は過ぎてしまう。

それが わかっていても、G は何も言わない。そういう人なんだ。

かえって そうされるのが、また 辛い。

『行かないとね』

「・・・」


 車を出す。

駅に着いて

「この辺でイイぞ」

と 手前で 降ろしてくれと言う。

けど ココでは、しっかり さよなら出来ないと思って

ちゃんと停めれる場所まで 移動。


「んならな、ありがと」

『行っちゃうんだね』

「行くわ!」

『はぃ…』


 ドアを開けて 行ってしまった。

振り向きもせず 真っ直ぐ行ってしまう。

その姿を 見えなくなるまで、見送った。



 初回の アートイベントの後に、G のお父さんが、ガンだと

聞いた時から、これから先 状況が変わってくるだろうなと

私は 感じていた。だから

『私と 終わらせる時には、必ず 会ってね』

と言っておきたかった。

 それを 言おうと思った日に

「女の子と デートしてくるわ」

の 発言。タイミング良すぎ?


 恐らく G のお母さんからの 差し金と言えばいいのかな?

G は長男だから、お父さんが どうかなってしまう前に

身を固めて欲しいと思ったに違いなく。多分 お正月付近に

そういう根回し行動の一環で、友達が G へ 女の人を

紹介する話になったんじゃないかと思う。


 家族思いで、友達思いでもある G です。

お母さんが 絡んでいるかどうかは、別として。友達からの

声掛けを 無碍にする様な人ではないです。

 そして G も、うっすら 今のままではイケナイと思ったのでしょう。

お相手の方も そうG のタイプから、かけ離れた方でもなさそう

な感じな気がしましたし。


 かと言って G は、自分から 言い寄るとかもしないと思う。

なので、お相手の 出方をみていて、半年後 そういう事になったと。

 そうなれば きちんと、お相手と向き合うと 決めて。

私の事も 良くわかっているから、酷な別れ方位の方がいいだろうと

あぁいう態度を取った。


 そう思います。



 2度目の アートイベントの時。

考えてみれば G の行動の取り方からいけば、初日に来るはず。

それを 2日目だったのは、私を 避けるのを考えてだったのかも。

 まさか ボランティアになっているとは思わなかったんだろうね。


 それから後の G の行動が、おかしいです。

お茶に付き合ってくれて、更に 一人で行っても良い、街燈ペイントを

観に 誘ってくれました。

 H.A氏の 個展の知らせも、聞いただけで いつ行くかを

私に言わなきゃ良いんです。素っ気なくではあっても 教えてくれた。


 その帰りの 駅での 一悶着。

あんなのも 振り切って 行ってしまえば、それまでですよ。

私の事を わかってるなら、そうした方が 断然 効果的。

それを あそこまで、寒い中 付き合ってくれた。


 I氏の事が きっかけだけど、その後 色々と話す様になる。


 そして この日の、H氏の個展。

ふんわりとした伝え方であっても、私が どういう行動をとるか

ヨめてたと思います。

 その証拠に 私に知らせないつもりで、家を出たんだと思います。

いつのタイミングかに 私が、G へ連絡入れると ふんだんでしょうね。

で無かったら、ブルーレイを用意してたんですもの。渡せるか どうか

わかんないのにですよ。



 その後

「そういう訳じゃない」


 あぁ G は、私との 関わりを、完全に切りたい意向では無いんだと

わかって、とても 救われた。


 それからは 2ヶ月1回くらいの割合で、LINEしてみたり

もちろん 何か用事があってで、声かけるんだけど。

殆どの 場合、返信もなかったりして。それでも 既読にはなるから

繋がってると 確認できて、それで 十分。



 お盆の時期。

大阪で 2人共、興味がある アートイベントが、開催されるとの

情報を キャッチ。LINE しなくても、絶対 G は わかってると

思った。

 だけど 一緒に行こうと言っても、ノってくれないだろうなっと

思って。敢えて 声を掛けずにいた。


 通常の お盆の過ごし方は、私達が 双方の、実家へ行ったり

旅行に行ったりと、何かしら 家族で、行動しています。

 この時は 大阪付近へ行く用事が、そのイベントの日と 重なって

いたので、帰りに 少し寄ってみる程度になら、行けそうです。


 やってみたい ワークショップもあって、申し込みたいなと思い。

 家族と一緒だから、私は そっちに行きたいし。子供も 大阪なら

行きたい所があるし。そうなると 旦那様は、その間 どうしていて

もらおうかと… どっちかの お付き合いになると思って、どうする?

と 尋ねてみた。


 そしたら 一緒に、ワークショップを 受けてみるとの返事。

意外…


 旦那様は 物作りに関して、疎い感じで 手先も、どちらかと言うと

良くは無い方だから、そういうのは 嫌と言うかと思っていたのに

『こっちなんだ?』

 この時ばかりは 正直、一人で行った方が 楽なんだけどなぁと思った。

それでも こういう機会も無いし。


『それじゃ 一緒に、申し込んでおくね』 

ワークショップは イベントの最終日の枠を、申し込みました。

初日は G が行くと思ったから。






 

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