唐突な

 エッグアートの品と 一緒に、テレビ番組を ブルーレイに落としたモノも

下さったんです。そういう品も ちゃんと毎回、表に 画像編集して

プリントを施してくれます。

 画像を見た感じでは あまり内容がわからないモノだったんですけど。

美術関係のモノには違いなさそう。

 

 観てみました。

!!!

 G には 詳しく知らせてなかったんだけど、次の作品を作る為に

特殊な石が欲しくて、とある加工業者へ 注文をしていたんです。

 ブルーレイには そこの加工業者に勤める若者の話で、丁度

私が 石の展示会で、意気投合した その人の話だったんです。

 どこの業者に頼んだのか どういう人にお願いしたのか

そこまで 話してなかったんですよ?なのに… 何?この偶然!

こわっ;;


 その日は 遅くに見たから、翌日 G の仕事終わり頃に、電話をした。

話し中だった・・・


 そのまた翌日からは 子供と東京へ行く事になっていました。

メインの用事は 子供の事だったんだけど、私の自由時間もあったから

目一杯 こちらで見れる催しを、観て廻りたかったんです。

 その報告と一緒に G へ電話すればイイか…っと思って、東京へ。


 東京での 1番の楽しみは、H氏の趣向を凝らした展覧会がある事だった。

それと もう1箇所でも、個展があり 同時開催という、おいし過ぎる 企画。


 午前中の間に 趣向を凝らしている方の展覧会へ。

会場は 沢山の人で、そこへ向かう エレベーターから行列になって

いました。やっとこ 上がれて、会場前で 写真を撮り、facebookとTwitterに

アップしてから、中へ入りました。

 『なるほどなぁ~』っと感心しながら 観てまわりました。


 お昼 一旦、子供と食事をする為に ホテルへ戻りました。

その電車の中で FBをチェック。すると コメントが入っていました。

 前年の 大阪での、アートイベントで 私が、作品を購入した

I氏からでした。

 I氏は 彫金師で、すごい精密な作業で 見事な作品を作られる方。

大阪で 個展を開いた時に、G は1人で行って、同業者という事もあり

意気投合したとは聞いていました。FBをされていたから フォロー

させてもらって、近況を覗かせてもらっていたんです。

 G からは I氏のプライベートな話とかも聞いてはいたんですけど

私自身は FBを見させてもらう程度で、何も接触してなかったのに…


 しかも コメントの内容が、私が G の事を知っている様な感じの

コメントが入っていたんです。

 I氏も H氏の作品が、大好きだって事は G から聞いていたので

H氏の 展覧会ネタだから、反応があるのも わかるけど、内容が

ひっかかる…

 

 なんて 返事したら良いか、困る。

一応 G に確かめてみようと思って、電話してみたら 出ない。

『出ない時もあるから 仕方ないよな』っと思いつつ、G へLINEを

入れる。

 そしたら 反応があって

「今 I氏の工房に居る」って

ひぇ~~;;

「I氏に 俺のH氏の作品を見せてたとこや」


 そういう事か!

だとして?私との事は どういう風に話してあるんだ?

まさか そぉいう事まで話すとは思えないし。。。

 と、とりあえず FBへは、当たり障りない返事をしておこう。

G へは、電話で話がしたいと LINEを入れておいた。


 午後からは また別の、気になっていた 美術館へ行ってみた。

またまた すごい作品を、目の当たりにして 刺激をガンガンもらって

帰ってきた。

 G からの電話を待っていたけど、かかって来ない。

もしかすると ずっと、I氏を一緒なのかもしれないし…

こっちから掛ける事も出来ず、


 翌日の午前中。

今度は もう1つのH氏の個展会場へ行った。

そこは 作品撮り放題だったので、全部写真を撮らせてもらった。

 H氏の作品の 代名詞となる作品については、やはり販売されて

いなかったけれども、そこに至るまでの 少し前の作品や、絵画の一部は

販売されていて、そこまで高額では無かったから。

 今後 本当に、この方の作品を購入する機会が無くなると思ったので

これを機に 買っておこう!っと思って、作品を購入した。

 絵といえば、絵なのだけど… 少し違う趣きの品で、額には入った品です。


 うれしくなって G へ

『作品 1つ購入したよ~』と LINEで報告。

 さすがに このメッセージには 反応くれるはずだろうっと思って。


 午後からは 今まで、情報だけで 実際には、観る事が出来て無かった

この方も H氏なんだけど、ややこしいので A.H氏の個展へ行ってみた。

 ゆったりと観てまわれる個展で、入口付近で 人気を確認して

きっとサインしてもらえそうだったから、色紙を買いにいき 入場。

 大きい作品は 買えないけど、手頃な作品もあったので、G にも

お土産に…っと 購入して、A.H氏には サインもしてもらった。


 この事も G へLINE報告して、ホテルに戻った。


 LINEは 既読になっているのに、何の反応も無い。。。

堪らず!

『どうなってんの?』

と 入れたんだけど…  既読にもならない。



 えっ?!


 状況がつかめないまま 東京を後にしました。



 平日は 仕事終わりが遅いので、電話は 無理と言われていたけど。

LINEへ 『電話したい』と メッセージしておいて、反応を待った。

 結局 反応が無いまま、週末まで 経っていました。


 土曜になって 恐らく、もう1人の方が 電話する時間よりも前の

時間だろうと 予測して、その時間に 電話してみた。


 出た!


 『何で 返事くれないの?』

「彼女出来たんや」

『!!』

『あの方?』

「ン」

 ・

 ・

 ・


『終わらせる時には 必ず会ってねって、約束したよね?』

「もう無理や」

『えぇ~! 約束したジャン』

「…」

『1回位 会ってよ』

「もぉアカン」

『何でぇ~』

「 … 」




 … …



  …



… … …



 長い 沈黙が続いて…


「もう彼女から 電話かかってくるから」

『えぇ~ だって、会うって約束したのに…』

「 … 」

『会ってよぉ』

「しつこい!怒るぞ」


!!!

今まで聞いた事もない 険しい声でした。

泣いてたし、それは G へも伝わってたはず。それも その声で

止まってしまった位 ショックでした。


「切るぞ」

『えー』

 G の方から 電話を切ると言われたのも、その時が ほぼ初めてだったかと…

「切る!」

『あっあ! 最後位 ちゃんと言いたい!』

『今まで … ありがとう』

「 … 」


「切るな」

『ン』

「お元気で」




 ツーツーツーツーツー


 ツー ― 


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


・・


 そんな急に?

 ・

 ・


目の前が 真っ暗になった。





 こんな?




 電灯を 点けず、廊下からの 明かりが差し込む程度の寝室で 

電話をしていたから、元々 暗かったんだけど

目を開けても 何も見えなかった。


 座り込んでしまって 


 全く 予想だにしてなかった展開。

だって ここしばらくの様子からいったら

全然 そんな素振りもみせてなかったから

むしろ そちらとは、上手くいってないんじゃないかとすら


 え?

ここんとこの あの優しさは、終わりにむけての 

何か お礼みたいな、お詫びみたいな そういう事だったの?




 色んな事が 頭の中で、走馬灯のように グルグル巡って

懸命に 状況を理解しようとしてみる。。。


 そんな事したって 意味が無いのに…

わかっていても どうして、こうなったのか


 電話をしている時は 泣けてきてたけど

ショックのあまり 涙が止まってしまって

ただ 茫然としながら、1点を見つめて 見るといっても

目が開いてるだけで、見えてる映像は G との事


 そのG との思い出の中へ 自分の気持ちをもっていく事で

終わった現実から 逃れていました。正に 現実逃避。

 いくら繰り替えてしても 夢でも無くて。

また 意識が戻ると、次の G との映像がやってきて

その中へ。


 ぼんやり、ただ ぼんやりしました。




 何度も 何度も、逃避を 繰り返しました。



 週末の夜の事だったので 

そこまで ぼんやりしていても、子供の面倒とか

みなくて良く、土曜は 夜更かしするのが、習慣に

なっていたから、気付かれる事なく。

 実際は 子供の事をも 考えれてる余裕もなかった。


 寝室だったので ベッドにもたれかかって

そのまま 頭と腕だけ、ベッドに置いて 寝付いていました。

 

 目が開いてからも 起きる気力も無く。

夢だったのかと思いたかったけど、そうでは無い現実が

押し寄せてきて、泣けてきた。


 泣き疲れて また、眠っていました。


 少し休んで 目覚めて、また泣いてを 何度か繰り返し


 明るくなっていきました。

次の日なんて 来なくてイイと思いました。

G が居ない日を これから過ごすなんて

考えられない。


 どうなってもイイと思って そのまま寝続けました。


 


 夏休み期間で、子供は 結構大きくなっていたので

自分の事は 自分でやれていて。

 私は 時々、夜通し作業をする事があるので

その後は 1日死んだ様に寝る事もあったから

 その日は もうベッドから出ず、子供も 私の様子を

見にくる事無く。家にあるモノを 食べて過ごしていて

くれたんだと思います。


 夜更けになって やっと、思い身体を 起こして

下へ降りていきました。

 フワフワして 視線が定まらず、壁を 触らないと

歩けなかったです。自分が生きているのか どうかも

よくわからない感覚です。



 死んでしまいたかった。




 こうなる事は わかってた。

こうなる事を 覚悟できてなかったら

こういう事は 出来ないです。

 ここまでの状態にならない様に 警戒して

自分の気持ちを コントロールして、ハマらないようにと

思ってたのに。

 どうしても 惹かれ続けてしまう自分が居て。


 G だって 少し前から、警告出してくれてた。

だから ちょっとずつでも、離れていけるように

もう会えなくなるなら しっかりと、私自身に

G を刻み込んでおいて、それからにしたかった。

 別れ際だって ちゃんと、キレイに お別れの言葉を

言いたかった。


 なのに 

どうして こんな唐突なの!

なんで 急に会えない様になっちゃうわけ?


 どうして!






 そんな思いばかりが グルグルして

2日間は ずっと寝込んだままだった。


 死んでしまいたかったけど 

今の私には 守るべき、子供がいる。

そんな事ばかりしている訳にはいかない。


 少し 体の調子が良く無いという事にして

無理は出来ないので、しばらく 休み休み過ごさせて欲しい事を

子供に伝えて。幸い 子供は、本当に そういう事なんだと

思っていてくれた様で、そっとしておいてくれた。

 最低限 食べるモノだけは、不足ない様にはして。


 

 そうしていると 段々、何も 考えたくなくなってきた。


 考えないでいれば、体を動かすのも わりと、すんなり

動かせる事に 気づいて、刺激を受けないように そぉ~と

やれていなかった事を やる様にしていきました。


 自分では テレビをあまり点ける人間では無いのですが

子供が 点けたまま、出てってしまったり、点いているテレビを

フッと見てしまった時に、思い出してしまう ナニかを見てしまい

落ち込んでしまったり。


 時に ぼにやりしてしまっていたり


 夏休み後半は そういう感じで居れて、ホンのちょっと

ホンのちょっとずつ、フツーの生活に 戻していけました。

 夏休み期間で 良かったのかもしれないです。

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