§ 3
繋ぎ止める
これで 終わっちゃうのかも…
と思いながらも、やはり そのままには出来なくて。
時々、『元気?』とか 尋ねるメールはしていました。
だけど 返事がほぼ無くて。
不安を消す様に『忙しいんだろうなぁ』と思い込む事にしました。
2人で 色々な品を作らせてもらった中に、sちゃんへのリングも
ありました。それと 同じような形のリングを、妹さんにも作って
欲しいと依頼があって。
何とか 私が作ると、頑張ってみたんだけど… 上手くいかなくて。
G には、そういう注文があるんだと言う事は、伝えてあったから。
『G に作ってもらった形が良いみたいなんだ』
とメールして、急ぎはしないから 作ってみてくれないかとお願いした。
「いつ仕上がるか わからんゾ」と返事あり、作ってくれる事になった。
ワックスまでの作業をお願いして、私は 金属に上がってからの
磨きを担当するという事で、リングを仕上げる事が出来た。
G が大阪へ行ってから、殆ど会えなかったんだけど
こうやって 依頼をもらった品に関して アドバイスをもらいながら
ブランドについて 補佐をして下さるカタチで、細々と 繋がりを
もち続ける事が出来て、とても嬉しかった。
あの時 何も、答えてはくれなかったけど。気にかけていてくれている事が
実感できた。
私は アクセサリーに用いるのに、良い素材に めぐりあえて
いたりしたので、その素材を使った商品開発もしてみたくて
それに纏わる 原型作りを、G が担ってくれたりして。
商品が出来上がったのを 確認してもらうのを口実に
ようやく G と会えた。半年ぶり位です。
だけど 以前の時の様に、明るい感じではなくて、私が感じる感覚としては
「言われたから 出てきた」
って感じで、素っ気ない感じに思えた。
それでも 1泊のお付き合いをしてくれたし、私は まだ大丈夫なのかな
っと、ホンのちょっと 安心したりもした。
今の 私には、無くてはならない存在だったから。何とか 次を望みたい
と思ったから、何かにつけ 会える様にしていったんだけど… 中々
応じてもらえず。
ただ 繋ぎ止めておけるなら…っと、いつ断られてしまうかと
ハラハラしながらも、メールだけは 周期的に送っていた。
G からの返事は、ポツ・ポツ程度でしたけどね。
大概 ブランドに関してのお願い的に、会う口実を見つけて
タイミグが合えば…な感じで、だったんだけど。
そんな中
2人が 大好きな、伊藤若冲の展覧会が 少し遠い所なんだけど
ある事を 知り、『これなら G も行きたいって言うんじゃ?』と思って
どんな絵が見れるのか 調べて、プリントアウトして G へ送った。
「何か届いてるみたいやけど、日中は 家にえんから、明日 受け取るゎ」
と連絡あり。
「若冲の情報やったんやな、ありがと」
とだけの返事だったんです。
一緒に行こうって 返事を待っていたのに、ダメか…
と、諦めた3・4日後
「若冲行こか」
とメールがあって、飛び上がりたい位 うれしかった!!
早速 打ち合わせの電話をして、約束を取りつけ 行ける事に。
その展覧会では 前年だかに、新しく発見された 若冲の絵が
初公開されるという催しだったんです。それが 気になった様です。
展覧会へ行く前の日に 大阪で会って、お泊りして。
それから 展覧会場へと 向かうというスケジュールでした。
思いっきり 若冲を堪能出来て、素晴らしかったです。
何となく… それから以降 少しずつ、G の感じが変わっていて
私からのメールの反応が そんなには、早く反応がある訳ではないけど
もちろん ブランドからみの話でなんだけど、前よりかも しっかり
話にのってくれる様になったし。
その年の 年末の休みを、私に時間をくれて。2泊の小旅行へ
行けたりして。
それからは 月1回位ずつ、会う時間をもってくれる様になっていけました。
憶測なので はっきりした事は わかりませんが、若冲の展覧会へ行った頃が
G が、大阪へ出て 1年経った頃なんです。それまでは そちらの生活に
精一杯で、本当に 余裕が無かったんじゃないかと思います。
それを ただ私が、これで終わってしまうのかと 勝手に不安になっていた
っていうだけなのかもしれないです。
ブランドの事に関しても ちゃんとサポートしてくれていて、助かりました。
だけど G にばっかり、甘えてはイケナイと思って、私も 技術向上に
努めていきましたよ。
G と一緒に行けなくても、観たい 展覧会があれば、少々遠くても行き。
図録を手に入れて G に送ったりして。感性を磨く事も 怠らない様に
していきました。
G は中々 時間が取れなくて、展覧会へは 行けなかったけど。
アートな情報収集は、マメにしていた様で 行ける時は 二人で行っていたし
色々ともらい続けていて。
G から 現代アートの方で、H氏とA氏の事を 教えてもらいました。
どちらも 神業的な、超絶技巧を凝らしている作品を作られる方です。
『すごぉ~~~い!』
と 私も、一気に 作品に魅了されました。
私は 東京へ行きたい用事もあったから、そちらへ行けば
H氏の作品なら、もしかすると 手に入れれるかもしれないと
秘かに調べていて。そんなに 高い品ではなかったから。
何とか 作品を手に入れたんです。年末前の事です。
その事は 内緒にして、またその年も 年越し直前の小旅行が叶って
2人で 過ごしてから。
しばらく後に G の誕生日だったので、その作品を プレゼントしました。
それはそれは すごく喜んでくれました。
実は その作品を最後に、その方の作品は 入手困難になったんですよね。
いち早く 情報を手に入れる点において、G は 優れたアンテナの持ち主
だよなぁ~っと、いつも感心させられていました。
その年 G は、仕事場からの要請で 資格試験を受ける事になりました。
技能試験です。なので 練習に集中したいからと、連絡をあまり取らないと
いう知らせをもらいました。
… さみしぃ …
それでも その資格はあった方が良い事だし、何より 技術向上には
必須なモノですから。しかも 結構 難関だと言うのも、わかっていたから。
しばらくの間の事だし、我慢!我慢!
私の方は 相変わらず、週1回の割合で 学校へ通い。ブランドの事も
少しずつ 自分で担っていく様にしていました。
この頃 私には、ちょっと別の考えもあったりしたんです。
学校へ通おうと思った きっかけは、モデル君の事でしたけれども。
もし 私が、技術を習得できたなら。『私にも 出来ましたよ』と
身近な方へも 自分の品くらいは、作れる様な 教室とまではいかないけど
作っていける場を設けたいな っと思っていたんです。
その事を 友達にも、相談していたりして。その為には 賞とか取ってる人
だと、箔がついていいんじゃない?と アドバイスをもらっていた事もあり。
G が頑張るなら、私も 何かチャレンジしてみようかと思い立ち。
コンテストへ応募してみる事にしました。
いえ…本来なら まだまだ、コンテストへ出せる程の 技術を習得していれてた
訳ではないです。けど コンテストの主旨からいくと、こういうのが良いのでは?
と思える デザインが頭の中にあったというのも 理由です。
それから 1ヵ月半程、2人共 作業に没頭しました。
G の方が 先に、試験があり。見事 合格されました。
私の方は 締切ギリギリに、出品する事が出来ました。
コンテストの結果は 実質3位の賞を、頂戴する事が出来ました。
ありがたい事です。
ーーーーー
男女の間だけでなく、誰かと付き合うという事。
どのパターンでも 少なからず、言える事かと思うのですが。
互いに 何かしらの、影響を ホンのちょっとずつでも 受け合うんだと
思うんです。悪い事もあるかと思います。
だけど 相手からの刺激によって、自分を良い方向へもっていけるなら
それに越した事は無いです。
その為に 人と接していくんだと、私は思います。
私は 自分に、中々 自信がもてないタイプです。
けど この事で、ちょこっと自信を持っても良いのかな?
と思える様になりました。
ーーーーー
賞の発表があってから 表彰式まで、1ヶ月程 時間がありました。
その期間に たまたま、地元の彼氏さん伝いなんですが。簡単な 体験教室を
やってみないか?と言う話をもらえました。
教室をやろうかと思っていたので、お試しな感じで やれるのは良い機会だと
思って、引き受けました。
市の施設を使って、期間は3ヶ月程で 週1回。他にも 色々なコースがあって
希望する方へ コースを選んでもらって、受講して頂くという 教室です。
早々に 教室への準備を始め、何とか 間に合わせました。
思ってたよりも 受講希望して下さる方があり、うれしく教室を始める事が
出来ました。
途中 表彰式にも参加してきました。
その帰り G にも報告に、会いに行きました。
一緒に 喜んでくれました。
その次に 会った時は、私の誕生日を過ぎた辺りだったんです。
G が大阪へ行く前までは、記念日系には G が作ってくれた
アクセサリーを下さったりしていたんですけれども。
大阪へ行ってからは メールで、「おめでとう」とお祝いの言葉を
下さる感じでした。私は それで、十分 嬉しいので♪ 満足してました。
その日 いつもの様に、待ち合わせして ご飯を食べに行って。
決まった様に ラブホへ行きました。
私は ラブホに入ると、すぐ部屋着に 着替えたいから、早速 着替えを
持って、脱衣所へ行こうとすると それを止める様に
「これっ」
と 箱を差し出してきたんです。
『ン?』
と 言いつつ、着替えてしまいたかったから そのまま行こうと…
「うン!」
って 急かす様に、更に 差し出してくるので。
一旦 着替えを下ろして、傍へ寄って行って 受け取る。
いや… 「これっ」と言われた段階で、そうなのかも?と思いましたよ。
だって 誕生日後なんですもの。
『開けていいの?』
「ン」
ワクワクしながら 開けてみると、腕時計です。
それも すごくカッコイイ感じで、私の好きな色合いの物です。
『すごぉ~ かっこいいヤン♪ ありがと~』
『ホント かっこいいね!』って
仕切りに感嘆していて、というか 嬉しくて堪らなかったんです。
私の好みを わかっている感じで、選んでくれたのが 物凄く伝わってきたから。
『ッめっちゃ!うれしい!!』
と 感激してると…
「これ俺のね」
と 自分がしている 腕時計を見せてきたんです。
もらったタイプの 色違いなんです。
きゃんっ♪ お揃い! えぇ~ うれしいぃ 本気で、たまらんです。
もしかすると 賞をもらえた事に対しても、お祝いの意味もあったのかも
しれないです。
とにかく 嬉しかったです。自分から お揃いを望んだ事は、過去にも
ありましたけど、お相手から さりげなくお揃いのをもらえるなんて!
感動以外の何ものでも無いです! うれしいいいいいい♪
もちろん その時のsexは、一段と燃えたのは 言うまでもありません。
G は 私が、今まで 思っていても、実現しなかった事。そういうのを
サラっと 叶えてくれる人です。私の思っている事が ミえるのかな?
そう言えば… sexの最中だって、私が こうして欲しいと思っているトコを
上手に ついてくるし、、、 何度も『私の心の声が 聞こえてる?』と
尋ねた事あります。ニヤっと するだけで、答えてくれないですけど…
それから後 私は、教室の事に 忙しくなってしまいましたが。
それが 終わった頃。あの 気になっていた、現代アートのA氏の展覧会が
大阪であると、G から 知らせが来たので、一緒に行ったりして。
その年も 年末直前、小旅行をする事が出来て 楽しかったです。
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