さくら

 大阪城公園 日中、春の気配がして ほんのり温かい感じ。

天気も良いし。いい日に来たなぁ~っと お城へ向かって歩く。


!!

桜 全く咲いてない! 1分も咲いてない。

『咲いてないじゃぁ~ん』

「ホンマやな」

『いやぁ~ん マヂッ咲いてない』

って言いながらも、ドンドン お城へ向かって歩いて。

お互い 何も、迷う事なく。お城への入場券を買って お城の中へ。

G も お城の中は入った事ないんだって。


 お城の中に入ると 先ず、最上階まで 階段を上がる。

もうこの頃から 中国・韓国系の観光客の人が多く。

顔は 同じ系統なんだけど、飛び交う言葉は 全くわからない言葉で 

且つ大声だから、響く…

 展望デッキに出る。 おぉ~!大阪市内が スッキリ見渡せる☆

四方を ゆっくり巡って。下の階へ。


 階段を下りた所に ジオラマのショーケースがある。

細かい細工がしてあり、障子1つにしても きっと、ちゃんと 開け閉め

出来そうだとか。そういうのを 1つ一つ見入って、『すごいね!』って

言い合って。フロアーの展示も 結構、くまなく見て廻った。

 また 次の階へ降りた時も、階段の下に ジオラマのショーケースがあり

それも あぁだこぉだと、細工の凝りように 感激したりして。でも

鎧兜ばかりが 展示してあるフロアーは、少し見たら 何か怖くなって。

『こわい…』

と言って 早々に、下の階へ降りた。

 特にお土産って事も無いし。そこは 言葉の違う方々で溢れていたので

そこを避けて、さっさと出てきてしまいました。


 外に出てからも 門の造りだとか、金具の事とか…外からの お城の

飾りの見事さとか、見る方向が 大概一緒で、競って すごい凝りの場所を

探しては、『はぁ~』っと 感心するばかりでした。

 少しずつ お城から離れて、振り返り 振り返り、お城の全体像を見て

すごいねぇ~♪を 私は 連発していました。


 恐らく 花が咲いていれば、開いていたであろう 茶店の所に

喫煙コーナーがあったので、そこに 座って。

お城を 仰ぎ見つつ、ゆっくり一服~

!!

『お花見に来たんだよね?』

「そやなぁ」

『すっかり お城見学しちゃってたねw』

「おンw」

と お互い笑いあったりして、とてつもなく 普段の生活とは

かけ離れた、まどろむ様な時間と 春の陽気のやんわりな空気を

煙草の煙と一緒に 味わった。


 この後 どうしようか?っと 相談したけど、何も考えて無いとの事で

じゃぁ~ 夜に、空中庭園へ行きたいのっと 提案して、決定。

暮れるまで時間があるし、きっと 寒いだろうから

上着を取りに行きたいからと、ホテルへ行く事にした。


 駅へ向かう途中、長い階段の所で。

3歳位の子供を連れて 1歳未満位の子を抱いて、ベビーカーを持って 

降りているママがいました。3歳位の子が 先に降りて行ってしまって

「ちょっと待って!行かんでよ~ぉ」 っと 叫んでるシーンに出くわした。

 私が あぁっと思い、手を出そうとしたよりも 早く、G が 

「持ちますわ」

っと ベビーカーを持ってあげてた。私も 荷物を受け取って

ママに 下の子追いかけてあげてと。私達が 階段を降り切った時

丁度 ママも、子供を確保して こちらに来られた。

「もっと行きますよ?」と G が 声を掛けたけど、そこまでで良いです 

と仰られるので、どちらも お返しするという展開があった。


 『子供好きなの?』

「甥っ子とかいるからな」

『そうなんや』

「俺は好きなんやけど、あやすと泣かれるんや。」

「スーパーのレジで 並んでる時とか、赤ちゃん抱いてるの見ると あやすんやけど、泣かれるンやなぁ」

『子供は わかるからねぇ、子供好きな人かどうか』

「好きなんやけどなぁ 何がアカンのやろ」

『www』


 

 ホテルへ寄って 上着を取り、空中庭園へ。

じんわり 薄暗くなって来る頃でした。ここへは 2度目です。

1度目は 夏に、M君と来ました。その時は 日中だったから、夜景だと

どんなにか素敵だろうっと思って、来たかったんです。

 展望台に出てみたら 良い感じに、夜の帳が降りてて ビルとかの明かりが

チカチカして、遮る物が 何もなくて、見渡す限り一面 電飾の世界。

『すごぉ~~~い!』『飛行機飛んでるぅ~』とか

夜景が大好きな 私は、興奮の坩堝!!感激ぃ~~☆

 ただ 寒い!! 風が吹きさらしで 強い。まだ 3月終わりでは冷たい。

何とか 1周廻り切ったけど、もう 身体が震えて 限界。もっと 体感

していたかったけど、仕方なく 降りる。


 1階下のガラス張りの 展望室へ。温かい飲み物を 買って

ベンチに座って ボーーー。 体温が戻ったら 戻ったで

更に ぼんやりしてきてしまって、寝そうな位の意識。ぼぉ~~

 かなりの時間 2人共、特に 何を話すでも無く

ただただ ボーとしていました。




 どれだけか そんな感じで居て。

sちゃんから ここの下の、お好み焼き屋さんが おいしいと

聞いていたので、そこへ。

 カウンターの席へ 案内してもらえた。恐らく sちゃんが言ってた

名物の大将が 目の前に居て。メニューを決め兼ねている 私達に

あれこれ声を掛けてくれて、お勧めを作って下さった。

その ヘラ捌きに 見とれたりして。

食べてる間も あぁだこぉだ、作り方まで 説明して下さった。

私の結婚指輪を見て 大将が

「あんたも そんなの着けてたら、いずれ子供できるやろ!ほしたら 子供に

作ってあげぇや」って

私をいくつだと思ったんだか、多分 G が若く見えるから

そんなに違わない感じに 思ったんだろうと思う。

 食べ終わって 店を出てからも、大将が 声を掛けてきてた感じだったけど

きっと ちゃんと、作ってあげてや って言ってたんだと思う。


 ホテルの方まで 歩いて行き、すぐ傍の コンビニに寄りました。

各々 違う方向に向かい 店内を物色して、私は 済んだなっと思って

G を探すと、日用品などのコーナーに居た。

「コレ買っとかなアカン?」と

差し出してきたのは、コンドーム。

『あのホテルねぇ~ けど、場所が場所やから その設定もありそうなんやけど?あるか どうかまで、さっき見んかったからねぇ… 一応ぉは。』

っと、買い物カゴへ。その後は カゴを持ってくれて、お会計して

ホテルへ向かいました。



 ホテルに入ってから G は、今まで作った作品を 色々と

見せてくれました。どれを見ても 作業の丁寧さが 良くわかる品です。

『すごいねぇ』と 1つ一つ、手に取って 見ていきます。


 ただ… すこぉ~し気になる事が。

課題用に作っている品なのでしょう。確か チラッっと、ワックスの方の 

見本も見た事があって、その品と 少しも 違わず作られているのだろうと

それは 素晴らしいと思うのですが、そこに 表情が無いんです。

 こういうのは 変かもしれないですけど、恐らく 喜んで作っている感じが

伝わってこないんです。指示されたから その通りに作った。そうにしか

感じ取れない。


 技術を習得する為だから 言われた通りにする・出来るという事は

とても重要です。

 まだ 私は、ホンのちょっとしか 習っていないので、わからないけど

それでも 課題クリアー時には、その技術を盛り込んだ オリジナル品を

作るというのがある事を知っています。

 

 この品が オリジナルなんだろうな と思う品でも、要点はおさえて

ある事がわかっても、それを生かしたデザインというのかな?決して

みっともなくは無いけど、良く考え練られた形とは感じられない。

無表情なんです。


 なので 『この品の時には、どういう事が ポイントだったの?』

とか 『この品の どういう所が、難しかったの?』とか 全然 

知らない事だし バシバシ質問していって、苦労具合を 尋ねてみたけど。

 ひょうひょうと答えるだけで、特に苦労してない風な 受け答えでした。

何か 私てきには、優等生な答えは 要らないのになっと思ったりしました。

 元々 ワックスは やって来られたから、それ程 重要には捉えておらず

通過点の 一つに過ぎないのかな?と、そう理解する事にしました。


 

 同世代の方々と 比べて、どちらかと言うと 無責任そうな感じ。

若く見えるのが そうさせているんだろうけど、人と関わりたくない様な

雰囲気を醸し出してて。声を出すアクションまで の間に、めんどくさい

感じを 相手に与える感じ。私への 若者がとる態度と、あんまり変わりない。

そうやって 相手の事を探るんだろうね。好き嫌いが はっきりしてそう。


 そういう感じなんだけど、その実は 堅実な人なんだろうなと

作品を見て思った。きっちりしていたいと 作品が言っている。

それと きっちりに繋がるけど、完璧主義者なのも感じた。

個性の部分を 出さない。さらけ出して 人から 無様な評価をもらう位なら

無難なラインで抑えておこうとしてる。そういう色々な事が 感じ取れた。


 好きな事だし、今 私が、最も 知りたい事ばかりの情報をもっている人

なので、本当に 話が尽きる事無くて、時間を忘れて 話していました。



 私は 家から出てきただけだけど、G は 授業を受けて、公園行ったりとか

付き合ってくれている訳だから、きっと疲れているに違いないと ハッと

気付いた。もう結構な時間になってる。眠たそうな 気配は無いしなぁ~っと

思ったけど、気遣わせているのかもしれないし。何より 私の方が、やや眠い…

 思い切って『シャワー浴びるけど?先 浴びる?』と 尋ねてみる。

「いや 後でいい」と言うので、私の後だと かなり遅くなる事と伝えたけど

やはり 後で と言うから、じゃぁ と先に、シャワーを。


 と、思ったけど… 一応 いつもの儀式をやっとこ。

っと思って。『お願いがあるんだけど』「ぅん?」

 ベッドへ上がって モデル君の時同様、女の子座りをして。今回は 壁が

遠かったので、あちらが ベッドサイドに、足を下ろして座って 丁度いい辺りで

股の間の布団を ペンペンして『ここに 背中向けて座ってほしいの』と言うと

 何のためらいも無く 「ぉン」と 小さく返事したかな?位で、ドンと座った。

その後も 身じろぎする事無く、そのまま。『背中借りてイイ?』「おん」

と、背中を抱かせてもらった。


 その感じは モデル君の時とは、全然違って すごく落ち着いてる。

耳を 澄ませて聞こえる 心音も、早まってる風ではない。

至って 平常な感じ。たじろぐ様子も無い。

 かえって そうしている事で、私の方が 安らいでくるというか

わかんないけど、安定感がある。『あ~ この落ち着きっぷり すごいなぁ』と

大人だなと思った。


 『ありがと』っと言って 離れる。

離れてからも、その行動が どういう事なのか、尋ねる事なく。

ただフツーに また、ソファの方へ戻っていった。

 恐ろしく 余裕だぁ~


 『そいじゃぁ』と シャワーを浴びに。


 シャワーを済ませてから 出てくると、TVを見て しっかり起きてた。

私が 『お手入れに時間がかかるから…』と言うと

「これ見てから 入るゎ」と TVが楽しい様だ。

 その様子を 伺い見ながら、お手入れをする。

TV番組が 終わって…

「お風呂はってもイイ?」と 尋ねてくるので、『どうぞ』と

湯船に お湯を張りに行っていた。

 実家の近くに家があって、そこに1人で住んでいるらしい。その家の

水道を止めているので、お風呂は 実家へ入りに行くとの事で。ゆっくり

入っていられないから、湯船に浸かりたいんだって。


 もう大分 お手入れも済んでしまっていて、それからの お風呂。

お手入れが済むと やる事無いし、少し冷えてきてしまったので

ベッドに入って待つ事にしました。ホンのちょっと ウトっとしたんだと

思います。

 気付いたら こちらの方へ向かってくる 足音の段階でした。この後

起きて、ベッドから出るのは しらじらしいし、えぃ!このまま!っと。

 どうするのかな?と思ったけど、そのまま ベッドに入ってこられました。

私は 一応 目が開いてますよの アピールはしてはおいたんけど… 

G は 私と 少し間を置いて、隣に仰向けで 休まれました。


 全く 余裕な感じです。

私は G の方を向いて、横向きで寝ていました。しばら~く 時間が経ち。

息が 寝息には変わっていってない事は わかります。

 本気で 何もしてこなさそうな気配です。

『だよね… 彼女いるもんね』

だけど 「ナニかあっても 許すよ~」と言ってる様な 感じはある。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る