永遠
僕と友人の共通の趣味は創作で、その日の下校中も何となく創作談義に花を咲かせていた。話は次第にヒートアップし始め、彼は熱っぽく持論を展開する。
「いいか、途中で話が止まっている作品な、あれをエタるなんて言って自己嫌悪に陥る奴もいるけどな、それは違うぞ。途中で止まってしまった作品は未完の作品と言うんだ。未完の大作って言葉もあるだろ? 終わらないのは別に悪い事じゃないんだよ。物語の行く末を読者に委ねているんだよ。その続きの展開は読者が自由に想像していいんだ。読者に開放されたんだよ。な、そう考えるとエタるのもそんなにに罪悪感を抱かないだろ? って言うか、逆に最高だろ?」
と、一度も作品を完結させた事のない友人が一気にまくし立てる。この勢いに圧倒された僕は何も言葉を返せなかった。
この調子だと彼は今後も物語を完成させられないのだろう。
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