第223話「爺ちゃんとクレーン車」

小学時代、僕のいる街には、新しい高層ビルが建っていた。小学校の窓からは、その高層ビルが良く見えた。保育園から小学校低学年まで、僕と爺ちゃんは良く散歩に出かけていた。その高層ビルが見える度に、同じ話しを良くした。爺ちゃんと良くした話しとは……


『あのビルを作る為のクレーン車はいったい最後はどうなるのか?』


だった!


「ミズキ君。あの一番上にあるクレーンは、いつなくなったのかな?誰が降ろしたんだろうね?」


 と、爺ちゃんは良く言っていた。その後、小学校に入ってからも僕はその事を覚えていて、高層ビル見学の際に聞いてみたのだった!


「あの~、質問があるのですが?」


 係りのお姉さんは、快く答えてくれた。この手の質問は、多いらしく、すぐに答えてくれたのだった。その答えは……なんと、クレーン車はクレーンで降ろすのだそうだ!そのクレーンは、さらに小さいクレーンで降ろし……一番最後のクレーン車は、分解して、エレベーターで降ろすのだそうだ!それを聞いたら、なんか、おかしかった!早速、家に帰って爺ちゃんに教えてあげたら……


「えっ、エレベーターで降ろすのかい!?そんな小さなクレーンがあるんだ!!」


と、驚いていたのを覚えている。


おしまい

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