第224話「婆ちゃんと洗濯機」
保育園時代、僕は4歳の時から爺ちゃん婆ちゃんの家に、親父と移り住んだ。その頃の、婆ちゃんの使っている洗濯機には……
ハンドルがついてた!
僕は、このハンドル付き洗濯機が、不思議でならなかった。ハンドルの根元には、2本のローラーが付いていた。ハンドルを回すと、ローラーが回転し、間に挟んだ洗濯物の水分を搾り出せるのだ。洗濯が終わると、婆ちゃんは洗濯物をローラーに通していた。こうして、水分を取った洗濯物を2階へ運び、ベランダに干していたのだった。小学校に上がる前に、その洗濯機は無くなり、新しく……
二槽式!洗濯機が登場した。
この洗濯機は、洗ってる横に、脱水槽がありそこで脱水をした。洗いながら、脱水も出来た!そうそう、脱水槽には分厚いプラスチックの中ブタがあり、それで洗濯物が外に飛び出ないようにしていた。そうそう、婆ちゃんからは……
「ミズキ。絶対、手を入れるな!」
と、言われていた。脱水機に子どもが手を入れて怪我をする事故がよくあったからだ。僕は、洗濯機が回ると上から、見ているのが好きだった。沢山の泡が、グルグルと右に回ったり、左に回ったりが、楽しかった。あの泡は、なぜ消えないかが不思議だった。
そんな二槽式洗濯機も、僕が中学に上がる頃には、今でもお馴染みの、一槽式全自動洗濯機に変わった!婆ちゃんは良く……
「どんどん世の中、便利になる」
と、言っていた。
婆ちゃんの時代のほとんどが、実は洗濯板を使った、手洗いだったからだ。たまに婆ちゃんが洗濯板で洗う時がある。僕の靴下を洗う時だ。プラスチック製の小さな洗濯板。手になじんだ洗い方だからか……
「やっぱりこれが一番!」
と、言っていたのを記憶している。
おしまい
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