第214話「竹馬」

僕の小学時代の話だ。

僕は1年から3年まで、放課後になると小学校の敷地の中にある、「学童保育所」に通っていた。その学童には、何本かだが「鉄」の竹馬があった。それは、当時流行った、「カラー竹馬」というものだった。


竹馬自体は、保育園時代にもあって、年長さんの最後の一ヶ月ぐらいになるとやらせてもらえた。学童で、竹馬を発見したときは、嬉しかった!とりあえず、乗れるように練習した。

(そうそう当時は、ノグが自分の竹馬を持っていたなあ)


最初は、足を置くところが、5センチぐらいの高さになった竹馬で練習をした。体重を支える支点が、「かかと」ではなく「つま先」にあるので、最初はとにかく転んでばかりいた。


「ミズキ!鉄棒を支えにするとやりやすいぞ」


と、1年の時は一緒だったコウが僕にコツを教えてくれた。コウの言うとおりに、鉄棒に竹馬を立てかけて乗ると、乗りやすかった。段々と慣れると、足の位置を一気に高くする事が出来た。そうなると、30センチぐらいの普通の高さが簡単に乗れるとようになったのだ。


5年生の時。3組の男の先生が中心になって、本当の「竹」の竹馬をつくってくれた。先生たちも頑張って、一クラス分(45人分)作ってくれたが……


「あれ!もうないよ~」


と、言った感じで、昼休みなどは、竹馬の取り合いになっていた!3クラスの子どもがみんな集まってしまったからだ。


授業でも使われた。僕は学童で、ずっと乗りこなしていたから、簡単に乗る事が出来た。そうそう竹馬では、歩くのはもちろん、走るのも、ケンケンするのも出来た!そうだった……


「ミズキ!勝負だ」


と、ケンケンの時に、もう一本を槍にして戦うのもやった。お互いに先を向け合って、相手を突くのだ!!それは中世ヨーロッパのランス競技!?みたいな感じだった。


授業では、習う事はもはやなかったから、だから僕は竹馬の練習ではなく、その時間は友達に教えるほうになり、とても気分が良かったのを覚えている。


おしまい

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