第213話「展覧会」

2年に一度、展覧会があった。学芸会とは交互で、2年、4年、6年の時に展覧会をした。確か展覧会は、正式には「作品展覧会」と言ったと記憶している。


そうそうクラスで、何か製作をしたと思うのだが……さてさて、記憶がなかった!?う~ん、なんか作った気がするんだけど~。


と、思い出していたら、4年か6年の時に銅板製作で、友達の顔を作ったのを思い出した。友達のオガッチにモデルになってもらい、お互いに作ったのだった。


あっ!思い出した。オガッチの作った銅板の僕は、メガネをしていたから、6年生の時だ。


作り方はこうだった。前もって画用紙に書いた絵を、カーボン紙で銅板に写したのだった。それから、砂袋の上に置き、ハンマーで叩いて盛り上げたのだった。(細かい所は、タガネという物を使った)

これがまあ、面倒くさかった!


叩きすぎると、穴があいた。カミの作ったヨネの顔なんかは、穴だらけになっていた。カミが力まかせに叩くからだ!あまりに穴が開いてしまったから……


「カミ君は叩きすぎなんだよ~」


と、美術の先生は言いながら、バーナーで溶かしてふさいだもらっていた。


展覧会では、そのボコボコの銅板も含めて、みんなの顔が一堂に並んだのだった。

そういえば、僕の顔はオガッチに作ってもらったのかなあ!?そこは、さっぱり記憶がないのだった。


おしまい

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