第152話「ビールジョッキ」

 2年生の時だったか?なんだか、ワクワクしちゃう、容器を戸棚から見つけたのだ!それは……


ビールジョッキだ!!


 僕は早速、ジュースを注いで飲んでみた。


ゴクゴクゴク


「ぷは~!!」


 気分はもう「ビール」だった。当時の我が家には、なぜかビールジョッキが沢山あった!確か8個か10個かはあったと思う。戸棚の中から、次から次へと出てきてビックリした。僕は、「独りカンパイ」をして楽しんだ。(そうそう親父は、どこからこんなに沢山のジョッキをもらって来たのか?残念ながら、僕の記憶に無い。そのうち親父に聞いてみよう。覚えているかなあ!?)


 夜、親父が帰って来た。親父はジョッキを見て言った。


「おっ、これは俺がもらって来たジョッキじゃないか!!」


 と、言っていた。 親父は早速、ジョッキに本当のビールを注ぎ……


ゴクゴクゴク


「ぷは~!!」


 と、美味しそうにやっていた。それを見て僕は……


『早く大人になりた~い!!』


 と、心の中で叫んでいた。

 後日、僕はまた戸棚の中をごそごそと探っていると……今度は、ワイングラスを発見した! 僕は、ワイングラスにジュースを注いだ。なんだかとっても、優雅な気持ちがした!

 夜、親父が帰って来て、ワイングラスを見た。


「おっ!みす~き君。そりは、ワインクラスれは、ないれすか~!?」


 帰ってきた親父は、すでにベロンベロン!!それを見て僕は……


『ああ、大人になんかなりたくね~!!』


 と、思ったのだった。

 

おしまい


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