第140話「虫を食べる!!」

僕の小学時代の話だ。


◇◇◇


その昔、爺ちゃんが僕に話してくれた事がある。


「尋常小学校の頃、友達にセミを食べた奴がいたよ。だから爺ちゃんも食べてみたんだが……土から出て来て、羽化したての真っ白い時に食べると……ほんのり甘くて、旨かったよ!」


それを聞いて僕はビックリしたのだった。そうそうその後、なんと同じ事を言う奴がいた!友達のコウだった!!


「ミズキ。セミって食べれるんだぜ!」


と、コウは言った。小学校4年の時だ。


「まだ、白いウチに食べるんだよ!甘くて旨いぜ!!田舎で喰って来た。ただ、朝早くじゃないと食べられないんだよなあ~!」


と、コウは言っていたのだった。

僕は、セミは食べた事ないがバッタはある。イナゴだ!婆ちゃんは、良くイナゴの佃煮を作ってくれた。僕は、これが大好きだった!!


しかし一度、困った事があった。夏休みに、いとこの家に行った時、近くの空き地でイナゴを山程、捕まえた。日帰りだったから、帰ったら明日、東京の友達にイナゴを分けてあげようと思っていたのだった。大きな虫かごに、沢山のイナゴを入れておいた!もちろん、共食いしないよう、キュウリを沢山入れておいた。次の日の朝……


「あれっ?イナゴが減っている!婆ちゃん、イナゴが減ってるよ!!」


カゴを見ると、2、3匹しかいなかった。その事を婆ちゃんに言うと……


「ミズキ、こっちにあるよ!」


と、言った。僕が台所に行くと……


「はい!佃煮。作っておいたよ」


と、婆ちゃんに言われてしまったのだった!イナゴの大半が、佃煮にされて皿の上に乗っていた!


「ミズキが寝てから、元気のいいうちに、佃煮にしといたよ!!大好きだろ~」


と、婆ちゃんはニコニコで僕に言ったのだった。


おしまい


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