第110話「癇癪玉(かんしゃくだま)」

僕の小学時代の話だ。

駄菓子屋の外で……


パーン!


と、音がした。

出て行ってみると、カミが地面にむかって、何かを投げ付けていた!


パン!パーン!


と、音が響き、辺りには火薬の燃えた臭いがたちこめていた。



「それ何?」


「これ、癇癪玉って言うんだよ!」


と、カミが教えてくれた。

早速、僕も買った。ビニル袋に5コ入って20円だった。癇癪玉は、火薬を紙に染込ませて丸めた物だったと思う。癇癪玉は強い衝撃で爆発した。

そして、癇癪玉と、花火の煙玉(けむりだま)を持った日には……気分は、忍者だった!


警ドロ(悪漢探偵)でも、相手の目くらましに使った! でも、あまりにみんながアチコチでしたため、一時期、発売禁止になってしまった。 道路にまで煙が広がり、アチコチで音がパンパンなってうるさいから、近所から通報されてしまった。その後、危険だし物騒だ!という事で、警察からお達しが出てしまい、周辺の駄菓子屋での販売が禁止されてしまった。


しかし、そうなると手にいれたいのが子どもだ!遠くの駄菓子屋まで買いに行った。でも、その労力の割りには、流行も早くも過ぎさり、もうみんなは次の遊びに夢中になっていたのだった。

小学2年の時の話だ。


おしまい

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