第93話「耳に虫!」

僕の小学時代の話しだ。

小学校2年の時だったか?夜の事だった。目の前に、プ~ンと小さな虫が飛んでいるのに気付いた。よく見るとコバエだった。暖かくなって蝿が出始めたのだ。

僕は紙工作の最中だった。でも時々、顔の近くにくるコバエにイライラしていた。いくら手で払ってもやってくるのだ!そのうち……


「うわっ!」


なんと、僕の耳の穴にコバエが入ってしまったのだ!!

僕は大慌てで近くにいた親父に助けを求めた。親父は……


「今、懐中電灯もってくるから」


と、言って、どこかへ行ってしまった。


『おーい!懐中電灯って。なんの関係があるんだよ~』


と、僕は心の中で叫んだ!!

僕はとにかく、耳の中でガサゴソしているのが気持ち悪くてたまらなかった。


『いったいどうなるんだ!?蝿は、僕の鼓膜に穴とか開けない!?』


と、僕が心配していると、親父は帰って来た。

手には懐中電灯を持っていた。そして親父は、電気の照明を消したのだった。


「ミスキ、ジッとしてろ!」


親父はコバエの入った僕の耳の穴を、懐中電灯で照らした。しばらくすると……


「あっ!蝿が出てったぞ」


と、親父は言って、照明を点けたのだった。


「お父さんありがとう!凄いね~なんで懐中電灯で蝿がでたの?」


と、僕が聞くと……


「明かりに反応するのさ」


と、親父は言った。

僕はホッとして工作を続けた。しかし……コバエは変わらず周りを飛んでいた。

そのうち、今度は僕が息を吸うときに、鼻からコバエが入ってしまった!


「お父さん鼻にも入った!見て~」


と、僕が言うと……


「やだよ、自分で鼻かめよ!」


と、親父は言ったのだった。

まあ、確かに鼻かめば済む話しだ。僕が鼻をかむと、コバエが出て来た。その後はコバエに悩まずに工作を続けられたのだった。


おしまい

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