第91話「夏の夜の楽しみ」

僕の小学時代の話だ。


◇◇◇


「ミズキ出したよ!今日からこれかけて寝な」


と、婆ちゃんがタオルケットを押入れから出して来た。

夏になったらの楽しみのひとつが、タオルケットだった。タオル地のあの感触がなんとも言えなかった。

僕は、スヌーピーに出てくる、ライナスがいつも持っている毛布じゃないけど、しょっちゅうタオルケットにくるまっていた。タオルケットにくるまっていると、落ち着いた気持ちになるのだ。

あと、パジャマもそうだった。


「ミズキ暑いから、今日からこれ着て寝な」


と、婆ちゃんがタンスから出してきた。

半袖のパジャマで、汗を吸いやすいようにと、わずかにワッフルみたいな織られ方になっていたのだった。

その感触のいいこと!!


そして……


「ミズキ、シーツ替えたから!」


いつもは綿のフワフワしたシーツなのだが、夏になるとホテルとかで使うピシッとシーツになった。手の平でなでると、とっても気持ちよかったシーツ。その感触も僕は大好きだったのだ!

夏の夜は、大好きなタオルケットとパジャマ、そしてシーツに包まれて、眠りにつくのであった。


おしまい

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