第90話「冷凍ミカン」

僕の小学時代の話しだ。

給食のデザートに冷凍ミカンが出て来た。 ミカンの好きな僕には、冷たくて美味しくてたまらなかった。 冷凍ミカンの表面には氷がついていて、ギュッとミカンを握るとパリパリと鳴った。


「うおっ!冷てー」


誰かの声があがった。

誰かがイタズラに、誰かの首に冷凍ミカンをくっつけたのだ。

冷凍ミカンの皮をむく。いつもの皮とは違い、ボソボソとむきにくい。房をはがすと……


ペリペリ


と、音がした。

口に入れた冷凍ミカンは、キーンと冷たく舌がしびれた。凍った房を噛んでいくと、口の中で……


シャリシャリ


と、鳴った。

当時は季節ごとに食べ物があった。ミカンの季節は12月から3月ぐらいだったか?でも冷凍ミカンを食べたのは、気温が高かった気がする。初夏の日差しの中冷凍ミカンを食べた気が。そのままでは腐ってしまうので、冷凍にして保存していたのかな?


おしまい


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