第81話「枝豆」

僕の小学時代の話しだ。


◇◇◇


「ミズキ、手伝っておくれよ!」


夏になり、暑くなった時期によく手伝ったのが枝豆取りだった。


「傷んだ房はそのまんまでいいから、綺麗な房を枝から取るんだよ」


と、言われ僕はドンドン取って、ザルに入れていった。

プチプチと枝豆を取っていくと、だいたい3つか4つなのだが、豆が1つの房から、最高で5つ取れるのがあった!


まあ5つぐらいになると、豆もちびっこい奴になってしまうのだが。

平均すると、豆3この房が一番多かったかと記憶している。


「婆ちゃん、終わったよ!」


「そうかい、ありがとミズキ!」


枝豆を取り終わり、ザルを婆ちゃんに手渡すと、僕のお手伝いは終わりだった。

枝豆取りは、保育園の頃からやっていて、夏の時期の定番のお手伝いだった。

さてさて茹でた枝豆だが、実のところ僕は枝豆をそんなには食べなかった。つまり好きではなかったのだった。

じゃあ、誰が食べるかというと……


「いや~夏はやっぱり、ビールと枝豆だなあ!!」


と、野球のナイトゲームを見ている親父が、ビールを片手にバクバクと食べていたのだった。

僕はその姿をみて……


『美味しいでしょ?僕が取った枝豆なんだぞ~!』


と、言って誇らしげな気分になったのだった。


おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る