第80話「蚊」
僕の小学時代の話だ。
◇◇◇
暑くなると、出てくるアイツ!!ブーンと羽音をたてて、チクンッと血を吸う、それは……
蚊!!
いつの間にかに、刺されていて、プチっと盛り上がり、痒くなっていく。ポリポリとかいていたら、友達がなにやら、やっていた。刺された所に、爪をあててバッテンにしていたのだ!
「こうすると、痒くなくなるんだよ」
と、友達は教えてくれた。
本当かよ!と思いつつ、試してみたが……うーん、いまいち良く分からない。蚊に刺された瞬間、力を入れると、筋肉がしまり、蚊の針が抜けずに、蚊がもがく姿が見れた!そうそう当時、蚊よけには、とにかく蚊取り線香はかかせなかった!
ある日、いとこの家に遊びに行った時の事、蚊除けスプレーをしてもらった。これが便利で、草むらに入っていくと、蚊だらけなのに、本当に刺されなくて、びっくりしたのを覚えている。
そうそう昔は、蚊に刺されてしまったら、とにかくおとなしく血を吸わせて、吸い終わるのをまつのが、一番痒くない方法だった。蚊に刺されて痒いのは、蚊の唾液には血がかたまらない成分が含まれているからだ。最後まで、吸わせておけば、一緒に成分も吸い戻るので、そんなに痒くないのだ。知らない間に、蚊に刺されていて、痒い時と痒くない時があるのは、そのためなのだ。
そういえば、音楽の先生が……
「これが蚊の音よ!」
と、言ってピアノを弾いてくれた。たった1音、鍵盤一つを弾いた!その音は、ラの音だった。
ギターとかやる人は馴染み深い、あの440HzのAの音!実はあのラの音と、蚊のブーンの音が一緒なのだ!
ギターの音合わせの時に、U字の形の音叉(おんさ)をひっぱたき、Aの音を出す度に、蚊の羽音を思い出すのだった。
おしまい
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