第31話「ルーレット」
3,4年の頃、ネギの家に行くと遊んたのが、オモチャのルーレットだった。確か「モンテカルロ」と言う名前だった気がするが定かではない。ネギがディーラーをして僕は客となり賭けた。
「テイクダウン、この後は禁止します!」
と、ディーラーのネギが言った。一応、こういうセリフを言うのもルールであり説明書に書かれていた。なによりも雰囲気が盛りあがった!
掛け率には、2倍賭け3倍賭けなど、いろんな賭け方があり最高は一点賭けの36倍だった。
ルーレットをディーラーのネギが回す。しばらくしてネギが玉を投げ入れた。玉は、シャーという音と共に、外枠のヘリにそって転がった。玉の回転がゆっくりになるとしだいに……
カランカラン
と、鳴りながら、ルーレットの数字の枠にぶつかり跳ねだした。そしてひとつの枠の中に玉は入った。
「赤の36!ミズキ、残念!没収~」
と、ネギは言うと火かき棒のようなもので、賭けたコインを持っていってしまった。
「では、賭けて下さい」
と、ネギが言い。僕はまた賭けた。
ルーレットには、0と00という数字もあった。めったに賭ける数字ではないので、つい忘れていて、その忘れた頃に玉が入った。
「うわっ、やられた~!」
と、僕が悔しがると、ネギは大喜びした。4、5人でする事もあったが、こうして二人でするのも楽しかった。じっくり時間をかけて楽しんだのだ。2時間かけてコインをためて、とうとうネギを破産させた時は、痛快な気持ちになったものだ。
おしまい
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