第9話「校帽の使い方」

僕の小学時代の話しだ。

小学校の時に校帽があった。校帽は、しっかりとした作りのヤツではなく、体操帽のツバが周りについたハット型だった。(まあでも生地はそれなりに良いのを使っていたかな)


校帽は当時、子どもだった僕らにとって普通にかぶる以外にも楽しい使い道があった。

例えば輪投げ。どこまで飛ぶか?どこまで高く飛ぶか?ある日、机に立てかけたホウキの柄に校帽を投げて引っかける事を思いついた。


「あ~はずれた~!」


「おっ!はいった。2回連続~!」


などと言っては、みんなで盛り上がった。やっていると色々とルールのアイデアが出来るものだ。ホウキは机に立てかけてあるだけだから……


「あ~ホウキに引っかかったけど、倒れたからアウトね!」


とか。


「ぶつけてホウキを倒したから、罰ゲームね!」


などルール作りでも盛り上がった。

距離でも競っていて、机なんこ分で何点!とか決めた。この時点で、ホウキ倒し2点引き、引っかかったけど倒したら1点引き!とルールが決まった。僕らは早速、黒板に自分らの名前を書き、習ったばかりの算数を駆使して、誰か一番だ、勝っている!と、また盛り上がったのだった。これは1年生の時の話だ。


この他にもいっぱい用途があった。

雪をつかむ時の手袋がわり。

手打ち野球のボールとミット。(ボールにする時に、いかに丸く丸めるかがポイントだった。あとワザと開くようにして、バッターの手前で開き……「消える魔球!」なんていうのもやった)


花を摘んだ時のバスケット。

校帽の裏に名前が書いてあるので、誰のか当てる神経衰弱ゲーム。

校帽のゴムをチューチューして、塩分補給。

フリスビー。


校帽のゴムに消しゴムを結びつけて、落下傘(パラシュート)

2つ使ってパンチングミット。

表地と裏地の隙間があるので、膨らましてUFO(縦だがこんな感じФ)

女の子は鉄棒の時に片足をかけて回る時に膝裏に挟んで使っていたなあ。


ドングリ拾った時の入れ物。

オオカマキリを捕まえた時の虫かご。

裏返しでかぶって、水兵さん。

なかにはこんな強者もいた……


「水汲んできたよ~!」


と、砂場への水汲みに使う奴もいたのだった。

いやしかし、子どもを持つ身になると、勘弁してくれよ~な使い方ばかり。あんな事、こんな事に使われるんだろうなあと考えると、改めて保護者の大変さが身にしみる。


こりゃ洗濯が大変だ!!


おしまい


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