第3話「上履き」
僕の職場では上履きを使っている。僕の上履きはグリーンのバスケットシューズっぽいもので、それを買った時は小学時代に使った上履きに似ていると思ったのだった。だから時たま、上履きを見るたびにふと、小学時代の事を思い出すのだった。
◇◇◇
小学時代、上履きのソールの色は男女で別れていて、男が青で、女が赤だった。これについては僕は不満があった。僕は赤が好きだったので、なぜ赤い上履きを履けないのかが分からなかった!
「赤は女の子の色なんだよ」
と、婆ちゃんに言われたが、納得いかなかった。当時は、女の子は赤がピンク!男は青か黒!という分け方があったのだ。そうそうランドセルもそうだったなあ。大人の作った勝手なイメージだと今にして思う。
上履きは滑りにくいようになっていたはずだったが、なぜかよく、靴の裏を滑らしていた記憶がある。履きこんでツルツルになってたのかな? 廊下をスケートのように、上履きの底を滑らせ走るのだが、かなりのスピードが出せ、普通に走っている奴を追い抜けるほどだった!そうそう、先生に廊下を走るな!と怒られて……
「走っていません、滑っています!」
と、本気で答え、さらに怒られたのを覚えている。
そうそう階段を使ってのワザがあった!階段の、段の山(カド)を使い、滑りおりるのだ。階段に、後ろ向きで立ち、上履きの裏で、階段の山と山のの上を、スライディングの要領で、階段の傾きに合わせて、滑って行くのだ。でもこれは足の裏が大きくないと出来ない技でもあった。
これは、インラインスケートにもある技で、後ろむきにしゃがんだまま、タカタカターと上履きを鳴らして滑り降りるのだ。
ワクワクしてしまう技だが、足の小さい僕には出来ないのが残念だった。
余談。 中学に入ると学年ごと、入学した年度ごとに上履きの色が決ったのだった。つまりは、3年間同じ色なのだ!上履きの色は、赤、青に加えて、緑!!(この緑がダサかった!) そして、僕の入学年度は……
赤!やったあ!大好きな色だ~!!
と、とにかく嬉しかったのを覚えている。
おしまい
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