家族番号108:トワ

○外見

・身長一メートル六一センチ。スリーサイズは105・62・93。

・両乳房の間に『一〇八』と縦書きで刻まれたタトゥー。『○』は二重丸に縦線、及び外側の放射状の短い直線で構成された、いわゆる女性器マークブーバシンボルで表現されている。

・前がボタンで留められた、ピンク色のナース服を着用。ただし旧世界の病院で実際に着られていたようなものではなく、旧世界コスプレAV等に出てくるような劣情を煽るデザインである。胸の谷間は常に出しており、スカートの丈もほぼ常に見えているレベル。

・太腿が肉感的で、そこに黒いガーターストッキングを着けている。

・金髪ロングヘアー。ただし手入れが行き届いておらず、ボサボサである。

・舌や性器等の粘膜部分が紫色に変色している。常にニタニタした表情で、吐息は甘く強い酒のにおいがする。

・時折、赤いサテン生地のロンググローブを着用する。何かしら彼女の中でルールがあるのかもしれないが、詳細は不明。少なくとも、触手状器官を持つ娘とセックスする際にはしばしば用いているようだ。具体的には触手を手コキする際に。

・陰毛は植えてもらっている。なおこちらは黒い。


○武器

・死者であることを考慮しても、脚力が異様に強い。両腿で挟み力をグッと入れれば、人間の頭程度なら容易に爆散させられる。

・薬物使いでもある。指先、舌先、乳頭等、およそ想像できる場所ならどこからでも注射針を飛び出させることができる。液体を溜め込んでおく器官も、体内のあちこちにあると考えるべきであろう。

・ただし発狂した現在、トワはこれらの武器を本人も意図せず突然行使してしまう可能性がある。先生は、あらゆる毒をトワから遠ざけるよう強く警告している。

・死者ですらその大半が持たない毒耐性を持っている。


○性的嗜好

・タチ寄りのリバ。発狂する前からずっと、人をいい気持ちにさせるのが大好き。セックスはものすごくねっとりしており、相手をゆっくりと何度も絶頂させる。

・発狂した影響か、性欲が尋常ではなくなっている。特に酒をガンガン飲み、思考もおぼつかないような状態でするセックスが一番好き。

・性感があまりにも敏感であり、セックス中は普段以上に何を言っているのか分からなくなる。悲鳴に似た声を上げながら白目を剥き、涙やヨダレや鼻水やを流しながら鬼気迫る表情で快感を求め動く。あまりの不細工さやうるささ、不気味さに思わず萎える者多数。

・加えて、突然体から前述の針を出し、相手の血管に酒を直接注入する場合がある。元々が死者なので、急性アルコール中毒で死んだりはしないが、それでも翌日起き上がれないほど悪酔いすることがある。

・このような事情から、現在トワとセックスするのはよほどの物好きのみとなっている。


○性格

・一人称は「私」あるいは「トワ」。二人称は「アナタ」等。甘くて度数の強い酒のようなねっとりとした喋り方をする。何らかの事情で精神を壊し、以来正気と狂気の狭間を行き来する存在となっている。

・完全にコミュニケーションが取れないわけではない。酒が精神安定剤になっているらしく、酒さえ飲ませておけば比較的病状は安定する。が、完全なる正気には二度と戻らないだろう。いつか滅びるその日まで、酒を飲み続けるしかないのだ。

・セックス後しばらくの間も、比較的正気を保っている。だが、多くの者はトワとセックスをしたがらないので、モモが中心となって(最近はミレイも)彼女の介護をしているような形になる。

・正気寄りの彼女は、他者、特に弱者をいたわり、世話を焼きたがる性格である。元々勉強家であったため、旧世界の比較的正確な知識(あくまで『比較的』である。しかも現在は狂気によりその知識が更に若干歪んでいる)も持ち合わせている。

・ただし狂気に近付くにつれ、状況は大きく変わる。訳の分からないことをぶつぶつと呟きながら、時に悲鳴を上げ、時に泣き始め、時に暴れ出す。何やら虚空に向かって謝りだしたりもする。こうなるとコミュニケーションは成立しない。暴れる彼女を押さえつけて早めに酒を飲ませるか、とりあえず愛撫してやることが推奨される。

・彼女がどうやって酒代を稼いでいるのか、実は誰もよく分かっていない。彼女に訊ねてみても『ベロとおっぱいで稼いでいる』『先生がお金をくれる』『異形生物何人かと援交している』『子供達に読み聞かせをしている』等、一定しない上に支離滅裂な返事がくるのみである。発狂前は先生の助手をしていたので、『先生から年金が支給されている説』が一番有力だとされている。

・博打は打たない。というより先生が禁じた。発狂前は旧世界カード賭博を時々やっていたが、今はルールすら危うい。リハビリ代わりに、モモやミレイがノーレートで付き合うことはある。比較的正気の時にやったとしても、通常のゲームの五倍ほど時間がかかる。

・個人霊安室は元々持っていたが、手放した。かと言って共同霊安室も使わず、基本的に廊下で酒瓶と共に寝ている。部屋で寝る時といえば、モモの個人霊安室でセックスした日くらいであろう。

・安い赤ワインを大量に飲む。発狂前から赤ワインが好きであった。


○『ルール』

・彼女の行動は歪んだ理解不能なルールの集まりと言っても差し支えないが、ひとつ有名なのは『気に入ったセフレの愛液を注射針で吸い上げ、保存すること』。


○人間関係

・一般的な娘達

その狂気的言動の数々により、多くの娘達から不気味がられるか、あるいは嫌悪の眼差しを向けられている。先生やママ、モモの手前、表立っていじめるような真似をする者はいないが、多くの者に避けられているのは確かであろう。トワ自身は廊下で会った者にやたら悪絡みしたがる。彼女が先生の助手だった頃を知っている古参は、彼女の変化を憐れんでいる。

・モモ

発狂前から親しかった友人である。今もモモを見ると嬉しそうにする。モモ側も何となくトワの世話を焼いており、今も一緒に酒を飲んだり、遊んだり、あるいはセックスしたりする。お互いの性欲を満たせる数少ない相手。トワを表立ってどうこうする者が少ないのは、モモの微妙な政治的影響力とも言える。

・ヨミ

トワが狂気に近い時、時折ヨミの名を口走るような気もする。別の古参の名を口走ることもある。別に大した意味は無いのかもしれないし、あるのかもしれない。

・キキ

キキはトワの正気の頃を知っているが、よく関わるようになったのは発狂後。正気の頃は言動がいかにもイイ奴っぽいのが気に入らず、狂ってからは普通に不気味と思われている。トワはキキをそれなりに親しい相手だと思っているようだ。

・イヅル

イヅルは発狂したトワに比較的優しかった。家の為に働いた者の尊さを知っていたということだろう。トワも、イヅルの名が出る度に嬉しそうにする。

・イロハ

イロハは彼女について……というより、ほとんどの人間について何とも思っていない。トワが親し気に話しかけてきても、大抵無視する。トワは気にせず話す。

・ミレイ

トワはミレイを自分の妹のように可愛がっているし、彼女の前では比較的精神が安定している。トワの可愛がり方はやや変わっているが、ミレイは徐々に素直に受け入れるようになっているし、共に行動することもままある。トワは、ミレイのよがらせ方にモモと同程度かそれ以上に詳しい。

・ママ

発狂してもママが好きなのは変わっていない。ママも勿論みんなが大好き。ママのトワに対する扱いは、昔も今も変わらない。お酒の飲み過ぎには注意するようよく言っている。

・先生

先生は、トワに対してかなり複雑な心境を抱いているようだ。元々自分の助手だったことや、それが発狂してしまった理由、その後の様子等に関係しているのかもしれない。ただ、大切な娘であることだけはひとつ間違いないらしい。トワは今でも助手に復帰したがっているし、先生を慕っているようである。

・メイド達

メイド達は、無論誰であろうと分け隔てなく接するし、それは昔も今も変わらない。

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