一番の敵は、 妻(夫)(家族)である?

一番の敵は、

妻(夫)(家族)である?

絶望している時、あなたは思春期である。

それに客観的に気づいた時、あなたは大人、になる。


絶望して、社会を切断していたいと思う時、

あるいは、絶望の中にいるからこそ、社会から断絶されている時、

それでも、家庭のある人は、家庭という小さな社会、

家族という一番近い他人と過ごさなければいけません。

むしろ、出社停止や、出社拒否になった時、

もちろん経済的な面もありますが、

一番滞留時間の長くなるのは家庭です。


僕もそうでした。

僕の場合は、妻に加えて思春期になった娘二人がいました。


妻にあらかたの事情を話して理解してもらってはいるものの、

そして、子供たちも、

なんとなく雰囲気で事情を察してくれているものの、

そんな「絶望」の状態でいる時は、はっきり言って、

やさしくしてもらうのも、冷たくあしらわれるのも、つらい。


そしてもっと、つらいのは、自分は「絶望」していて、

これからどうしようかと四苦八苦しているのに、

周りが普通に平気でいつもの暮らしをしているのがつらい、

はっきり言ってむかつく!ですよね?よくわかります。


自分が悩んでいるのに!


僕も「絶望」から脱出するためのリストなんて言うものを、

書いていた時に(それがこの本の元になっているのですが)

妻がなんの了解もなしに、

部屋に掃除機をかけはじめ、

思わず大声で怒鳴ってしまったことがありました。


でも、それって、しょうがないですよね。

だって、家族といえども、それぞれ個人ですから。


「絶望」を感じた時、人は中高年であれ、思春期と同じ状態にあります。

自分だけが悩んでいる、

この悩みなんか、人はわからない、

わかってほしいのに!

ですよね?


でもこの考え方に、実は答えが隠されています。


そうです、自分の「絶望」はあなた自身の問題であり、

たとえ、家族といえども、その本質的な痛みを味わえません。

理解はできたとしても。


思春期の時に感じた大人たちへの思いと、

それを経た後に得た感覚、思い出すことができますか?

・・ほら、恥ずかしいですよね。


絶望している時、あなたは思春期である。


それに客観的に気づいた時、あなたは大人、になる、のです。

大人になって「絶望」を自分のものにした時、

「絶望」との本式な戦いが始まるのです。

その時に周りのやさしさや、日々の暮らしが、

より一層得難いものであることを知るのです。


今までの流れで、おそらくあなたは薄々気づかれているとは思いますので、はっきり言いますが、絶望はかなり個人的な問題で、

それ以上でも以下でもありません。


もちろんこれから、経済的な面などでは、

家族にもその影響があるかもしれませんが、

家族それぞれの日々は、自分の「絶望」とは関係なく、

今までどおりに日々続いている・・

食事の用意をしたり、洗濯をしたり、試験の結果に悩んだり、

友人と仲良く遊んだり、親子・姉妹喧嘩をしたり、

実は、そういった存在が一番得難いものであることに気づいた時、

完全に絶望は終わるのです。


自分の「絶望」とは関係なく、営まれていく家族の日々の暮らしが、

自分を勇気づけてくれる「希望」であることに気づいたときに、

人はまた一段と強くなれるものなのです。

その「日々」の営みが、

しあわせであることの証と見ることによって、

個人的な絶望をもっとクールに見ることができます。


だからこそ、生活は壊れないのです。

変更を余儀なくされることはあります(僕もそうでした)。

でも、その日々の営みが生き続けている限り、生活は壊れないのです。

みんなで話して(つらいですけど、すぐ馴れます)

生活を変更するだけです。


そして、

子供は、子供の人生。

と割り切りましょう。

傷つき、挫折し、気付いて、初めて優しい善き人になる。

それを見守る親になればいい。


時には、「親」が傷つけることもある。

あなたが失敗したことによって、

多少の人生の変更はあるかもしれないけれど、

人生なんて一本につながった線ではないのだから、

変更なんていくらでもある。

それを知って変更なんかに負けない自分を作っていけばよい。

それを、親の「絶望」で気付かせることもある。

逆に言えば、あなたの絶望によって、強い人間を作ることになる。


そう思って、日々の暮らしを見ると、

どんなに絶望に陥っても、日々続いていく営みが、

どれだけしあわせなことか、ちょっとわかってきませんか?


掃除機の音や兄弟喧嘩の口論が、

ちょっとしあわせに聞こえた時、

あなたは絶望から、

離れている自分に気づきます。


たまに、ちょっとうるさすぎることもありますけどね(笑)



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