with_poet
降雨真夜中烈風シャウト_残響
高いところへ行きたい
屋上へ 駆け上がった
もうすぐ雨が降る
深夜バスの窓には車内だけが映っていた
とうに外は見えなくなっていた
一番後ろの席から見える無数の赤い光
「次、止まります」のボタンが浮かび上がる
浮かび上がって それぞれが結びつく
レーザー光のように 点と線のマトリクス
気づけば時速80キロ超の直方体の中で
赤くて歪なジャングルジムができていた
これを あなたに送りつけるよ
疲れ切った顔の大人と
やはり疲れ切った顔の大人が
歩道のこっち側と向こう側から歩いてくる
錆びた看板の前で人通りを避けて
いよいよだ
最大限のモヤモヤを抱えた2人のすれ違い
その瞬間に そこに穴が開く
今だ!
捕獲に成功した これをアンタに送りつける
信号機は私にだけ教えてくれる
信号を守った人数と 守らなかった人数
比率はとても興味深いけどそれは後
私は今 9999人の数字を見ている
記念すべき10000人目の悪い子になれる
私がなれる
でもやっぱりやめた
この権利はあなたに送る
記念すべき良い子になる権利だったら あげなかったかも
空に張られたネットはもう限界だった
今にも灰色の水滴がこの街一帯をしずめる
受け取った 受け取ったよアンタたち
防水の「ぼ」の字も無いアンプが私の横で震えた
湿りに湿った風が伸ばした髪を挑発してくる
屋上の高さはちょうどいい
もっと上にいるやつは吹き飛ばしてやる
準備は整った 深呼吸
最初の一滴。視界の隅で開始の合図。
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