潜入捜査

「明日は、わたしは茉都香の通っていた進学塾に行ってみて、彼氏に心当たりのある人がいないか探ってみるわね。」

もし、その彼氏とやらが自分の子供であるお腹の赤ちゃんや妊婦である茉都香を手にかける様な相手だったならば、今回の件で動き回っているわたしの身も危ないという事にもなり兼ねない。もしかしたら、わたしの向かうその進学塾に、目指すべきその彼氏自身がいないとも考えられない。用心には用心を重ねて、念のため、透にも自分の予定を伝えておく。


「もしもの場合は、キミ宛にメールを送るなり、電話ををするなりするから、万が一の時は、キミはわたしのお父さんに連絡を取って頂戴。その際は、決してわたしの後を追ったりしない事。いいわね?でないと、危機一髪のピンチを救う王子様の役を失っちゃうばかりか、一緒に残念な結果を迎えるなんて羽目になるんだからね。約束出来る?」

残念な結果とは、言うまでもないだろう。


「分かった、絶対約束する。じゃあおじさんの緊急連絡先を教えておいてよ。」


「OK。後でメールしておくから、ちゃんと連絡先にいれておいてね。お父さんにも透くんの事は話しておくわ。」

“連携はちゃんとしておかなくっちゃ。”


「ありがとう。あ、そういえば、栞ちゃんもぼくに手伝ってもらいたい事があるって言ってたよね?ぼくは何をすればいいの?」

透が思い出して尋ねてくれた。

そうそうそれそれ。すっかり大事な事を忘れるところだった。



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