終章 クソゲーは、永遠なる。クソが。

第71話

 俺が思うにクソゲーとは、絶対に根絶することが不可能な存在なのである。

 ゲームが生まれる、生まれる、生まれる。ポンポンポンポン生まれ出でて、消えていくこの世の中、そのどれもが良作、凡作足り得ることは出来ない。果物だってどれもが同じ作り方をしたところで良質な果実ばかりを付けるとは限らない。突然変異でまるで未知の品種が誕生するかも知れないし、味が劣る個体というものも勿論出てくる。

 クソゲーだって同じことだ。まして、常に新しい価値を提供しなくてはいけないゲーム市場にある限り、これは宿命である。

 確かに近年はクソゲーが減少しているとはいえ、根絶が不可能なのはこういう事情があるからだろう。自然現象において、100%などありえない。必ずやエラーは発生するのだから。

 そういう意味において、クソゲー業界は供給こそ減ってはいるが、まだまだ安泰といえるだろう。人が新しい刺激を求める限り、劣悪なものは必ず生まれ、そして都合の悪いことに人は過ちを繰り返す。

 だからこそ、クソゲーよ、永遠なれ。などという言葉を使う必要なんて無い。

 クソゲーは勝手に存在し続け、新しく生まれ出でる。

 クソゲーは、放っておいたって勝手に永遠の存在。

 永遠なるもの。汝の名はクソゲーなり。

 クソが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る